DE DGG SLPM136 451 タマーシュ・ヴァシャーリ ショパン・スケルツォ
- Record Karte
DE 赤ステ TULIP ALLE HERSTELLER 盤[オリジナル]
- RED STEREO LOGO
- 164㌘重量盤
- リリース 5/64
ショパンやロマン派の作品を得意とするヴァーシャーリの演奏は、叙情的なものと物語的なもの、隣接した《バラード》と《スケルツォ》でさえ物語の内容は異なっていることを明確に聴かせてくれる。
激しい情熱や繊細な詩情が散りばめられている ― 「ピアノの詩人」と称されるショパンの珠玉のようなピアノ名曲。
赤ステ、ALLE HERSTELLER ではじまる初期チューリップ盤でジャケット、レコード良好でこの価格。ここに収めた《スケルツォ》はショパンの抒情的な面ではない、物語的なスタイルの音楽。激しい情熱や繊細な詩情など、ショパン音楽のエッセンスが1曲の中に配置されて、いわば起承転結を構成させる。《バラード》、《スケルツォ》、《舟歌》、《ボレロ》など物語的構成を持つ作品では、各動機は変奏や転回、反復、拡張などの手法を用いて発展されヴィーン古典派のソナタのような様式の足枷なしに、ダイナミックでドラマティックな、始まりから終わりへ必然をもって突き進むような音楽的時間が生み出される。ショパンはピアノ一台だけの音楽を書き続けましたが、ピアノが楽器の王様たるのは、高い音はピッコロよりも高く、低い音はコントラバスより低い。オーケストラの全音域をカバーしてあまりあり、10本の指で同時に違った音を出せる「一人オーケストラ」です。そこがショパン一人の名曲集のレコードが、いくらでも鑑賞者の耳を遊ばせることになる最大の根源です。抒情的なスタイルの代表が《ノクターン》や《マズルカ》、物語的なスタイルの代表が《バラード》や《スケルツォ》ですが、それらを取り合わせて聴くだけで千変万化の楽しみが得られます。それを単調な時間と感じるうちはクラシック音楽に聞けていないのか、そういう聞き手は悲しい存在です。また、《バラード》と《スケルツォ》は原理的に対抗する存在なのですが、それらは別のブログで書き進めます。ハンガリー出身のタマーシュ・ヴァーシャーリは繊細優美な表現を得意とし、ショパンやロマン派の作品をレパートリーの中心に据え、極めて高い評価を受けているピアニストです。このアルバムはそうした彼の特質と魅力が十全に発揮された一枚となっています。一人オーケストラのピアノを限りなく追求し、その創作に無限の可能性を示したショパン。組織のような協奏曲やソナタから、断片零細な曲それぞれに違った顔が有って、どれ一つ特別扱いできない。それはショパンが固有のジャンルといえるからです。
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