34-19635
通販レコード→Minigroove・濃紫銀文字盤

GB PHILIPS ABL3241 ブルーノ・ワルター べートーヴェン・交響曲3番「英雄」

商品番号 34-19635

戦後、ニューヨーク・フィルの音楽顧問を務めるなど欧米で精力的に活躍を続けたが、1958年に心臓発作で倒れてしばらく休養。1960年暮れにロスアンジェルス・フィルの演奏会で当時新進気鋭のヴァン・クライバーンと共演し、演奏会から引退した。80歳を越えた晩年のワルターは米国は西海岸で隠遁生活送っていたが、米コロンビア社の若き俊英プロデューサー・ジョン・マックルーアに説得されドイツ物中心にステレオ録音開始するのは1960年から。日本の北斎に譬えられたように、まさに80歳にして立つと言った感じだ。録音は穏和な表情の中にどことなく哀感が漂うような独特の味わいがあります。ベートーベンも、巨匠ワルターの芸風に最もしっくりと馴染む作曲家の1人だったように思う。トスカニーニの熱情や烈しさ、フルトヴェングラーのような即興性を持たなかったし、テンポを誇張するスタイルでなかったが、抒情的な美しさと気品で我々聴き手を包み込み、活気に欠けることはなかった。こうした特徴は数多く存在するリハーサル録音耳にすると判りますが、少しウィットに富んだ甲高い声で奏者と自分の間の緊張感を和らげ、その反面集中力を最高に高めるという共感を持った云わば対等の協力者として通したこと独裁者的巨匠が多い中で稀有な存在であったのでは無いか、また、それがSPレコード時代に聴き手にしっかりと伝わっていたのではないか。評判と人気の源は、そこにあったかと想像できます。こうしたスタイルは低音域を充実させたドイツ的なスタイルで、ロマンティックな情感を適度に盛り込みながら、柔らかくたっぷりと歌わせたスケール感豊かな名演を必然的に産む。こうしたスタイルを86年の生涯最後まで通したワルターは凄い才能の持ち主だったことは明らか。戦前の演奏をSP盤で聴いてしまうとニューヨーク・フィル時代、ステレオ時代のワルターは別人に思えてしまうのです。コロンビア交響楽団時代がなければ埋もれた指揮者に成ったかもしれないが、ワルターの変容ぶりには戸惑わされる。本盤は米 COLUMBIA (ML 4228)の英 PHILIPS からの発売。コンセルトヘボウでの録音実作業を通じて確立されていったセピア調とも落ち着いた色調ともいぶし銀とも描写される独特のフィリップスの録音技術で上手くブレンドされた フィリップス・サウンド を再現。高域にややアクセントが乗った米国コロンビアの 6 EYES と違う聴こえ方がします。米 COLUMBIA 盤をお持ちの方に聴いて貰いたい逸品です。
商品名GB PHILIPS ABL3241 ブルーノ・ワルター べートーヴェン・交響曲3番「英雄」
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