J.S. Bach, Karl Münchinger, Stuttgart Chamber Orchestra ‎– Suite No.2 In B Minor ‎– FR DECCA LX3043

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バッハ:管弦楽組曲第1~4番
ミュンヒンガー(カール)
ポリドール
1999-11-01

ミュンヒンガーのバッハも現代においては『色あせて』聞こえる。

バロック時代の「組曲」とは、ヨーロッパ各地に起源を持つ舞曲を組み合わせた器楽合奏曲の1ジャンル。その中でも現在最も親しまれているのが大バッハ(ヨハン・ゼバスティアン・バッハ)の管弦楽組曲。カール・ミュンヒンガーの指揮で、独奏フルートが華やかに活躍する第2番。ゆったり目のテンポで、身をゆだねていると落ち着いた気持ちにさせる演奏です。
ミュンヒンガーは第1ヴァイオリンとフルートを重ねて書いてある部分を、協奏曲仕立てでフルートを際立たせたり合奏で盛り上げたりと工夫しているようで、器楽合奏の楽しみ、躍動美、そんな雰囲気をミュンヒンガーの演奏からは感じます。
何度目かのバロック音楽ブームも古楽器への関心が日常化してきて古楽器を使ってのバッハ演奏も、自由闊達で屈託なく解釈抜きで楽しめるようになった。モダン楽器を使ってのピリオド奏法も珍しくなくなってきて、古楽器の扱いでも演奏家も録音エンジニアもノウハウが随分と整ってきたようだ。
前回の東京オリンピックが開催された昭和30年代半ば、ステレオのレコード再生の追い風になったムーブメントがアントニオ・ヴィヴァルディとバッハのバロック音楽のレコードでした。バッハの音楽では、フルートが華やかに活躍する第2番と《G線上のアリア》として有名な〈エアー〉を含む第3番の2曲は随分と好まれました。まだ当時は古楽の演奏が一般的でなく、カール・リヒターやクルト・レーデル、ジャン=フランソワ・パイヤールなどがよく聴かれていた頃。バロック音楽というと王侯貴族の生活空間を音楽が飾った時代の演奏スタイルだと説明されて、華麗で上品な音楽を思わせました。

カール・ミュンヒンガー(Karl Münchinger, ドイツ 1915.5.29〜1990.3.13)

父親は早くに他界しており、「教会音楽なら勉強しても良い」と母親から言われていたカール少年は、学校に通い始めた頃にはすでにヴァイオリンを弾けるようになっていたので、入学と同時にオーケストラに所属した。学生生活を送るなかで「指揮者になりたい」という想いが募り、母に相談するも「短いスカートを履いた娘たち(バレリーナやオペラの歌手を指す)の指揮者」になることを反対され、学費は出さないと言い渡された。
その後ミュンヒンガーはライプツィヒに渡り、自分で学費を稼ぎながら指揮者ヘルマン・アーベントロートに師事した。また、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーやクレメンス・クラウスに影響を受けた。
戦後、従軍から帰還したミュンヒンガーは自身のオーケストラを作りたいという思いを実行に移し、団員を集め、シュトゥットガルト室内管弦楽団を設立した。たまたま入手した、手稿の写真をコピーしたものを写譜したりした、この経験がバロック・オーケストラを志向するようになり、まもなくバロック音楽ブームの火付けの成果となった。


戦争兵器の技術がもたらした音楽の快楽。


― 世界大戦への気配の最中、潜水艦ソナーのために開発された〝Hi-Fiサウンド〟はレコード・マニアに大いに喜ばれ「ステレオはロンドン」というイメージを決定づけた。

ステレオ録音黎明期1958年から、FFSS(Full Frequency Stereophonic Sound)と呼ばれる先進技術を武器にアナログ盤時代の高音質録音の代名詞的存在として君臨しつづけた英国DECCAレーベル。第2次世界大戦勃発直後の1941年頃に潜水艦ソナー開発の一翼を担い、その際に、潜水艦の音を聞き分ける目的として開発された技術が、当時としては画期的な高音質録音方式として貢献して、レコード好きを増やした。
英DECCAは、1941年頃に開発した高音質録音ffrrの技術を用いて、1945年には高音質SPレコードを、1949年には高音質LPレコードを発表した。1945年には高域周波数特性を12KHzまで伸ばしたffrr仕様のSPレコード盤を発売し、1950年6月には、ffrr仕様の初のLPレコード盤を発売する。
特にLPレコード時代には、この仕様のLPレコードの音質の素晴らしさは他のLPレコードと比べて群を抜く程素晴らしく、その高音質の素晴らしさはあっという間に、当時のハイファイ・マニアやレコード・マニアに大いに喜ばれ、「英デッカ=ロンドンのffrrレコードは音がいい」と定着させた。
日本では、1954年1月にキングレコードから初めて、ffrr仕様のLPレコード盤が発売された。その後、1950年頃から、欧米ではテープによるステレオ録音熱が高まり、英DECCAはLP・EPにて一本溝のステレオレコードを制作、発売するプロジェクトをエンジニア、アーサー・ハディーが1952年頃から立ち上げ、1953年にはロイ・ウォーレスがディスク・カッターを使った同社初のステレオ実験録音をマントヴァーニ楽団のレコーディングで試み、1954年にはテープによるステレオの実用化試験録音を開始。この時にスタジオにセッティングされたのが、エルネスト・アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団の演奏によるリムスキー=コルサコフの交響曲第2番「アンタール」。その第1楽章のリハーサルにてステレオの試験録音を行う。アンセルメがそのプレイバックを聞き、「文句なし。まるで自分が指揮台に立っているようだ。」の一声で、5月13日の実用化試験録音の開始が決定する。この日から行われた同ホールでの録音セッションは、最低でもLPレコード3枚分の録音が同月28日まで続いた。
繰り返し再生をしてもノイズのないレコードはステレオへ。
1958年にヨーロッパや米RIAAのステレオ・レコードの規格として45/45方式を採用したのを期に、DECCAは自社で開発したV/L方式を断念し、ステレオ・レコードの標準規格となった45/45方式による同社初のステレオ・レコードを7月には、発売。
その際に、高音質ステレオ録音レコードのネーミングとしてFFSSが使われた。ffrr技術を受け継いだffss(Full Frequency Stereophonic Sound, 全周波数立体音響)を発表。以来、数多くの優秀なステレオ録音のレコードを発売。そのハイファイ録音にステレオ感が加わり、「ステレオはロンドン」というイメージを決定づけた。Hi-Fiレコードの名盤が多い。
録音自体は早く1955年7月、世界初のステレオによるワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」全4部作を録音を皮切りに、米RCAビクターへの録音をステレオで開始してLiving Stereoシリーズは大成功する。
レコードのステレオ録音は、英国DECCAが先頭を走っていた。1958年より始まったステレオ・レコードのカッティングは、世界初のハーフ・スピードカッティング。この技術は1968年ノイマンSX-68を導入するまで続けられた。

プロダクト・ディテール(オリジナル盤)

  1. オーケストラ
    シュトゥットガルト室内管弦楽団
  2. 指揮者
    カール・ミュンヒンガー
  3. 作曲家
    ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
  4. タイトル
    ミュンヒンガー バッハ・管弦楽組曲 DECCA LX3043
  5. レーベル
    DECCA
  6. レコード番号
    LX3043
  7. 録音種別
    MONO
  8. 製盤国
    FR(フランス)盤
  9. レーベル世代
    ORANGE WITH GOLD LETTERING
  10. カルテ(管弦楽曲)
    1枚組 10inch盤, Stamper 1B/1A。

ショップ・インフォメーション(このオリジナル盤はショップサイトの扱いがあります。)

  1. 品番
    6645
  2. 盤コンディション
    VG
  3. ジャケットコンディション
    EX-
  4. 価格
    1,320円(税込)
  5. 商品リンク
    https://recordsound.jp/index.php?dispatch=products.view&product_id=9047
  6. ショップ名
    Decca EMI DGG 初期盤・クラシックレコード専門店「RECORD SOUND」
  7. ショップ所在地
    〒706-0224 岡山県玉野市八浜町大崎430-12
  8. ショップアナウンス
    当店は、主に1950年代~1970年代に欧米で発売された中古レコードを取り扱っております。
    当店で取扱っているLPレコードは、専任のスタッフが全て洗浄・グレーディングを行なっております。商品にならない盤はご提供致しておりませんので安心くださいませ。

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