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GB EMI ASD3913 プレヴィン R.シュトラウス・管弦楽
商品番号 34-15116
プレヴィンのシュトラウスはリズム処理が上手。ウィーン・フィルとの初録音で、魅力溢れる録音の一つ。 ― アンドレ・プレヴィンの軽妙洒脱で巧みなストーリーテラーと言った風情の棒が曲にマッチしている。《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯》は軽いおとぎ話を読み聞かせしているような雰囲気でしょうか。プレヴィンの演奏は、あくまでも淀みのない流れと瑞々しいリズムが信条。他の指揮者とは一線を画した溌剌としたリズム感、オーケストラから引き出された多彩な表現力、そして迫り来る力強さ。プレヴィンの覇気を感じさせる。若き日にジャズピアニストとして培ったリズム感と、ハリウッド映画の作曲を通して身に付けた音楽のわかり易さと手際良さ、そして指揮法の師であるモントゥー譲りのオーケストラを自在に操るテクニックとが一気に開花した絶頂期にあった。レパートリーにはプレヴィンが得意とするラフマニノフやチャイコフスキー、プロコフィエフなどのロシアのロマン派作品、およびウォルトンやブリテンなどのイギリス作品が含まれ、かつ彼の多才さを示すドビュッシーやハイドンなどの多様なレパートリーも含まれています。プレヴィンとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の珠玉の名盤。プレヴィンのリヒャルト・シュトラウスは、こだわりが感じられる。《ドン・ファン》は、実にしなやかながらも、起伏の激しさを持つリズム処理が上手い。ウィーン・フィルの美音をうまく重ねて深みのある演奏に仕上げた《死と変容》は、いかにも、この曲に相応しい爽やかなテクスチュアと無理のないテンポが心地よく、奇を衒ったところのない素直なフレージングがどこまでも続きますが、さりげなく施されている内声の絡み合いの充実ぶりに、プレヴィンの天才的な冴えを感じずに入られません。
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アンドレ・プレヴィンの出生名はドイツ名でアンドレアス・ルートヴィヒ・プリヴィン(Andreas Ludwig Priwin)といい、アンドレ(André)はフランス風の名乗りである。1929年ドイツ生まれ。ベルリンのユダヤ系ロシア人の音楽家の家庭に生まれ、ベルリン高等音楽院でピアノを学び、一時期ナチス政権を逃れて9歳でパリ音楽院に入学。1938年から家族に連れられアメリカへと渡り、1943年に合衆国市民権を獲得した。10代の頃からジャズ・ピアニストとして演奏し、1940年代当時黎明期にあった初期モダンジャズのビバップスタイルに影響を受けたプレイで「天才少年」として注目されライオンのイラストが可愛いピアノ・トリオでのアルバム『キング・サイズ』(King Size, 1958年)、ダイナ・ショアと共演した『ダイナ・シングス、プレヴィン・プレイズ』(Dinah Sings Previn Plays, 1960年)、シェリー・マン&ヒズ・フレンズでの『マイ・フェア・レディ』(Modern Jazz Performances of Songs from My Fair Lady, 1956年)などが代表盤に挙げられる。キャリア初期のロサンゼルス時代にはハリウッドの大手映画会社MGM専属となり、多くの映画において映画音楽の作曲や編曲、音楽監督を務めている。彼のその多彩な活動の当初は映画音楽の分野において頭角を現し、4回ものオスカー賞を獲得する傍ら、モントゥーにも師事し指揮を学んで、1963年には指揮者としてもデビューします。『キス・ミー・ケイト』(1953年)、『マイ・フェア・レディ』(1964年)、『ジーザス・クライスト・スーパースター』(1973年)など時代の好みを反映させ、ハリウッドの著名人にはよくあるようにプレヴィンは結婚回数の多い人物であり、音楽家、男としての興味の衰えない姿を見せる存在だ。クラシック音楽の指揮者としては、その後アメリカ、イギリスのオーケストラ音楽監督を歴任し、着実なキャリアを重ね、管弦楽曲の演奏・録音が活動の中心であり、とりわけスラヴ系の音楽とイギリス・アメリカ近現代の音楽の録音で評価を得てきた。近年では、現在ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を振って最もウィーン・フィルらしさを引き出させるなど、ウィーン・フィルとの間に厚い信頼関係を築きあげています。クラシック音楽における自作品としては、ウラディーミル・アシュケナージへの献呈作『ピアノ協奏曲』やハインリヒ・シフに献呈された『チェロ協奏曲』、2002年に当時の新妻アンネ=ゾフィー・ムターのために作曲した『ヴァイオリン協奏曲』、ジョン・ウィリアムズのために書かれジャズバンドも加わる1971年の珍しい『ギター協奏曲』、金管アンサンブルでは『金管五重奏のための4つの野外音楽』、また声楽のジャンルでは最初のオペラとなった『欲望という名の電車』(1998年にサンフランシスコにて初演)や歌曲集『ハニー・アンド・ルー』、室内楽では『オーボエ、ファゴット、ピアノのための三重奏曲』などが挙げられる。一方ではジャズアルバムも制作し、また自らが作曲を手掛けた新作のオペラを録音するなど今日最もアグレッシヴな活動を展開しています。
この3曲の全てがテラークでのウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とのプロジェクトで再録音している。《アルプス交響曲》に《死と変容》、《ツァラトゥストラはかく語りき》に《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯》、《ドン・キ・ホーテ》と《ドン・ファン》というぐらいに興味を深める組み合わせ、録音は5年と開きもないが、ウィーン・フィルがどれほどアンドレ・プレヴィンに一丸となっていたかが聴いて取れる。プレヴィンの指揮する演奏は、息づかいが自然で無理がなく音楽が気持ちよく流れてゆく。作為が感じられずに、音楽そのものを楽しめる演奏になる。もちろん、聴かせどころではそれなりに工夫しているのだが、あざとくないので気持ちよく聴けてしまう。こと音楽を快適に聴けるということに関しては、この人以上の指揮者は誰だろうか。語弊覚悟で表現するとフィルム・スコアを手掛けるように楽譜が眼前に繰り広げられるようで、プレヴィンのシュトラウスはリズム処理が上手。ウィーン・フィルとの初録音で、指揮者プレヴィンのセンスの良さが光る充実期の記録です。録音は極めて優秀、ウィーン・フィルの演奏もエレガントで惚れ惚れしてしまいます。1980年4月14~16日ウィーン、ムジークフェラインザールでのセッション・デジタル録音でプロデュースはインド人のスヴィ・ラジ・グラッブ(Suvi Raj Grubb)、エンジニアはどちらもクリストファー・パーカー。パーカーはイギリスEMIのベテラン・エンジニアで、特に1970年代後半のカルロ・マリア・ジュリーニなどの優秀録音で高い評価を得ていました。1980年発売。
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