Howard Hanson
通販レコード→US 臙脂銀文字米国初出, 160g重量盤
アメリカの音楽家と音楽業界を後押ししたスペシャリストたち
アメリカの指揮者ハワード・ハンソンによる『Fiesta In Hi-Fi』は長く愛され続けているステレオ初期の録音による、アメリカのライト・クラシックです。
ハンソンが指揮したイーストマン・ロチェスター交響楽団はエリック・カンゼル指揮シンシナティ交響楽団の録音と対比されることがあるが、弦楽パートの最後列の一人に至るまで名人を揃えたかのようなヴィルトゥオーゾ集団であるシカゴ交響楽団が別格すぎるもので、オーケストラの機動性が劣っているか優れているかでなく、優れたオーケストラと信頼関係で結ばれた指揮者に恵まれて演奏されると、作品の良さが否応なしにも浮き出てくる。ウィンドオーケストラを思わせる重心の軽さは、等級評価を大きく動かすところながら、有名なジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」や「ピアノ協奏曲ヘ長調」は音の響きも良く、聴く機会の多いレコードですが、ハリウッド・サウンド的。「巴里のアメリカ人」ならぬ、モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel, 1875〜1937)がハリウッドで生活しながら書いた音楽はこうなっていたのではと楽しく空想させる、色彩感豊かで心地よい仕上がり。嗚呼ガーシュウィン(George Gershwin, 1898〜1937)もオットリーノ・レスピーギ(Ottorino Respighi, 1879〜1936)と同じ時代を生きた音楽家だったと再認識させてくれた。
ハワード・ハロルド・ハンソン(Howard Harold Hanson, 1896.10.28〜1981.2.26)は、アメリカ合衆国の作曲家、指揮者、教育者。40年間、イーストマン音楽学校の学長として、アメリカの音楽の成長に寄与した。特に、ハンソンは自ら1939年に設立したイーストマン・ロチェスター交響楽団で、30年間、RCAビクター、マーキュリー・レコード、コロムビア・レコードのために、自作の指揮だけでなく、ここで紹介しているガーシュインやファーディ・グローフェ(Ferde Grofé, 1892〜1972)などの有名どころだけでなく、ジョージ・ホワイトフィールド・チャドウィック(George Whitefield Chadwick, 1854〜1931)やエドワード・マクダウェル(Edward MacDowell, 1860〜1908)という同時代のアメリカの作曲家の作品も数多くレコーディングし、その普及に貢献した。
相反するようなことだが。イーストマン音楽学校の元学長で、アメリカ音楽を積極的に演奏した指揮者でもあった一方で、スウェーデン系アメリカの作曲家ハンソンとしては、非ロマン的な方向に傾きがちな当時の現代音楽に反旗を翻す作曲家の立場を表明していた。ハンソンは20世紀のアメリカを代表する作曲家ですが、その現代音楽に対する徹底的に批判的な態度はスウェーデン系移民の両親の下に生まれたということもあるのでしょうか、北欧系の題材を使うことが多かったので「アメリカのシベリウス」などとも呼ばれた。ハンソンの7つの交響曲のいずれも保守的でアクセスしやすい語法で書かれている。
ロマン主義の真摯な表現であり、当時繁殖しつつあったシェーンベルグ主義、冷たい音楽へのプロテストである『交響曲第2番《ロマンティック》』が作曲された1930年当時の
アメリカの作曲家、特に20世紀に書かれた多くの管弦楽作品を評するに「ハリウッド的」という言葉が使われる。おそらくハリウッド映画に聴かれる音楽スタイルが19世紀ロマン派の様式を踏襲しているからだろう。事実、近年の映画音楽を思わせる力強いオーケストレーションで書かれている。その響きが北欧の国民楽派と比較されることも多いハンソンの交響曲は、アメリカ映画『エイリアン』(1979年)のエンディングテーマ曲として使用された。
ハンソンが指揮したイーストマン・ロチェスター交響楽団はエリック・カンゼル指揮シンシナティ交響楽団の録音と対比されることがあるが、弦楽パートの最後列の一人に至るまで名人を揃えたかのようなヴィルトゥオーゾ集団であるシカゴ交響楽団が別格すぎるもので、オーケストラの機動性が劣っているか優れているかでなく、優れたオーケストラと信頼関係で結ばれた指揮者に恵まれて演奏されると、作品の良さが否応なしにも浮き出てくる。ウィンドオーケストラを思わせる重心の軽さは、等級評価を大きく動かすところながら、有名なジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」や「ピアノ協奏曲ヘ長調」は音の響きも良く、聴く機会の多いレコードですが、ハリウッド・サウンド的。「巴里のアメリカ人」ならぬ、モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel, 1875〜1937)がハリウッドで生活しながら書いた音楽はこうなっていたのではと楽しく空想させる、色彩感豊かで心地よい仕上がり。嗚呼ガーシュウィン(George Gershwin, 1898〜1937)もオットリーノ・レスピーギ(Ottorino Respighi, 1879〜1936)と同じ時代を生きた音楽家だったと再認識させてくれた。
ハワード・ハロルド・ハンソン(Howard Harold Hanson, 1896.10.28〜1981.2.26)は、アメリカ合衆国の作曲家、指揮者、教育者。40年間、イーストマン音楽学校の学長として、アメリカの音楽の成長に寄与した。特に、ハンソンは自ら1939年に設立したイーストマン・ロチェスター交響楽団で、30年間、RCAビクター、マーキュリー・レコード、コロムビア・レコードのために、自作の指揮だけでなく、ここで紹介しているガーシュインやファーディ・グローフェ(Ferde Grofé, 1892〜1972)などの有名どころだけでなく、ジョージ・ホワイトフィールド・チャドウィック(George Whitefield Chadwick, 1854〜1931)やエドワード・マクダウェル(Edward MacDowell, 1860〜1908)という同時代のアメリカの作曲家の作品も数多くレコーディングし、その普及に貢献した。
相反するようなことだが。イーストマン音楽学校の元学長で、アメリカ音楽を積極的に演奏した指揮者でもあった一方で、スウェーデン系アメリカの作曲家ハンソンとしては、非ロマン的な方向に傾きがちな当時の現代音楽に反旗を翻す作曲家の立場を表明していた。ハンソンは20世紀のアメリカを代表する作曲家ですが、その現代音楽に対する徹底的に批判的な態度はスウェーデン系移民の両親の下に生まれたということもあるのでしょうか、北欧系の題材を使うことが多かったので「アメリカのシベリウス」などとも呼ばれた。ハンソンの7つの交響曲のいずれも保守的でアクセスしやすい語法で書かれている。
ロマン主義の真摯な表現であり、当時繁殖しつつあったシェーンベルグ主義、冷たい音楽へのプロテストである『交響曲第2番《ロマンティック》』が作曲された1930年当時の
多くの現代音楽は、完全に頭脳的になりすぎる傾向があるように私には思われる。私は、音楽は主として知性の問題ではなく、むしろ感情の表出であると信じている。とコメントしていることに尽きる。
アメリカの作曲家、特に20世紀に書かれた多くの管弦楽作品を評するに「ハリウッド的」という言葉が使われる。おそらくハリウッド映画に聴かれる音楽スタイルが19世紀ロマン派の様式を踏襲しているからだろう。事実、近年の映画音楽を思わせる力強いオーケストレーションで書かれている。その響きが北欧の国民楽派と比較されることも多いハンソンの交響曲は、アメリカ映画『エイリアン』(1979年)のエンディングテーマ曲として使用された。
「リヴィング・プレゼンス」と名付けた独自の録音方法でLP初期からステレオ全盛期にかけて約350枚のアルバムを制作したマーキュリーレコード。表紙の〝HI-FI STEREO〟と〝LIVING PRESENCE〟の表記から推察されるように、その演奏会場で聴いているような臨場感を見事に再現した録音は、現在でも圧倒的な存在感のある名録音として髙い評価を受けています。
一連のリヴィング・プレゼンス・シリーズの生みの親、米国の女カルーシヨー、ウィルマー・コザート・ファイン(Wilma Cozart Fine)が制作したLPレコードは、音質の素晴らしさでセンセーショナルな話題を呼びました。
一連のリヴィング・プレゼンス・シリーズの生みの親、米国の女カルーシヨー、ウィルマー・コザート・ファイン(Wilma Cozart Fine)が制作したLPレコードは、音質の素晴らしさでセンセーショナルな話題を呼びました。
クラシック音楽にマーキュリーが着手したとき、最初に契約したのがシカゴ交響楽団だった。最初にレコーディングしたのが、ラファエル・クーベリック指揮による『展覧会の絵』(ムソルグスキー)。その音が「生のオーケストラを聴いているみたいに生き生きしている」と言われたことで、マーキュリー・リヴィング・プレゼンスと呼ばれるようになったの。― ウィルマ・コザート・ファイン(1995年11月20日、シカゴに於けるインタビューから)
スイスのスチューダー(STUDER)の原器である米国業務用機器アンペックス(AMPEX)を駆使し、映画用の35ミリのマグネティック・フィルムを導入した録音は、今日でも全く色褪せない新鮮さを保っています。
マーキュリーレコードは1945年にシカゴで設立。「You are there」を謳い文句とし、音楽が生まれる現場にいる臨場感を再現する録音を特徴としていた。1954年にはジャズ部門を独立させたエマーシー・レコードを設立。また、映画のサウンドトラック用35mmテープを流用したクラシックの高音質録音を逸早く手掛け、陸軍士官学校のカノン砲がぶっ放され、72個の鐘が壮大に鳴り響くという、重層的な効果音がたくさん使われているその迫力たるや尋常のものでなかった「1812年序曲」(チャイコフスキー)は当時、世界中で200万枚売れたという超ベストセラーとなり、このレーベルの素晴らしさを世に知らしめた名録音を数々を生んだ。1961年にフィリップスに買収され、メジャー傘下入りしていますが、傘下入り前の録音は進取の精神に溢れた作品が多いのが何とも魅力あるレーベルです。
マーキュリーレコードは1945年にシカゴで設立。「You are there」を謳い文句とし、音楽が生まれる現場にいる臨場感を再現する録音を特徴としていた。1954年にはジャズ部門を独立させたエマーシー・レコードを設立。また、映画のサウンドトラック用35mmテープを流用したクラシックの高音質録音を逸早く手掛け、陸軍士官学校のカノン砲がぶっ放され、72個の鐘が壮大に鳴り響くという、重層的な効果音がたくさん使われているその迫力たるや尋常のものでなかった「1812年序曲」(チャイコフスキー)は当時、世界中で200万枚売れたという超ベストセラーとなり、このレーベルの素晴らしさを世に知らしめた名録音を数々を生んだ。1961年にフィリップスに買収され、メジャー傘下入りしていますが、傘下入り前の録音は進取の精神に溢れた作品が多いのが何とも魅力あるレーベルです。
- 演奏:ハワード・ハンソン指揮、イーストマン・ロチェスター交響楽団
- 録音:1956年10月ニューヨーク州、ロチェスター大学イーストマン・シアター
FIESTA IN HI-FI
- Side-A
- マクブライド:メキシカン・ラプソディ - Mexican Rhapsody(1935)
- ネルソン:サバンナ川の休日 - Savannah River Holiday(1953)
- Side-B
- ミッチェル:ケンタッキー山のポートレート - Kentucky Mountain Portraits(1948-1956)
- Cindy
- Ballad
- Shivaree
- ヴァーデル:ジョー・クラーク・ステップス・アウト - Joe Clark Steps Out(1934)
- ミッチェル:ケンタッキー山のポートレート - Kentucky Mountain Portraits(1948-1956)
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