関連記事とスポンサーリンク
商品名NL WEST PWS705 エリカ・モリーニ ブラームス・ヴァイオリン協奏曲

ウィーンのエレガンス ― ウィーンの気品。典雅で上品なヴァイオリンの音色が信条。20世紀を代表する名女流ヴァイオリニストの一人、エリカ・モリーニ(1904年1月5日~1995年11月1日)です。必ずしも録音は多いとは言えませんが、本盤のウエストミンスターでは、モリーニならではのエレガントで正統的なスタイルによる素晴らしい演奏を堪能することができます。
1949年にニューヨークで創設され、短期間に綺羅星のごとく名録音の数々を残したウエストミンスター・レーベル。創設の中心メンバーであったジェイムズ・グレイソンがイギリス人で、もともとロンドンのウエストミンスターのそばに住んでいたので、「ウエストミンスター」と命名されました。創設当初の中心的なアーティストは、ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団、ウィーン・フィルハーモニー木管グループで、1952年からはこれにバリリ四重奏団が加わりました。彼らはみなウィーン・フィルなど、ウィーンで活躍していた演奏家たちでした。1950年に DECCA に次ぐ英国レーベル会社として設立された ― 独自録音が英国の風情を感じさせるレーベルでコレクターの根強い支持を得ている ― NIXA との共同でヨーロッパ録音も多く、ウェストミンスターは佳盤の宝庫。ウエストミンスターの音源はヨーロッパでは英 WHITEHALL 、仏デュクレテ・トムソンや VEGA、独ヘリオドールあたりで再発されています。共同録音や、原盤の配給が活発なウェストミンスター録音は、1980年頃からグラモフォン系がライセンスを許可するようになるまで、意識している以上に様々な機会に耳にしている可能性が多そうだ。
3月のSPレコード鑑賞会で、昭和2年の音盤で聞いた若干23歳の演奏からは才女が芳しい程でしたが、それから30年。彼女もまた戦時下では思想がかわる体験があったことでしょう。オーストリア出身のヴァイオリン奏者として、わずか14歳で、オーケストラと共演するなど、早くからその天賦の才能を発揮した彼女は、1938年にアメリカに移住、その後は、1976年に引退するまで、演奏活動を続けました。選曲は、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスなど、自らのレパートリーとする王道的作品がずらりと並んでおり、古典作品を中心としたレパートリーを磨き上げキャリアを積んでゆく。また、12歳のときアルトゥール・ニキシュ指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団と共演して大巨匠のお墨付きを得たことの評価の支えあって、共演者の豪華さもメジャー・レーベルならではですが、往年の名ピアニスト、ルドルフ・フィルクスニーとの一連のヴァイオリン・ソナタなど、いずれも秀逸な演奏と言えるでしょう。
名器ガダニーニを巧みに操るアメリカの女流バイオリニスト、エリカ・モリーニ。オーストリア併合によるナチスによる迫害から逃れてアメリカに渡ったモリーニはアメリカに渡っても、古典の作品を中心としたレパートリーを磨き上げキャリアを積んでゆく。男性顔負けの雄大さとおっとりした感じの弾き方で、この個性は慣れるとすぐにエリカ・モリーニだとわかるくらいの個性がある。ウィーンのエレガンス、上品な音色がするというのは、そのことで、女性特有のと、表現すると彼女の演奏を古式蒼然たるイメージに陥れてしまうおそれがある。録音こそ古臭いので、現代では萬人に薦めるのは気兼ねするところがありますが、時代背景を分かっている方には問題ない。Decca で録音してくれていれば、もっと良かったと望むところはきりがない。また、カデンツァには、今日あまり弾かれることがないヘールマンのものが使用されている。このカデンツァの部分だけでも、今日のヴァイオリニストとは違う印象だ。ちなみに、良く使われるのはヨアヒムのものでクライスラーのものがたまにあるくらい。ミルシテインなどは自作のものを用いていた。それだけでも興味を持って、ブラームス・ファン、若いヴァイオリニストに聴いていて欲しいと切望するレコードのひとつです。
本盤はロジンスキー指揮ロンドン・フィルと共演した1957年発売盤。スケールの大きいロジンスキーの指揮に対して細やかな表情と完璧なテクニックで望んだもので、そのバランスは素晴らしいもの。LPレコード時代に貢献した彼の存在は大きい。録音も優れていて1950年代の録音とは信じ難い。ロンドンのオーケストラ・コンサートのホールは、あまりに低音が少なく、オーケストラの響きが全体に痩せてパサパサした感じで録音には不向きだ。そこで、このレコードはロンドンの北東部、ウォルサムストウ・タウンホールに併設されているアッセンブリー・ホールで録音されている。ここは幹線道路や鉄道から少し離れているため交通騒音に邪魔されない。ホールは小さな舞台のある木の床張りで、1階席の椅子は可動式で、椅子を取り払う事ができる。小さな舞台でではなく、オーケストラをこの平土間に配置してマイクロフォンをセッティングして録音される。現代はマルチ・トラック録音ができるパソコン1台があれば、素敵な音を作り出せるが、工夫でベストなポイントを探り続けた当時の録音職人たちに乾杯。
1956年9月9日、12日、18-23日、ロンドンのウォルサムストウ・アセンブリー・ホールでセッション録音。
NL WEST PWS705 エリカ・モリーニ ブラームス・ヴァイオ…
NL WEST PWS705 エリカ・モリーニ ブラームス・ヴァイオ…