GB RCA SER4539-41 ショルティ ヴェルディ・アイーダ(全曲)
通販レコード→英ダーク・レッド銀文字盤[DECCAプレス]

GB RCA SER4538-40 ショルティ ヴェルディ・アイーダ(全曲)

商品番号 34-7981


《豪快にしてダイナミックな下品さ。 ― 日本ではショルティのヴェルディ演奏はレクイエム以外ほぼ黙殺されてしまった。不思議な話である。》 ルイス・レイトンの優秀録音。リヴィングステレオシリーズ、米 RCA LSC6158 と同じ録音。プレスは英 DECCA で、DECCA からも同じデザインで発売されている。ショルティ(ハンガリー、1912-1997)は1947年に録音契約を結んで以来、ほとんど DECCA (ロンドン)だけに録音している。はじめロンドンのオーケストラと、さまざまな作品を録音していたが、50年代から60年代にかけてウィーン・フィルと録音した世界初の「指環」全曲(58〜65年)に代表される一連のワーグナーをはじめ、モーツァルト、ヴェルディ、リヒャルト・シュトラウスなどのオペラの優れた演奏で名声を不動のものとした。69年から91年までシカゴ交響楽団の音楽監督を努め、同響は世界最高のオーケストラのひとつと評価された。シカゴに移ってからはバッハからバルトークにいたる多彩なレパートリーを次々と録音しているが、とくにマーラー(70〜83年)、ベートーヴェン(72〜74年、86〜89年)、ブラームス(78、79年)の交響曲全集は、ショルティの演奏を特徴づける堅固な構成と見事に統率されたオーケストラの豊かな響きとが端的に示された代表的な名演である。そのほか恩師バルトーク、リヒャルト・シュトラウスとストラヴィンスキーなどの管弦楽曲、後年になってレパートリーに加えたショスタコーヴィチなど、いずれも少しも年齢を感じさせない巨匠ならではの完成度の高い演奏である。1912年、ブダペスト生まれ。リスト音楽院でバルトーク、コダーイ、ヴェイネルなどにピアノ、作曲、指揮を学び、1930年に卒業後、ブダペスト歌劇場の練習指揮者として経験を積み、36、37年にはザルツブルク音楽祭でトスカニーニの助手をつとめた。38年にブダペストで「フィガロの結婚」を指揮してデビュー後にスイスに亡命、大戦中は主にピアノを教え、42年のジュネーブ国際コンクールに優勝している。指揮者としての本格的な活動は戦後の46年にミュンヘンのバイエルン国立歌劇場の音楽監督に就任してからで、52年からフランクフルト市立歌劇場、61年から71年までロンドンのコヴェント・ガーデン王立歌劇場の音楽監督をつとめ、この間に各地のオーケストラに客演して名声を高めた。レコード店の大先輩から、ショルティの音はとにかくでっかかったと教わったことがある。ホールが飽和するほどにオーケストラを響かせたということだろうが、そうした批評が割りを食わせているのがショルティのこの『アイーダ』だ。曲に対する期待が二分するのだろうか。舞台演出や生演奏には到底及ばないわけでレコード録音はアプローチが違って当然だ。ショルティはレパートリーが広いが中心領域はワーグナーにあるように思われる。彼の演奏スタイルが古典派でもロマン派中期のリストやワーグナーの壮麗さを帯びて来るところから言っても、根本的にワーグナーの楽劇に長所を発揮するであろう。と、「指環」録音中の期待された時代。1961年7月ローマでの録音。何といってもプライスが聴きものですが、1961年当時34歳という絶頂期の録音だけに、深々と豊かな表現の歌唱力は素晴らしい。RCAからの発売ですが、録音を担当しているのはDECCA録音チームとなります。黄金期のDECCAだけに良い録音。本盤でショルティは、ヴェルディが意図したと思われる古代の遺跡や彫像に通ずる率直で硬質なドラマティシズムをあますところなく表現している。「アイーダ」が近世ヨーロッパのドラマではなく、古代世界の物語であることを納得させられる。そこから古代人の質朴な愛憎の葛藤も浮かび上がってくる。上品さにかけるが、生々しく心情を吐露していて生き様として迫ってくるじゃないか。巫女たちの妖艶な歌声が堪らなく厭らしい。王女の身分を隠して敵国の王女の世話をしている主人公。解放を懇願する捕虜の中に長年あえなかった父王の姿を見つけて思わず声をかけてしまったので身分がバレてしまう。そこから音楽は登場人物たちの心情をとことん語り尽くすが、音響的聴かせどころは前半だ。有名な「凱旋行進曲」のアイーダ・トランペット独特の輝きを振り撒きながら突き進む音色や、その前のワイドでド迫力の合唱もショルティの引き締まったスケール豊かな指揮と相まって実に見事でスカッと気分爽快になる。オーディオ的に聴いても第一幕第一場後半や第二場後半の合唱が力強くワイドに拡がり、その迫力に圧倒されてしまう。
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