ウインナー・ワルツの創始者、ヨハン・シュトラウス1世が没した日
9月25日
ウインナー・ワルツの創始者、ヨハン・シュトラウス1世が没した日(1849年)。毎年元旦にウィーン・フィルが開催する恒例行事、ニューイヤー・コンサートのアンコール曲といえば「ラデツキー行進曲」だが、この曲も彼が作曲した。当時から「ヨハン・シュトラウスを知らなければウィーンを知っていることにはならない」と言われるほど、彼の音楽はウィーン市民の誇りであり、今もなお世界中で愛されている。
GB COLUMBIA 9280 JOHANN STRAUSS TALES FROM THE VIENNA WOODS-WALTZ/ARTISTS LIFE-WALTZ
GB DARK BLUE WITH GOLD LETTERING, SP盤 300㌘重量盤.
- Record Karte
- 80rpm.
ヨハン・シュトラウスと彼の交響楽団の演奏盤です。曲は「ウィーンの森の物語」「芸術家の生活」。ヨハン・シュトラウス2世が作曲した演奏会用のウィンナ・ワルツ「ウィーンの森の物語」は、非常に人気の高い作品であり、シュトラウス2世の「十大ワルツ」のひとつとされ、その中でも特に『美しく青きドナウ』と『皇帝円舞曲』とともに「三大ワルツ」に数えられる。
120年の伝統をとどめているレコードの一枚。
120年の伝統をとどめているレコードの一枚。
父ヨハンは〝ワルツの父〟、子のヨハンは〝ワルツ王〟と呼ばれている。父子とも実用的な舞踏音楽であるウィンナ・ワルツの基礎を築いた作曲家として名高い。毎年元旦にウィーン・フィルが開催する楽友協会ホールで開く恒例行事、ニューイヤー・コンサートのアンコール曲といえば「ラデツキー行進曲」(1848年初演)だが、この曲も彼が作曲した。ハンガリーの将軍ラデツキー伯爵の凱旋祝賀演奏会のために書かれた、トルコの軍楽を思わせる勇壮なマーチだ。
当時、ウィンナ・ワルツはメッテルニッヒの専制政治下における社会不安のもとで、大流行した。当時から「ヨハン・シュトラウスを知らなければウィーンを知っていることにはならない」と言われるほど、彼の音楽はウィーン市民の誇りであり、今もなお世界中で愛されている。
父ヨハンは「アンネン・ポルカ」、「ラデツキー行進曲」など250曲にのぼる作品を作曲し、子ヨハンは父が確立したウィンナ・ワルツをいっそう洗練させ、芸術性を盛り込んだ500曲におよぶ作品を書いた。「美しく青きドナウ」、「ウィーンの森の物語」、「皇帝円舞曲」などのワルツのほか、「こうもり」、「ジプシー男爵」など16曲のオペレッタを作曲している。この一家は全部音楽家で、次男ヨーゼフも、三男エドゥアルト(=エドゥアルト・シュトラウス1世)も作曲家兼指揮者であった。
現在も三兄弟の血筋は存続しているが、ヨハン2世には子がおらず、ヨーゼフの一人娘はアイグナー家に嫁いでその子孫はシュトラウス姓を受け継いでいない。なお、ヨハン1世は愛人エミーリエ・トランプッシュとの間に庶子を少なくとも8人儲けているが、この血筋も断絶している。今なお血筋が男系でシュトラウス姓を名乗っているのは、三兄弟のうちエドゥアルトの子孫のみである。
今回の主人公、ヨハン・シュトラウス3世はこのエドゥアルトの長男。また、ヨハン・シュトラウス3世の弟、つまりエドゥアルトの次男ヨーゼフの末子エドゥアルト・シュトラウス2世もウィンナ・ワルツの指揮者として活躍した。長年ヨハン3世の子孫がシュトラウス家の嫡流として続いたが、1993年にヨハン3世の孫ヨハンが死去してこの家系も断絶し、エドゥアルト2世の家系が嫡流となった。それぞれ、ヨハン・シュトラウス楽団を名乗っている。
世界でもっとも長い歴史を持つクラシック音楽のレコードレーベルであるドイツ・グラモフォンは、1898年12月に創設された。その創設早々の1903年4月から、ヨハン3世の指揮したシュトラウス一族の作品のレコード8枚が発売された。ヨハン3世は自身の管弦楽団とともに158もの蝋管に録音した。精力的な演奏旅行とレコーディング活動により、ヨハン3世自身も指揮者として高い評価を獲得。1931年8月1日、800人編成という巨大オーケストラを指揮し、1936年3月1日には、ウィーン楽友協会での「シュトラウス音楽の夕べ」を指揮した。ナチス・ドイツがオーストリアを併合した翌年の1939年1月9日、ヨハン3世はベルリンにおいて72歳で死去する。このヨハン3世の死をもって、祖父ヨハン1世のデビュー以来120年にわたって連綿と続いてきたシュトラウス一家の伝統が途絶えた。奇しくも、有名なウィーンフィル・ニューイヤーコンサートの歴史が始まったのは、この1939年の大晦日のことであった。
ヨハン3世はもっぱらセミ・クラシックの指揮者として知られるが、当初は主に作曲家として活動した。彼の作品としては、ワルツ『世界は勇者のもの』(作品25)や『戴冠式のワルツ』(作品40)などが比較的よく知られているが、三兄弟のエドゥアルトの曲はウィーンフィル・ニューイヤーコンサートでもプログラムされおなじみだが、ヨハン3世の作品が演奏されたことはない。
20世紀初頭、アメリカから伝えられたジャズがヨーロッパを一世風靡する。ワルツはクラシカルな音楽となり、「ヨハン・シュトラウス」という大きな名前と大きな遺産の守護者としての自覚から、ヨハン3世は一家の音楽を引き続き活性化させようと努力した。1921年から1925年にかけてのヨハン3世の活動は特に旺盛で、積極的に録音活動も行った。彼が演奏した作品は、シュトラウス一族のものだけではなく、レハール、ワルトトイフェル、リンケ、スッペ、ツィーラー、ベルリオーズ、ショパン、サン=サーンス、フロトー、オベールなど多岐にわたる。ヨハン3世の今日最も有名なレコードは、1927年にロンドンで作られたコロムビア・レーベルのための18曲の録音である。「ヨハン・シュトラウス」の遺産を守護し、毎年年頭にシュトラウス一家のワルツやポルカを楽しむ下地となった、ヨハン・シュトラウス3世が指揮したSPレコード。楽友協会の聴衆になった気分で、手拍子をしながら聴こう。
Radetzky-Marsch op. 228,9289,WAX 2798,1927年6月2日録音
一方、日本にもたびたび公演のために訪れているウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団は1966年の結成。ウィーン交響楽団などで活動していた、エドゥアルト・シュトラウス2世が初代指揮者に招かれた。エドゥアルト・シュトラウス2世は1949年、「シュトラウス音楽祭」をウィーンで開催して指揮者としてデビュー。以来、世界各国、各地のオーケストラで「ウィーン音楽の夕べ」を催したり、「ウィンナ・ワルツの夕べ」を催したり、上品な音楽解釈で評判を得ていた。オーストリア・ラジオ(ORF)などの肝いりで結成されたウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団はヨハン・シュトラウス1世が創始し、エドゥアルト・シュトラウス1世が1901年に解散した「シュトラウス楽団」の再興を目指したものであり、楽団の編成は19世紀当時のものと同じであった。(ちなみに、ヨハン3世のシュトラウス楽団は、ヨハン・シュトラウス2世が率いていた楽団。)ところが、1969年4月6日、大動脈塞栓症で58歳の男盛りに急死した。こちらは録音はそれほど多くなく、アマデオやヴォックスに数枚のウインナワルツアルバムが残されている。
なお、エドゥアルト2世の亡き後、ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団の首席指揮者の座はヴィリー・ボスコフスキーが引き継いだ。
CDの購入はアマゾンで
Various
OPUS蔵
2010-12-20
シュトラウスのワルツに特化した長真弓のSPコレクションから約100枚を厳選した「ヨハン・シュトラウスコレクション」CD8枚組セット。Various
OPUS蔵
2015-09-30
2015年秋発売の第2弾も併せて揃えておきたい逸品です。シュトラウス(エドゥアルド),東京交響楽団
ユニバーサルミュージック
2014-01-22
ヴィンテージレコードの写真
プロダクト・ディテール(オリジナル盤)
- レーベルCOLUMBIA
- 楽曲TALES FROM THE VIENNA WOODS-WALTZ/ARTISTS LIFE-WALTZ
- レコード番号9280
- 作曲家ヨハン・シュトラウス2世
- オーケストラヨハン・シュトラウスの交響楽団
- 指揮者ヨハン・シュトラウス
- 録音種別78s(SP)
- 製盤国GB(イギリス)盤
- カルテ(SP盤)80rpm
DARK BLUE WITH GOLD LETTERING, SP盤 300㌘重量盤。
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ショップ・インフォメーション(このオリジナル盤はショップサイトの扱いがあります。)
- 品番
- 盤コンディションEX
- 価格2,200円(税込)
- 商品リンクhttps://recordsound.jp/index.php?dispatch=products.view&product_id=27784
- ショップ名Decca EMI DGG 初期盤・クラシックレコード専門店「RECORD SOUND」
- ショップ所在地〒706-0224 岡山県玉野市八浜町大崎430-12
- ショップアナウンス当店は、主に1950年代~1970年代に欧米で発売された中古レコードを取り扱っております。
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YIGZYCN
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