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  • Record Karte
  • NL Minigroove, PLUM WITH SILVER LETTERING
        • Don Pasquale - Renato Capecchi
        • Norina - Bruna Rizzoli
        • Malatesta - Giuseppe Valdengo
        • Ernesto - Petre Munteanu
        • Un notaio - Claudio Adorni
        • Teatro di San Carlo di Napoli Orchestra & Chorus
        • Conductor: Francesco Molinari-Pradelli
        • rec. 1955

声楽というもののテクニックの世界のひとつの頂点が、ベルカント・オペラだ。その中でも抱腹絶倒のギャグ・オペラが「ドン・パスクワーレ」。オペラで腹を抱えて笑いたい人は、ぜひとも楽しんでほしい!。

抱腹絶倒の結婚大作戦!綺羅星のごとき歌手が繰り広げるオペラ・ブッファ

ローマに住むドン・パスクワーレ(Don Pasquale)は資産家ですが、頑固な70歳。とだけ紹介すると迷惑な頑固爺さんと受け取りがちですが、ドン・パスクワーレの「ドン」の称号は功労があって貴族に取り立てられた現れ。節約家、伝統を重んじる性分。別に女嫌いというわけでもないのですが、気がつけばこの歳になるまで独身を通してしまった。人を信じやすく、融通が効かないところが欠点と言える、根は悪くない人物。日頃から、医師のマラテスタ(Malatesta)は彼を訝しく思っていました。そんな二人の間で若い恋人同士が翻弄させられるドタバタ劇。
ドン・パスクワーレは、甥のエルネスト(Ernesto)に「遺産を譲るから、縁談を受けてくれ」を勧めています。しかし、エルネストは「恋人(ノリーナ, Norina)がいるから縁談は受けられない」と断ります。「結婚するなら彼女しかありえない」と譲らない甥っ子に、どうせ抜け目のない女にしぼりとられるのがオチだろうと心配するやら、どうも最近の甥をみていると、遺産を相続したら最後、あっという間に浪費して終わってしまいそうな予感がして気が気でなくいます。
甥エルネストとノリーナの結婚をマラテスタがお膳立てしようとしていることを知ったパスクワーレが、一行に一泡ふかせようとして逆に策略にはまり、「エルネストとノリーナの結婚が認められた」ところでハッピーエンドで幕となる、誰かが悪役という立場でもない物語。
主人公と母親との思い出をぶち壊しにする仰天ギャル、ノリーナと、主人公の主治医マラテスタとの関係も何か怪しいし、彼女の恋人でドン・パスクワーレの甥エルネストは「甥っ子は役立たず、ご老人の悩みの種」と合唱で歌われるようにボーっと生きている、お坊ちゃんで優男。そして主人公のドン・パスクワーレが彼らにもまして、70歳なのに子供のまま。過去の思い出にしがみつく、こんな人たち、現実にいるよね。と呟きたくなる。
リアルな登場人物たちの『ドン・パスクワーレ』は現代につながる身近な要素も満載で、1843年にパリで初演されて以来、エイジハラスメント的なところが内容から伺われても、ドニゼッティ作曲の美しい音楽と共に、今なお世界中で愛されています。
声楽というもののテクニックの世界のひとつの頂点が、ベルカント・オペラだ。ベルカント・オペラというのは、音楽がワーグナーなどのようには凝っていないので、キャストが良くないとなんにも面白くないが、その中でも抱腹絶倒のギャグ・オペラが「ドン・パスクワーレ」。
ジョアキーノ・ロッシーニ、ヴィンチェンツォ・ベッリーニとドニゼッティの3人は、19世紀前半のイタリアオペラを代表する作曲家としてベルカントオペラの全盛期をリードしました。その中でガエターノ・ドニゼッティ(Gaetano Donizetti/1797年-1848年)は『愛の妙薬』『連隊の娘』『ドン・パスクワーレ』などの喜劇的なオペラを書く一方で、『アンナ・ボレーナ』『ルクレツィア・ボルジア』『ランメルモールのルチア』などの悲劇的なオペラも遺しました。
19世紀初頭のオペラ・ブッファ(喜劇的オペラ)は、『セビリアの理髪師』もそうですが、年配の金持ち男が若い娘に手を出し、彼女とその恋人、彼らの恋の成就を助ける知恵者の三人にコテンパにやられるという物語が結構存在します。70歳の資産家が若い娘と結婚しようとして痛い目に会う、ドニゼッティが晩年に作曲した傑作『ドン・パスクワーレ(Don Paspuale)』も同じ系統といえるでしょう。台本はジョヴァンニ・ルッフィーニが急いで書いたものを、ドニゼッティ自身が手を加えて完成したとされています。
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オーボエなど木管楽器の温かみのある音。


英DECCAの華やかな印象に対して蘭フィリップスは上品なイメージ。〝響きの美しさ〟よりもオーケストラの音の重量感としてのバランスが見事。

ヨーロッパ屈指の家電&オーディオメーカーであり、名門王立コンセルトヘボウ管弦楽団の名演をはじめ、多くの優秀録音で知られる、オランダ・フィリップス・レーベルにはクララ・ハスキルやアルテュール・グリュミオー、パブロ・カザルスそして、いまだクラシック音楽ファン以外でもファンの多い、「四季」であまりにも有名なイタリアのイ・ムジチ合奏団らの日本人にとってクラシック音楽のレコードで聴く名演奏家がひしめき合っている。イギリス・グラモフォンやイギリスDECCAより創設は1950年と後発だが、オランダの巨大企業フィリップスが後ろ盾にある音楽部門です。ミュージック・カセットやCDを開発普及させた業績は偉大、1950年代はアメリカのコロムビア・レコードのイギリス支社が供給した。そこで1950年から60年にかけてのレコードには、アメリカCOLUMBIAの録音も多い。1957年5月27~28日に初のステレオ録音をアムステルダムにて行い、それが発売されると評価を決定づけた。英DECCAの華やかな印象に対して蘭フィリップスは上品なイメージがあった。フィリップスは1982年10月21日コンパクト・ディスク・ソフトの発売を開始する。ヘルベルト・フォン・カラヤンとのCD発表の華々しいCD第1号はイ・ムジチ合奏団によるヴィヴァルディ作曲の協奏曲集「四季」 ― CD番号:410 001-2。1982年7月のデジタル録音。現在は、フィリップス・サウンドを継承してきたポリヒムニア・インターナショナルが、これら名録音をDSDリマスタリングし、SACDハイブリッド化しています。

プロダクト・ディテール(オリジナル盤)

  1. 演奏者
    • ジュゼッペ・ヴァルデンゴ
    • ブルーナ・リッツォーリ
    • ペートゥル・ミュンテアヌー
    • レナート・カペッキ
  2. オーケストラ
    ナポリ・サン・カルロ劇場管弦楽団
  3. 指揮者
    フランチェスコ・モリナーリ=プラデッリ
  4. 作曲家
    ガエターノ・ドニゼッティ
  5. タイトル
    歌劇「ドン・パスクワーレ」全曲
  6. 録音年
    1955
  7. レーベル
    PHILIPS
  8. レコード番号
    A00323/24
  9. 録音種別
    MONO
  10. 製盤国
    NL(オランダ)盤
  11. レーベル世代
    Minigroove, PLUM WITH SILVER LETTERING
  12. レコード盤重量
    140㌘/140㌘、2枚組.
CDはアマゾンで購入できます。
Puccini: Tosca
Pradelli
Eloquence
2008-09-02

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