GB NIXA  WLP5102 ヘルマン・シェルヘン ハイドン・交響曲99番/101番「時計」
通販レコード→英ダーク・レッド金文字盤

GB NIXA WLP5102 ヘルマン・シェルヘン ハイドン・交響曲99番/101番「時計」

商品番号 34-18262

ヘルマン・シェルヘン、ハイドンを振る。神に与えられた音楽の才能を「社会のために役立てる」という使命感の大きさ。 ― 表現主義の熱い洗礼を受けたドイツの指揮者、ヘルマン・シェルヘン(1891〜1966)は、20世紀音楽の旗手として演奏、作曲、著述だけでなく、音楽雑誌『メロス』の創刊、電子スタジオを設立して現代音楽の推進にも活躍していましたが、活動の主軸はバッハやハイドン、ベートーヴェンといた古典作品の演奏に独自の主張を盛り込んだことでも知られており、そのキャパシティは実に広大なものだった。そのシェルヘンを駆り立てた原動力は何か。神に与えられた音楽の才能を「社会のために役立てる」という使命感の大きさである。シェルヘンが高等数学を学んだのは宇宙の成り立ち、法則を解明したいという飽くなき知的欲求によるものと思われるが、宇宙を音にしたようなバッハにシェルヘンが魅せられるのは自然だ。ベートーヴェンでは、過去数百年の演奏からスコア上に堆積された、慣習を一掃しようとした。その根底にあった「間違い」と言われ続けてきたメトロノーム記号を全面的に信頼し実践したことや、場合によってはデフォルメも辞さなかった作品解釈の面白さでも知られています。なかでもハイドンはシェルヘンにとってバッハ、ベートーヴェン、マーラー、シェーンベルクと同様、非常に大事なレパートリーであるばかりでなく愛情を注いだ音楽家でした。そうした現代的視点からのシェルヘンの評価をしようものなら、良くて二流という低いものだった当時の日本でのレコード評論家の徹底した酷評ぶりの前に敵わなかった。今では「現代音楽の擁護者」がシェルヘンのイメージになっていますが、この当時の聴衆にとってハイドンはシンフォニーの父という認識ぐらいで、その生涯に100曲以上も交響曲を書いたが、その大部分は同工異曲の焼き直しみたいなものだろうと思われていただろうから、当時の現代音楽の聴かれ方と似たようなものだったといえそうだ。しかし、そう思ったら大間違いです。とりわけ、この最後の12曲はどれ一つとして同じ仕掛けのものは存在しないと言い切れるほどにバラエティに富んでいます。そして、これら一連の演奏はハイドンがこれらの作品に仕掛けた数々のアイデアやサービスが非常に分かりやすく提示された、シェルヘンらしい非常に知的で明晰なものに仕上がっています。
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『天地創造』、『十字架上の七つの言葉』、チェロ協奏曲二長調・・・。なかでも交響曲は第2回目の公式コンサート(1914年)から死の一月前(1966年5月)まで取り上げるほどのお気に入りで、特に『軍隊』は3つの録音があります。ロンドン・セット(全12曲)は世界初の全曲録音となったものです。1951年から58年の期間、ウィーン国立歌劇場管弦楽団とウィーン交響楽団で、第92番「オックスフォード」から第104番「ロンドン」までの13曲の他、愛称を持つ人気曲の殆どを録音している。「シュトゥルム・ウント・ドランク期」の録音に個性がよく現れていて、第45番『告別』終楽章最後のアダージョで、奏者が退場していくときに『さようなら( Auf Wiedersehn )』と言わせるなど、切れ味の鋭さだけに終わらない柔軟なアイデア(ユーモア?)もみせてくれているのが印象的です。シェルヘンの演奏はいずれも独特の風合いをもったものが多い。それがハイドンにおいては逆に適合している感じを受けた。確かに切れ味は鋭いし、今聴いても少しも古めかしい印象は持たない。モダン・オーケストラによる一つの極致を示したものだ。1951年7月オーストリア、ウィーン録音。まず驚くのが、腹に響く重低音。モノーラル録音の完成期を実感する。ステレオ録音へ移行する時期は画期的な録音実験が実践されていた。その録音技術のアイデアだけではなく、シェルヘンの音符を直接音にするというよりは、曲の構造を俯瞰して、各楽章を明確に描きわけ、また、曲の構造を解析して聴かせる、情緒に溺れない毅然としたフレージングが効果をあげている。シェルヘンは戦後のヨーロッパで積極的な活動を展開していたアメリカのウェストミンスター・レーベルのメイン・アーティストとして膨大なアルバムをセッション録音で制作していますが、それら個性的な演奏の数々はまさに宝の山。ウェストミンスターでシェルヘンが制作したLPは120枚分に及ぶといいますが、そのほとんどをプロデュースしたのが1951年にウェストミンスターに入社したクルト・リストです。クルト・リストはヴェーベルンに師事した作曲家で音楽学者でもあり、シェルヘンやレイボヴィッツと多くの仕事をしました。本盤は、米ウェストミンスター・レーベルとの共同でヨーロッパ録音を多く行った、英 NIXA 盤。1950年に DECCA に次ぐ英国レーベル会社として設立され、独自録音が英国の風情を感じさせるレーベルでコレクターの根強い支持を得ている。

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商品名GB NIXA WLP5102 ヘルマン・シェルヘン ハイドン・交響曲99番/101番「時計」