GB nixa WLP5074 ペーター・リバール ヒンデミット・ヴァイオリン協奏曲
通販レコード→英ダーク・レッド金文字盤

GB nixa WLP5074 ペーター・リバール ヒンデミット・ヴァイオリン協奏曲

商品番号 34-11083

男性的で押し出しの強い音楽を聴かせる隠れ名盤 ― ペーター・リバールです。彼をご存知ない方が大多数だと思いますが、スイス・ウィンターソー交響楽団のコンマス勤め上げた人です。何枚か米国ウェストミンスターに録音しています。国際的な名声を得ていても日本にはほとんど紹介されていない音楽家がスイスに多い。ヴィンテルトゥールは小さな町で音楽水準が高かったことで、技巧的名演とは無縁だったのだろう。
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1949年にニューヨークで創設され、短期間に綺羅星のごとく名録音の数々を残したウエストミンスター・レーベル。創設の中心メンバーであったジェイムズ・グレイソンがイギリス人で、もともとロンドンのウエストミンスターのそばに住んでいたので、「ウエストミンスター」と命名されました。創設当初の中心的なアーティストは、ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団、ウィーン・フィルハーモニー木管グループで、1952年からはこれにバリリ四重奏団が加わりました。彼らはみなウィーン・フィルなど、ウィーンで活躍していた演奏家たちでした。1950年に DECCA に次ぐ英国レーベル会社として設立された ― 独自録音が英国の風情を感じさせるレーベルでコレクターの根強い支持を得ている ― NIXA との共同でヨーロッパ録音も多く、ウェストミンスターは佳盤の宝庫。ウエストミンスターの音源はヨーロッパでは英 WHITEHALL 、仏デュクレテ・トムソンや VEGA、独ヘリオドールあたりで再発されています。
チェコ系の名手でスイス・ロマンド管のコンサート・マスター(1970〜1980)も務めたペーター・リバール(Peter Rybar 1913〜2004)は、スイスの名ヴァイオリニスト。チェコ系のウィーンっ子でヨゼフ・スク(父)やカール・フレッシュに学び、ヴィンタートゥル管弦楽団のコンサート・マスターやヴィンタートゥル弦楽四重奏団の一員としても活躍した。国際的な名声を得ていても日本にはほとんど紹介されていない音楽家がスイスに多い。現役盤は少なく、上品で過度な装飾を排した彼の音色を楽しむにはもってこい。ヴィンテルトゥールはわずか6万人程の小さな街ですが、音楽は盛んで高い水準を誇っており、音楽院は1629年創立という古い歴史を有しています。ムターの演奏に代表される技巧的名演とは対象的に位置する内省的演奏で、好き嫌いは別れるだろうが面白い。リバールの、やや硬質で清澄な音色と、その表現の繊細さと瑞々しさはヴァイオリン好きを虜にする魔力を秘めています。なかでも緩徐楽章は特徴的。スークの弟子ということで、チェコ系の歌う雰囲気を感じさせる渋みのある歌いっぷりは絶品です。しかも耽美的に甘く歌うのではなく、なんともシブい。そして音色の濃厚さ。それは彼が、和音の処理を見事に弾き分けることで立ち上がってくる構成美である。どれほど完璧すぎて現実離れしていると言われても、ミロのヴィーナスやボッティチェリのヴィーナスの誕生の姿は美しい。幻と言われる割には、何枚か米国ウェストミンスターに録音しています。アメリカ本国でも1951年にリリースされた本盤など、高度成長期には未だ早く。当時の物価水準から考えて一般的なサラリーマンがLPを購入することなど極めて珍しかった時代のこと。『ヴィヴァルディの四季』が爆発的にブームとなる前のこと。ベートーヴェンやブラームスではない渋いレパートリー。フルトヴェングラーでも、ストコフスキーでもなければ実績はどんなものだったろうか。一部の愛好家以外で、有名なディスクであるにもかかわらず幻の名盤になってしまった、という次第。
1951年ウェストミンスター録音(発売年)

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