34-23733

商品番号 34-23733

通販レコード→英ホワイト・アンド・ブラック・スタンプ・ドッグ盤

こういうレコードはヴィンテージのかおるオーディオの再生音が良く似合う。 ― アナログの威力を充分に感じることのできる音質です。英EMIの偉大なレコード・プロデューサー、ウォルター・レッグは、1954年に目をかけていたヘルベルト・フォン・カラヤンがベルリンに去ると、すぐさま当時実力に見合ったポストに恵まれなかったオットー・クレンペラーに白羽の矢を立て、この巨匠による最良の演奏記録を残すことを開始した。レッグがEMIを去る1963年まで夥しい数の正に基準となるようなレコードがレッグ&クレンペラー&フィルハーモニア管弦楽団によって生み出された。基準盤と出来るLPレコードが多いことは嬉しいしだい。本盤も基準盤の一枚で、レッグの意図する処がハッキリ聴き取れる快演。クレンペラーの解釈は揺るぎのないゆっくりしたテンポでスケールが大きい。ゆったりとしたテンポをとったのは、透徹した目でスコアを読み、一点一画をおろそかにしないようにとも思いたくなる。この気迫の籠った快演は聴き手に感動を与えずにはおきません。フィルハーモニア管はまさにクレンペラーの為にレッグが作り出した楽器だと言う事、しみじみと感じました。ベートーヴェンの交響曲全集は、クレンペラーの代表作として知られるもので、遅めのテンポで壮大な世界を構築したユニークな名演の数々を味わえます。クレンペラーは、当時の指揮者の常として、楽譜に隠し味的な変更を加えていることはインタビューでも言及していましたが、1960年録音の交響曲第7番冒頭ではヴァイオリン・セクションをオクターヴ上げするなどかなり思い切ったこともしていました。また、これはクレンペラー録音全般に言えることですが、オーケストラの楽器配置が第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが指揮者の左右に配置される古いスタイルで、対位声部としての第2ヴァイオリンの活躍を如実に再現していて、各楽器の掛け合いが生き生きと伝わってきます。このヴァイオリン両翼型ということで、木管楽器重視のクレンペラーの嗜好がさらに活かされることとなり、各パートが立体的に交差する情報量の多さが、独特な音響創出に繋がっています。これこそベートーヴェンが聴いていた音響です。ティンパニーの使い方が実に効果的なのも印象に残ります。クレンペラーのベートーヴェン演奏は、パート・バランスを常に適切に保つことで、情報量が非常に多いものになっているのが特徴であり、さらに目立った特質として、フレーズの形を完璧に維持し、拍も厳格に守ることで、独特の堅牢なスタイルを構築している点が挙げられます。何ものにも揺るがない安定感と、確かに古いスタイルながら純粋にスコアを再現した音が、本盤には一杯詰まっている。本盤聴くとクレンペラーによってベートーヴェンの隠れていた音符が一音一音浮かび上がってきます。この時代はモノラル・テイクとステレオ・テイクが同時進行していました。モノラル・セッションはダグラス・ラター、ステレオはクリストファー・パーカーと違うプロデューサーが其々担当していました。
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  • Record Karte
  • オットー・クレンペラー指揮、フィルハーモニー管弦楽団、オーセ・ノルドモ・レーヴベリ(ソプラノ)、クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)、ヴァルデマール・クメント(テノール)、ハンス・ホッター(バス・バリトン)、1957年10,11月(9番)ロンドン、キングズウェイ・ホールでのクリストファー・パーカーによる優秀録音、名演、名盤、解説書付属。
  • GB EMI SLS788/9 クレンペラー・フィルハモニア管 BE…
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