34-29515
《巨匠フルトヴェングラーの不朽ふきゅうのエロイカ》

通販レコード→US RED WITH SILVER GROOVED ORIGINAL, MONO FLAT 180㌘重量盤

US URANIA URLP7095 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ベートーヴェン 交響曲3番「英雄」

商品番号 34-29515


決定盤〝ウラニアのエロイカ〟

ピリオド楽器演奏や、ベートーヴェン時代の音楽習慣が研究されて、それを反映した現代の演奏に慣れきると、極めて遅いテンポで、じっくりと始まって徐々に巨大に高揚していく。しかし、音楽が停滞したりもたれると感じることは全く有りません。
ヴィルヘルム・フルトヴェングラーWilhelm Furtwänglerの演奏は急激なアッチェレランドなど部分的なデフォルメに驚かされるが、決して全体の統一感を損なわないし不思議と構造的な破綻を感じない。そんな相反することを同時に成し遂げられる演奏家はフルトヴェングラーしか居ないし、人間感情の吐露が神々しさと凌ぎ合っているところに魅力を覚えるのでしょう。
伝え方がフルトヴェングラーは演奏会場の聴衆であり、ラジオ放送の向こうにある聴き手や、レコードを通して聴かせることを念頭に置いたヘルベルト・フォン・カラヤンとの違いでしょう。

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮によるベートーヴェンの交響曲第3番『英雄』は10種類以上の演奏を現在は聞き比べることが出来るが、本盤は1953年に米ウラニア社から発売され、フルトヴェングラー自身の訴えによって一時発売が中止され幻と化した、高名な「ウラニアのエロイカ」。いまだ決定盤と言われる名演奏、1944年とはとても信じられない生々しい音質、すべてが圧倒的なオリジナル盤です。
アナログレコード鑑賞会で、『バイロイトの第九』を聴いて、ずっしりとした手応えを感じた参加者は多かったようだ。第1楽章が終わったところで深い深呼吸が起こった。
ピリオド楽器演奏や、ベートーヴェン時代の音楽習慣が研究されて、それを反映した現代の演奏に慣れきると、極めて遅いテンポで、じっくりと始まって徐々に巨大に高揚していく。しかし、音楽が停滞したりもたれると感じることは全く有りません。フルトヴェングラーの演奏は急激なアッチェレランドなど部分的なデフォルメに驚かされるが、決して全体の統一感を損なわないし不思議と構造的な破綻を感じない。そんな相反することを同時に成し遂げられる演奏家はフルトヴェングラーしか居ないし、人間感情の吐露が神々しさと凌ぎ合っているところに魅力を覚えるのでしょう。
フルトヴェングラーは自身の著書「音と言葉」のなかで、ベートーヴェンの音楽についてこのように語っています。

ベートーヴェンは古典形式の作曲家ですが、恐るべき内容の緊迫が形式的な構造の厳しさを要求しています。

その生命にあふれた内心の経過が、もし演奏家によって、その演奏の度ごとに新しく体験され、情感によって感動されなかったならば、そこに杓子定規的な「演奏ずれ」のした印象が出てきて「弾き疲れ」のしたものみたいになります。

形式そのものが最も重要であるかのような印象を与え、ベートーヴェンはただの「古典の作曲家」になってしまいます。


その思いを伝えようとしている。伝え方がフルトヴェングラーは演奏会場の聴衆であり、ラジオ放送の向こうにある聴き手や、レコードを通して聴かせることを念頭に置いたヘルベルト・フォン・カラヤンとの違いでしょう。
その音楽を探求するためには、ナチスドイツから自身の音楽を実体化させるに必要な楽団を守ることに全力を取られた。そういう遠回りの中でベートーヴェンだけが残った。やはりフルトヴェングラーに最も適しているのはベートーヴェンの音楽だと思います。カラヤンとは異世界感のシロモノで、抗わずに全身全霊を込めて暖かい弦楽器が歌心一杯に歌い上げた演奏で感動的である。
先輩格のアルトゥール・ニキッシュから習得したという指揮棒の動きによっていかにオーケストラの響きや音色が変わるかという明確な確信の元、自分の理想の響きをオーケストラから引き出すことに成功していったフルトヴェングラーは、次第にそのデモーニッシュな表現が聴衆を圧倒する。当然、彼の指揮するオペラや協奏曲もあたかも一大交響曲の様であることや、テンポが大きく変動することを疑問に思う聴衆もいたが、所詮、こうした指揮法はフルトヴェングラーの長所、特徴の裏返しみたいなもので一般的な凡庸指揮者とカテゴリーを異にするフルトヴェングラーのキャラクタとして不動のものとなっている。
全く機械的ではない指揮振りからも推測されるように、楽曲のテンポの緩急が他の指揮者に比べて非常に多いと感じます。しかし移り変わりがスムーズなため我々聴き手は否応なくその音楽の波に揺さぶられてしまうのである。
フルトヴェングラーの音楽を讃えて、「音楽の二元論についての非常に明確な観念が彼にはあった。感情的な関与を抑制しなくても、構造をあきらかにしてみせることができた。彼の演奏は、明晰とはなにか硬直したことであるはずだと思っている人がきくと、はじめは明晰に造形されていないように感じる。推移の達人であるフルトヴェングラーは逆に、弦の主題をそれとわからぬぐらい遅らせて強調するとか、すべてが展開を経験したのだから、再現部は提示部とまったく変えて形造るというような、だれもしないことをする。彼の演奏には全体の関連から断ち切られた部分はなく、すべてが有機的に感じられる。」とダニエル・バレンボイムの言葉を確信しました。これが没後半世紀を経て今尚、エンスーなファンが存在する所以でしょう。

  • Record Karte
    • 演奏:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
    • 録音:1944年12月19日ウィーン、ムジークフェライン・ザール。
    • 優秀録音、名演、超レア盤。

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