34-5448

通販レコード→蘭シルヴァー濃青文字盤

NL DECCA SXL7007 カーゾン モーツァルト・ピアノ協奏曲


商品番号 34-5448


《彼岸の音楽~録音から12年目のリリース盤。モーツァルトは演奏家の中でも育たないものかもしれない。》レコードのステレオ録音は、英国 DECCA が先頭を走っていた。1958年より始まったステレオ・レコードのカッティングは、世界初のハーフ・スピードカッティング。 この技術は1968年ノイマン SX-68 を導入するまで続けられた。クラシック音楽の名演盤と言われるものには、録音から長い年月を経て発売されたものが多い。録音から3年後、5年後の発売というのは日常茶飯事。特にオペラは3年ほど発売までに時間がかかる。毎年恒例のウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートが、7日後にはショップ転倒に並んでいるのだから驚かされる。その中、1970年に録音されたが、1982年にようやくリリースされたのが本盤の録音。演奏家の死後に発掘された録音をレコードにした演奏ではなく。録音嫌いの英国のピアニスト、クリフォード・カーゾンが亡くなる直前に発売を許可した正規盤。同年9月にカーゾンが没したので追悼盤と結果なった。発売されるやその年のベストセラーになった。素晴らしいモーツァルトである。しかるに、オリジナル盤を求めて問い合わせしてくる常連客もいますが、ED4盤(1970年代のプレス)は存在しません。若いころクラシック売り場を任されていた頃のエスニック音楽専門の先輩が、モーツァルトはピアノ協奏曲第27番だけは大好きだ、と言っていたことを思い出す。その先輩が、ビートルズは好きじゃないと言っていたこともわかる。モーツァルトは11歳の時に初めて第1番から第4番までの4曲を書いて以来、35歳で生涯を閉じるまでの24年間に全部で27曲のピアノ協奏曲を作曲しました。その最後の作品が、この第27番です。それはモーツァルトが他界する11か月前のことです。前作の第26番《戴冠式》からは、3年間の空白が有りましたが、第25番、26番が、規模の大きな管弦楽編成の華やかな曲だったのとはガラリと変わって極限まで切り詰めたようなシンプルな編成です。モーツァルトは数多くの楽器のために協奏曲を書きましたが、生涯を通してピアノのための作曲は続いています。これも演奏会で聴衆に聴かせるための目的を持って書かれてもいるのでしょうが、スタート地点に立ち返って作曲したかの様に思えます。例えてみれば、「彼岸の音楽」とでも言いましょうか。あたかも遠い天のかなたから聞こえてきた調べのような神秘性を漂わせています。モーツァルトという作曲家に興味がなく、ピアノ協奏曲を聴き比べることもなく、そして、モーツァルトのピアノ協奏曲が唯一だったとして、音楽史の片隅の名曲として愛聴される曲だったでしょう。終楽章に歌曲《春への憧れ》K.596の主題が登場します。この時モーツァルトはすでに死期を悟っていたと言われます。まだ幼い息子たちの遊ぶ様子に何を託そうとしたのでしょう。まるで秋の青い空のようにどこまでも澄み切った音楽を書いたことは、思わしくなかった体調につかの間の安定をもたらしたことでしょう。清冽なモーツァルト。作為的なところがなく穏やかな気持ちになれる演奏です。繊細で神経質なところがないカーゾンのピアノ演奏に、ブリテンは均整のとれた響きをロンドン交響楽団から引き出しています。カーゾンのピアノの音色には、とても優しいながらも芯の強さを感じることができる。イギリス紳士と時を過ごしていると、波一つない澄み切った湖を眺めている満足な心地になります。ブリテンの伴奏も雄弁だけど、ギリギリの節度で邪魔をしない。モーツァルトを最も魅力的に見せるために必要な要素は、飾り気をどこまで切り詰めていくか。モーツァルトは作曲しながら、どういう思いだったのだろうと想像するのは面白いが、録音嫌いのカーゾンが亡くなる直前に発売を許可したことも同じ心境だったのか。永遠に公開を封じることも出来ただろうし、死期を感じていて没後に勝手にリリースされるのが嫌だったのか。演奏家の個性を出さないことが、このピアノ協奏曲第27番に最も求められるスタイルだと思います。聴き手の成長を待っていたのかもしれませんね。録音嫌いだったとはいえ、ディスコグラフィーを眺めると随分とレコード発売している。
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商品名NL DECCA SXL7007 カーゾン モーツァルト・ピアノ協奏曲