34-15519

商品番号 34-15519

通販レコード→豪グレイ銀文字盤

〝色々な音が聞こえるエロイカ〟を披露した旬を迎えたデイヴィス ― それは、ピリオド奏法全盛時代の21世紀になって初めて理解される解釈であり、その先駆的な解釈であったことが今漸く承認されるとき到来を思われる。若々しいサー・コリン・デイヴィスの指揮姿の表紙。本盤が日本で紹介された頃では、若輩のイギリスの颯爽としているものの独墺系ではない指揮者がイギリスの放送交響楽団を指揮したベートーヴェン演奏など、まして普段聞こえてこない木管楽器や金管楽器中でもホルンが顕著に強調されている異形の響きに戸惑ったか、音楽産業はアピール・ポイントを見いだせず、〝楽聖〟ベートーヴェンのイメージに畏怖する音楽ファンからは全く無視されていた。1970年代には独墺系の大オーケストラによるベートーヴェン演奏が趨勢だった。楽譜に完璧に忠実であればあるほど、前時代の大編成を継承している限り、ベートーヴェンの音楽に新鮮な響きどころか、ベートーヴェンの耳の内で鳴り響いていた音には成りようがない。ベートーヴェンはピアノ・ソナタで彼が理想とする革新の実験をし、交響曲に反映させていった作曲手段をとっていたようだ。仲道郁代さんがNHK「ららら♪クラシック」で紹介していた通り、ベートーヴェンの時代に立ち返ることからはじめて、現代のホール事情に対応した変換をする必要があるのです。それまで大きな音の塊としてエネルギーを放射してきたベートーヴェンの音楽で飽和状態にならんというとき、小川の辺に咲く草花にもエネルギッシュな生命感を感じるよ、と。柔らかな光を差し込む役割を果たした録音が旬を迎えたデイヴィスと彼が指揮するBBC交響楽団による本盤であった。→コンディション、詳細を確認する
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サー・コリン・デイヴィスは、1927年イギリスのウェイブリッジ生まれ。1957年から本格的指揮者となりロンドン交響楽団、ロイヤル・オペラ・ハウス、BBC交響楽団、イギリス室内管弦楽団といった有数のオーケストラを指揮し特にモーツァルトやシベリウス、ベルリオーズといった作曲家の作品を得意とし数多くの名盤を残しました。1967年BBC交響楽団の首席指揮者、1971年ロイヤル・オペラ・ハウスの音楽監督、そして1982~1992年バイエルン放送交響楽団の首席指揮者、1995~2006年ロンドン交響楽団の首席指揮者を務めてきました。また1977年にはイギリス人として初めてバイロイト音楽祭で指揮しています。またボストン交響楽団の首席客演指揮者やシュターツカペレ・ドレスデンの名誉指揮者でもありました。デイヴィス自身「モーツァルトは人生そのもの」という言葉の通り、彼は、モーツァルト作品に内包するドラマやパトスを表出することのできる数少ない音楽家でもありました。この時期にフィリップスに録音した類まれなモーツァルティアンの名演奏は、そのほとんどが綿密に制作されたセッション録音である点も大きな特徴です。ロンドン響はワトフォード・タウン・ホールなど、ヨーロッパでも最も音響効果のよいホールで収録されており、そのバランスの取れたヨーロピアンな完熟のサウンドは、この時期のデイヴィスの音づくりを忠実に反映したものと言えるでしょう。そうしたデイヴィスの万全なサポートを得て、ベルギーの名ヴァイオリン奏者アルテュール・グリュミオーが甘美で艶やかな音色によって格調の高い演奏を聴かせている一連のフィリップスの録音は、20世紀モーツァルト演奏の金字塔と言えるでしょう。
ヨーロッパ屈指の家電&オーディオメーカーであり、名門王立コンセルトヘボウ管弦楽団の名演をはじめ、多くの優秀録音で知られる、フィリップス・レーベルにはクララ・ハスキルやアルテュール・グリュミオー、パブロ・カザルスそして、いまだクラシック音楽ファン以外でもファンの多い、「四季」であまりにも有名なイタリアのイ・ムジチ合奏団らの日本人にとってクラシック音楽のレコードで聴く名演奏家が犇めき合っている。英グラモフォンや英DECCAより創設は1950年と後発だが、オランダの巨大企業フィリップスが後ろ盾にある音楽部門です。ミュージック・カセットやCDを開発普及させた業績は偉大、1950年代はアメリカのコロムビア・レコードのイギリス支社が供給した。そこで1950年から1960年にかけてのレコードには、米COLUMBIAの録音も多い。1957年5月27~28日に初のステレオ録音をアムステルダムにて行い、それが発売されると評価を決定づけた。英DECCAの華やかな印象に対して蘭フィリップスは上品なイメージがあった。
〝響きの美しさ〟よりもオーケストラの音の重量感としてのバランスが見事なのがハイファイ・ステレオ・ラベル ― この時代は名盤目白押しで、この頃の、フィリップス・トーンの特色といえば、しっかりとした彫りの深い直接音と少々控え加減の空間情報を豊富に持った間接音の見事なバランス感覚に魅力がある。多少の出費は覚悟して も、絶対にゲットすべきだ、と思う。後日、後悔することは、まずないといってよい。英DECCAの華やかな印象に対して蘭フィリップスは上品なイメージがあった。また、この頃のコンセルトヘボウ管弦楽団の音の美しさも絶品で、特にオーボエをはじめとする木管楽器の温かみのある音は、これ以降、ほかの ― コンセルトヘボウも含む ― どこのオーケストラからも聞くことは不可能である。その録音は〝響きの美しさ〟よりも、オーケストラの音の重量感に心惹かれる。ステレオ録音での最初のレーベルは、小豆色 ― 海外のディーラーは「マローン(栗色)」と呼ぶことが多い ― の地の色に大きな銀色の文字で 「HIFI-STEREO」と印刷されたレーベルである。これを多くのわが国のレコード・ファンは文字どおり「ハイファイ・ステレオ・ラベル」と呼んでいる。フィリップスは1982年10月21日コンパクト・ディスク・ソフトの発売を開始する。ヘルベルト・フォン・カラヤンとのCD発表の華々しいCD第1号はイ・ムジチ合奏団によるヴィヴァルディ作曲の協奏曲集「四季」 ― CD番号:410 001-2。1982年7月のデジタル録音。ちなみにCDプレスは当時の西ドイツのポリグラムのハノーファー工場 ― で、それに先立つ1979年11月12~13日に初のデジタル録音を、アムステルダムにて行ったのがサー・コリン・デイヴィス指揮によるロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団による演奏で、ムソルグスキー作曲の組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編曲)と「はげ山の一夜」(ニコライ・リムスキー=コルサコフ編曲)だった。
  • Record Karte
  • 1970年発売。
  • NZ PHIL 6500 141 コリン・デイヴィス ベートーヴェン…
  • NZ PHIL 6500 141 コリン・デイヴィス ベートーヴェン…
ベートーヴェン:交響曲第3番&第8番
デイヴィス(サー・コリン)
ユニバーサル ミュージック クラシック
2003-02-26

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