〝ギターでのバッハ〟 ― として永遠のスタンダードといえるものです。クラシック・ギターの第一人者で、映画『ディア・ハンター』の音楽やフュージョン・バンドに参加する一面も見せるジョン・ウィリアムスの、最盛期のバッハ。6弦ギターを使用しながらも、技巧を技巧と感じさせない高水準のテクニックと温かな音色を両立させた見事な演奏は、ギターによるバッハを初めて聴く向きにも薦められる。本盤ではゆるぎない解釈とギターの音そのものの魅力で、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの《ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV.1042》と、《無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調 BWV.1003よりアンダンテ(アリア)》、ヘンデルの《オルガン協奏曲作品4第5ヘ長調》、マルチェッロの《オーボエ協奏曲ハ短調》を披露します。弓や息遣いで音高を保つ奏法ができるヴァイオリンやオーボエ。鍵盤楽器の中でも、オルガンはピアノのような強弱は出せません。でも、ストップを駆使した多彩な音色と連続する気鳴音の迫力は、独特の魅力を持っています。これに対しギターの方は、撥弦楽器ですから、弦をはじいた音がすぐに減衰していき、弦楽器、管楽器、オルガンのような連続した発音は望めません。この、対極にあるギターのための名曲を数多く生み出し、楽器の改良にも取り組んだのはアンドレス・セゴビアでした。ギターに対する認識の低さに憤っていたセゴビアはギターをクラシック音楽のコンサート楽器として認めさせようと、情熱を傾けます。先ずは、致命的に少ないギターの曲目を増やそうと、バロックから古典派、ロマン派に至るまで、おびただしい数の名曲を、自らギター用に編曲。また、著名な作曲家たちに、ギターが中心となる管弦楽曲を作るよう果敢にアプローチ。その結果、多くのギター協奏曲が誕生。さらに、大ホールでオーケストラと共演できるように楽器の改良も行いました。セゴビアはクラシック音楽におけるギターの存在を、揺るぎないものにしたのです。オーストラリア生まれのイギリスのギタリスト、ジョン・ウィリアムスは、若い頃からセゴビアも絶賛する実力の持ち主で、高度な演奏技術でも知られています。16歳から録音も行うなど早くから名を知られていたジョン・ウィリアムスは、2013年に引退するまで56年間に渡って国際的に活躍、レコーディングの面でも大きな足跡を残しました。ジョン・ウィリアムスのコロンビア・レコードへの初録音は、バッハとスペイン音楽を収めた1964年の「コロンビア・レコーズ・プレゼンツ・ジョン・ウィリアムス」で、7年後には累計で100万枚のセールスを記録。それ以来、2002年の「プレイシズ・ビトウィーン」にいたるまでの全57枚のオリジナル・アルバムは、バード、ダウランド、クープラン、スカルラッティ、ヘンデルから、パガニーニ、エルガー、フォーレ、デ・ファリャ、アルベニス、ブリテン、ヴィラ=ロボス、武満徹、テオドラキス、ブローウェルにいたる多様な ― 自作を含む作曲家のギター作品を網羅しています。
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John Williams - Academy Of St. Martin-In-The-Fields, Kenneth Sillito - Bach ∙ Handel ∙ Marcello – Concertos
Side-ASide-B
- Violin Concerto No 2 In E Arranged By – John Williams, Composed By – Bach
- Aria (Andante From Solo Violin Sonata In A Minor) Arranged By – John Williams, Composed By – Bach
- Organ Concerto In F Op. 4 No 5 Arranged By – John Williams, Composed By – Handel
- Oboe Concerto In C Minor Arranged By – John Williams, Composed By – Marcello
- Record Karte
- Engineer – Peter Bown, Technician [Guitar Builder] – Greg Smallman, All tracks recorded at Henry Wood Hall, London, April 26/27, 1984, except A4 recorded at Abbey Road Studio 1, July 10, 1984.
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