アメリカを代表するポピュラー音楽界屈指の指揮者、アレンジャー。1940年代からプロとして仕事を始め、1951年から1962年まで米キャピトル・レコード（Capitol Records）の事実上の音楽監督として有利な立場にあり、フランク・シナトラのアルバムおよびシングルの指揮とアレンジをする。ナット・キング・コールの数多の名曲をを手がけ、テレビ、映画の主題歌でも名を馳せたネルソン・リドル。ジャズよりのリッチなイージーリスニング。妥協を許さない百戦練磨のネルソン・リドルは1985年惜しくも亡くなってしまったが、ジュニアが後をついで、御大のサウンドを継承している。

このアルバムは、ネルソン・リドルがテレビ映画のアカデミー賞であるエミー賞を4つも獲得し、アメリカで大変評判だったテレビ映画「アンタッチャブル」のために特別に作曲したものです。アンタッチャブルスは、1920年代、アメリカに禁酒法がしかれた頃。アル・カポネを首領とするシカゴのギャング団の酒の密輸やその他の犯罪を撲滅するため、決然と立った検察官、エリオット・ネスの活躍を大胆にリアルに描いたもので、主役のエリオット・ネスには映画でお馴染みのロバート・スタックが扮して、縦横無尽の活躍をしております。

アメリカでは40％という高視聴率を維持し、日本でもつねに30％以上の視聴率あげていました。

1929年10月24日の世界恐慌をきっかけに不況が続いたアメリカが、ルーズベルト大統領のニューディール政策が一時的なカンフル剤の役目を果たして、その状況を脱しはじめるのは1930年代半ばのこと。禁酒法時代のシカゴを舞台に、決して買収されることがなかったことで〝アンタッチャブルス〟と呼ばれた財務局所属の特別捜査官の活躍を描いたクライムアクション。医者に警官、政治家から弁護士へと脅しと、買収で築き上げられたアル・カポネの暗黒帝国に、エリオット・ネスをリーダーとする特別捜査班が戦いを挑みます。原作は新聞記者のオスカー・フレイリーが、エリオット・ネスの記憶と記録をもとにして書いた実話。殺しも買収もきかない奴らとして暗黒街にその名を知られるようになったグループは、1929年10月にわずか10人で結成。それから2年半の戦いの末、1932年5月にカポネを逮捕し、刑務所送りに成功します。それでもって、このグループの使命は終わり解散。原作もそこで終わっています。ところがカポネ王国の残党が残っていて、ネスの活躍は続きます。テレビでは、原作部分はパイロット版として前後編で製作（日本では、『どてっ腹に穴をあけろ』という題名で劇場公開）され、シリーズ本編はカポネ逮捕後から開始。カポネが11年の懲役を宣告されてから間もないある日、カポネの主な幹部6人が集まり、カポネの後継者を選ぶ会議を開催。しかし、誰もが誰の命令に従うことを拒否し、折あらば他人の縄張りを狙うという生き馬の目を抜く状態になります。結束のほつれから彼らの動きに気づいたエリオット・ネスは新たな特捜班を組織し、ギャングたちがそれぞれ孤立するチャンスを狙って次々に検挙していく。第1話として、ネスが最初の目標としたのが、カポネ王国の財産の全てを掌握しているジェーク・ガジックでした。ガジックはカポネの会計係をしており、いつも札束の勘定をしているので親指が油じみているという意味からあだ名はグリージー・サム（油じみた親指）。ネスはガジックの姪バーバラの夫リッチーがガジックの手によって殺された事実をつきとめ、バーバラの協力でカポネの証券と預金がリッチーの墓に隠されていることをつきとめます。ガジック逮捕にいたるスリルとサスペンスにみなぎっています。本国アメリカでは1959年から63年にかけて放送。日本語吹替版は、NET（現：テレビ朝日）系列で1961年5月～64年6月放送。マシンガンの銃口からほとばしる火線、鼓膜を心地よくつきささる銃撃音。ストーリーはフィクションですが、銃器だけでなく、自動車にしても建物にしても1920～30年代の時代考証がしっかりしたドキュメンタリー・タッチ。すさまじい暴力の迫真性。1920年代のクラシックカーに乗ったギャングが敵対ギャングに機関銃をバリバリぶっ放します。タイプライターとあだ名されたトミーガン ― 正式名称はトンプソン短機関銃。この銃の弾倉には20発用と30発用がありますが、ギャングたちがもっぱら使用したのは最高100発入るドラム弾倉。もちろんこの銃はギャングだけでなくFBIや警察も使用しており、市街戦におけるトミーガンの撃ちあいは他の番組では見られない本格派で、日本でもこのシリーズは大ブレークします。