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通販レコード→JP 見本ファーストプレス盤 Digital Recording 輸入メタル使用[オリジナル]

四季の魅力を歌いつくした、すべての頂点に立つ四季の名レコード誕生

バロック音楽ブームの火付け役であり、ヴィヴァルディの《四季》を大ヒットさせたイ・ムジチはオランダPHILIPSに ― LPレコード時代には6回録音しているそうですが、そのなかで選ぶ代表作はフェリックス・アーヨ、ロベルト・ミケルッチ、そしてこのピーナ・カルミレッリ盤か。リーダーになるとしては、カルミレッリ女史は当時68歳という年齢ですが、仕上がりは晴朗で瑞々しく、適度に締まっている。ソロは品がよく、他楽器との協調が身上。明晰さと透明感あるアンサンブルがいっそう活きており、くわえてデジタル録音のよさが手伝い、各パートの動きもクリアな、表現力の幅広さを実感させられる。

前期バロック時代の音楽。現在の協奏曲のスタイルを発見した、イタリアの作曲家、アントニオ・ヴィヴァルディ作曲の「和声と創意への試み 作品8」(Il cimento dell'armonia e dell'inventione)の全12曲。ヴィヴァルディは24曲で構想していたが挫折。1724年から1725年頃にオランダ、アムステルダムの出版社ル・セーヌから6曲ずつ2巻に分けて出版された。大ヒットした「四季」(Le quattro stagioni)は、その第1番から第4番までの4曲です。第5番は『海の嵐』。第6番『喜び』、第7番『ピゼンデル氏のために』、第10番『狩』の名前がついています。また、それらは単独で演奏や録音もされます。ピエモンテの貴族カルロ・ジャチント・ロエロ伯爵の趣向に合わせた曲集なので、すべての曲にストーリーをつけようとしていたのかもしれない。
ヴィヴァルディの名前はクラシック音楽史ではでてこないので、1950年代にはバッハ作曲として聞かれてもいたが、戦前のクラシックファンも蓄音機で聴いていたミーシャ・エルマンのSPレコードがある。わたしが知るヴィヴァルディ作曲とあるレコードは、それ限りですが。ヴァイオリン協奏曲の体はとっていたものの、複数の楽曲から取り合わせた演奏でした。原曲は検証してませんが、ナタン・ミルシテイン(Columbia 17070、F.デイヴィッド編曲)、ヤッシャ・ハイフェッツ(RCA 1810、1937年、アドルフ・ブッシュ編曲)もSPレコード録音している。
ヴィヴァルディの自筆譜をみることが出来るように成ってからも、「四季」は、筆写譜で演奏されていたもので、ヴィヴァルディの意図していた録音は2,000年になってから。それでも、原典演奏をアピールしていたホグウッドでも、筆写譜を重視していた。このイ・ムジチ合奏団の演奏で採用したのは、ヴィットリオ・ネグリの編曲によるもの。その経緯はアーヨ盤にネグリが書いたライナーノートにある。
オランダ・フィリップス社専属の看板アーティストのレコードを制作、録音ディレクターを手掛けていたヴィットリオ・ネグリは音楽学者としても知られており、指揮者でもあった。バロック音楽を専門とし、楽譜の校訂者、研究者として知られる彼は、これら4曲を「四季」と称したレコードの録音をイ・ムジチ合奏団に推した。

イ・ムジチによる4回目の録音で、初のデジタル録音となった《四季》。どの盤もそれぞれ素晴らしく甲乙つけ難いのですが、しなやかで気高いカルミレッリ盤は特に評価の高い一枚といえます。

― 新型コロナウイルスは私たちに新しい生活様式を求めていますが、健康体の人の細胞が不治の病と言われていた病気を治すことができるようになったことから、病気を持っている人の血液が新型コロナウイルスに感染して深刻な状態にあった男性の命を救うといった感動も見せてくれました。イ・ムジチ合奏団は1952年に、ローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミアの卒業生12名が集まって結成。イタリアや世界のバロック音楽界における最も名高い楽団のひとつであり、日本での人気も高い。初来日は1963年。プログラムは日本側プロダクションから《四季》をすべての公演に入れるように要望されたそうだ。楽団としては指揮者を置かず、楽員全員の合議で音楽を作り上げる形式を採る。8人のコンサートマスターが歴任し、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集《四季》の録音を6種リリースしている。日本で発売する時にレコードの帯に、〝イ・ムジチの四季〟と筆文字で書いたのは営業担当者だった。このレコードの帯は日本独特の発明といえる。昭和30年代登場したLPレコードでは裏表紙に日本語で曲名、演奏家名を印刷していたが帯の簡単な説明や、宣伝文句は購買の助けとなった。この〝イ・ムジチの四季〟は6種類ある。まずは、創設3年後の1955年に、初代コンサートマスターのフェリックス・アーヨの元で録音したモノラル盤。これは流麗ながらも引き締まった演奏だ。当時22歳のアーヨのソロも同様で、アンサンブルは今聴いても高水準。そして当盤最大の妙味は、アルトゥーロ・トスカニーニに絶賛された創設当時の覇気漲るサウンドを聴けることにある。演奏時間は6種の中で最も短い。対する最長は同じアーヨの1959年盤。アーヨの2枚が最短と最長なのは些か興味深い。これがイ・ムジチ人気に火を付けた。こちらは〝最新技術〟のステレオ録音盤だということで、東京オリンピックに向かって生活様式が新しくなり始めた都会化ブームにアピールした。「春」冒頭を聴けば一目(耳)瞭然。なめらかで角のとれたフレージング、艶やかさを増したアーヨのソロは流麗かつ豊麗でしかも爽快な、イタリアの陽光輝く《四季》である。鶴屋百貨店の鶴屋クラシックサロンで、2018年4月29日に「熊本城天守閣が再建された時の名盤レコードを使って ― 協奏曲の発展を聴く」と題して熊本地震復興を応援する名曲鑑賞会で選んだのがこれで、特別に注意して聴いてもらった「秋」は秋らしく落ち着きがあり、「冬」は冬らしく表情が厳しい。これぞまさしく四季。そして、〝イ・ムジチの四季〟のメタモルフォーゼが始まっている。それは、既存へのアンチテーゼ、ロックと共通する。

  • Record Karte
    • Digital Recording in July 1982.
    • 見本盤、輸入メタル使用ファーストプレス

販売レコードの写真

  1. JP PHIL 28PC70 イ・ムジチ合奏団 Vivaldi Le…
  2. JP PHIL 28PC70 イ・ムジチ合奏団 Vivaldi Le…

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ヴィヴァルディ:四季
イ・ムジチ合奏団
ユニバーサル ミュージック クラシック
2009-05-06



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ヨーロッパ屈指の家電&オーディオメーカーであり、名門王立コンセルトヘボウ管弦楽団の名演をはじめ、多くの優秀録音で知られる、オランダ・フィリップス・レーベルにはクララ・ハスキルやアルテュール・グリュミオー、パブロ・カザルスそして、いまだクラシック音楽ファン以外でもファンの多い、「四季」であまりにも有名なイタリアのイ・ムジチ合奏団らの日本人にとってクラシック音楽のレコードで聴く名演奏家がひしめき合っている。イギリス・グラモフォンやイギリスDECCAより創設は1950年と後発だが、オランダの巨大企業フィリップスが後ろ盾にある音楽部門です。ミュージック・カセットやCDを開発普及させた業績は偉大、1950年代はアメリカのコロムビア・レコードのイギリス支社が供給した。そこで1950年から60年にかけてのレコードには、アメリカCOLUMBIAの録音も多い。1957年5月27~28日に初のステレオ録音をアムステルダムにて行い、それが発売されると評価を決定づけた。英DECCAの華やかな印象に対して蘭フィリップスは上品なイメージがあった。フィリップスは1982年10月21日コンパクト・ディスク・ソフトの発売を開始する。ヘルベルト・フォン・カラヤンとのCD発表の華々しいCD第1号はイ・ムジチ合奏団によるヴィヴァルディ作曲の協奏曲集「四季」 ― CD番号:410 001-2。1982年7月のデジタル録音。現在は、フィリップス・サウンドを継承してきたポリヒムニア・インターナショナルが、これら名録音をDSDリマスタリングし、SACDハイブリッド化しています。
商品名JP PHIL 28PC70 イ・ムジチ合奏団 Vivaldi Le Quattro Stagioni
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