
通販レコード→英オレンジ黒文字盤[オリジナル]
GB PEARL SHE523 ジョージアディス&パリー エルガー・ヴァイオリン&ピアノ曲集
商品番号 34-17976
ノーブルかつ優雅な演奏 ― 「エニグマ変奏曲」や「威風堂々」、「交響曲」などの管弦楽作品、大規模な合唱作品や宗教作品に比べると見過ごされがちだが、エルガーのヴァイオリン作品といえば大作であるヴァイオリン協奏曲とヴァイオリン・ソナタが英国音楽のファンによく聴かれているのを別にすれば、「愛の挨拶」くらいしか一般には知られていないのではないだろうか。ロマン派音楽の時代の最後に花開いた英国が最も誇りにする作曲家エドワード・エルガーは1857年6月2日、ロンドン西方のウースター州に生まれた。モールヴァン地方の美しい自然に囲まれて育ったエルガーは、楽器商を営む父親 ― ウースター大聖堂のオルガン奏者でもあった ― のもとでピアノ、オルガン、ヴァイオリンなど様々な楽器に親しみ、作曲も含めて楽器演奏のほとんど独学で身につけた。ヴァイオリンを弾いたエルガーのことであるから、同じくヴァイオリニストを目指していたシベリウスが有名なヴァイオリン協奏曲のほかにもロマンティックなヴァイオリンの小品をたくさん残しているのと事情は似て、ヴァイオリンの小品をたくさん残しているとしても不思議はない。「ガヴォット(1885)」、「ロマンス作品1(1878/79)」、「気まぐれな女 作品17(1891)」、2つの小品作品15(1897〜99)から「夕べの歌」と「朝の歌」、2つの小品作品13から「Mot D'Amour(1889)」と「Bizarrerie(1890)」、「愛の挨拶 作品12(1888)」、「G.E.D.G.E.の5音によるアレグレット(1888)」、「アンダンテ・レリジオーソ(1903)」、「追想」、3つの小品作品4第1から「Une Idylle」、3つの小品作品4第3から「Virelai(1883)」、「溜め息 作品70(1913〜14)」。どれも5分に満たない曲ばかりだが、続けて聴いていると上質の甘いお菓子を少しずつ食べているような幸福感がある。
関連記事とスポンサーリンク
ジョン・ジョージアディスは、イギリスのエセックス州に生まれ、ロンドンの王立音楽院でヴァイオリンを学び、バーミンガム市交響楽団のコンサートマスターを約2年半務めた後、ロンドン交響楽団で約11年間コンサートマスターを務めました。その間、スヴェトラーノフの指揮のもとでリムスキー=コルサコフの交響組曲「シェラザード」のソリストを務めるなどジョージアディスは重要なコンサートやレコーディングで活躍しましたが、名指揮者チェリビダッケとの出会いにより指揮者を志すようになりました。やがてクィーンズランド管弦楽団やロンドン・ヴィルトゥオージの指揮者としても活動するようになり、近年はロンドン響やマレーシア・フィルハーモニー管弦楽団でも活躍しています。日本ではまだジョージアディスの知名度は高くありませんが、NAXOSレーベルを中心に相当数の録音があり、知られざる実力者といえるでしょう。ジョージアディスは自らコンサートマスターとして演奏する機会も多く、シュトラウス・ファミリーの音楽を得意としているようです。そうした録音に彼の特質が聴ける。リズムやアンサンブルは本場のウィーンものよりもキリッと引き締まっていますが、ノーブルかつ優雅な演奏はさすがにイギリス的です。録音エンジニア、John Borwick。1975年初発。LP時代からSPレコードの復刻を中心として、その歴史を誇るレーベル、パール。その特徴は「原音そのままの音楽」を届けること。 20世紀末から多くのレーベルで行われたノイズ・カット復刻に、ほぼ否定的な意見が定着している現在、当レーベルのような原音重視の復刻は貴重な存在となっている。「SHE」規格は復刻物ではなくオリジナルの録音。
YIGZYCN
.
コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。