34-19485
通販レコード→深緑銀文字盤

US WESTMINSTER XWN18600 エリカ・モリーニ ブラームス・ヴァイオリン協奏曲

商品番号 34-19485

名器ガダニーニを巧みに操るアメリカの女流バイオリニスト、エリカ・モリーニ。オーストリア併合によるナチスによる迫害から逃れてアメリカに渡ったモリーニはアメリカに渡っても、古典の作品を中心としたレパートリーを磨き上げキャリアを積んでゆく。男性顔負けの雄大さとおっとりした感じの弾き方で、この個性は慣れるとすぐにエリカ・モリーニだとわかるくらいの個性がある。ウィーンのエレガンス、上品な音色がするというのは、そのことで、女性特有のと、表現すると彼女の演奏を古式蒼然たるイメージに陥れてしまうおそれがある。録音こそ古臭いので、現代では萬人に薦めるのは気兼ねするところがありますが、時代背景を分かっている方には問題ない。Decca で録音してくれていれば、もっと良かったと望むところはきりがない。また、カデンツァには、今日あまり弾かれることがないヘールマンのものが使用されている。このカデンツァの部分だけでも、今日のヴァイオリニストとは違う印象だ。ちなみに、良く使われるのはヨアヒムのものでクライスラーのものがたまにあるくらい。ミルシテインなどは自作のものを用いていた。それだけでも興味を持って、ブラームス・ファン、若いヴァイオリニストに聴いていて欲しいと切望するレコードのひとつです。本盤はロジンスキー・ロンドン交響楽団と共演して1957年に録音。スケールの大きいロジンスキーの指揮に対して細やかな表情と完璧なテクニックで望んだもので、そのバランスは素晴らしいもの。LPレコード時代に貢献した彼の存在は大きい。録音も優れていて1950年代の録音とは信じ難い。ロンドンのオーケストラ・コンサートのホールは、あまりに低音が少なく、オーケストラの響きが全体に痩せてパサパサした感じで録音には不向きだ。そこで、このレコードはロンドンの北東部、ウォルサムストウ・タウンホールに併設されているアッセンブリー・ホールで録音されている。ここは幹線道路や鉄道から少し離れているため交通騒音に邪魔されない。ホールは小さな舞台のある木の床張りで、1階席の椅子は可動式で、椅子を取り払う事ができる。小さな舞台でではなく、オーケストラをこの平土間に配置してマイクロフォンをセッティングして録音される。現代はマルチ・トラック録音ができるパソコン1台があれば、素敵な音を作り出せるが、工夫でベストなポイントを探り続けた当時の録音職人たちに乾杯。
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