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GB EMI ASD267 アンドレ・クリュイタンス ベートーヴェン・交響曲5番「運命」、レオノーレ序曲3番

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商品名GB EMI ASD267 アンドレ・クリュイタンス ベートーヴェン・交響曲5番「運命」、レオノーレ序曲3番

不朽のベートーヴェン・レコード史屈指の名演 ― フランス音楽のスペシャリストと見なされがちなクリュイタンスがなぜベルリン・フィル初のベートーヴェン全集を任されるという栄誉を担ったのか、フランスのオーケストラとベートーヴェンの関わりが本盤で聴ける。オーケストラと指揮者の相性は恋愛に似ている。フルトヴェングラーの匂いが染みていると避けたカラヤンから好機を奪った。永遠に受け継がれるレジェンダリーパフォーマンス。》当時のフランス音楽界はクリュイタンス一人が背負っていたといってもよいかもしれない。それほどにフランス音楽のスペシャリストと見られがちなクリュイタンスが、ベルリン・フィル初のベートーヴェン全集を録音を担う訳ですが、1957-60年、ベルリン、グリューネヴァルト教会におけるステレオ録音です。ベルリン・フィル初のベートーヴェン全集としても知られるこの録音、2、4、6、8番の偶数番号作品は昔から人気が高く、とりわけ6番「田園」はワルター、ベームと並んで同曲屈指の名演として変わらぬ支持を受け続けています。一方、クリュイタンスがベルリン・フィルから紡ぎ出す響きは、微動だにせぬイン・テンポが形成する画然たる造型のなかで、カラヤン色に染まる以前のベルリン・フィルならではの豪気な音色を生かしきった3、5番など奇数作品の充実振りも見逃せない演奏です。本盤はその全集録音中の5番「運命」となります。なぜクリュイタンスが、ベルリン・フィル初のベートーヴェン全集を任されるという栄誉を担ったのか、それはこの素晴らしい演奏自体が何より雄弁に物語っています。カラヤンの帝国になる間際のフルトヴェングラーの残影濃き瞬間。カラヤンはそれを嫌いフルトヴェングラーの染みが奥深いベートーヴェンを回避しようとしたわけですが、ベルリン・フィル初のベートーヴェンの交響曲全集 ― ウィーン・フィルのステレオ録音初のベートーヴェンの交響曲全集録音もハンス・シュミット=イッセルシュテットに先を越される ― という栄誉をさらわれた。オーケストラと指揮者の相性は恋愛に似ている。スター指揮者に成ったからってオーケストラに受け入れられないと続かない。クリュイタンスのパートナー、パリ音楽院管弦楽団は今から200年前に「前衛音楽」であったベートーヴェンをフランスの聴衆に受け入れられる働きをした。作曲されたばかりのベートーヴェンの作品を創立から20年間の間に取り上げた演奏会は191回中183回に及ぶ。このコンビのあまりの素晴らしさに「日本のオーケストラがこのレベルになる日は永遠に来ないのではないか」とまでいわれたという。両者の相性は抜群で、このレコードを録音するために人生を成長してきたのではないかと思いたいほどです。両者の幸福な結婚は1967年のクリュイタンスの死去で、パリ音楽院管弦楽団が140年間の楽団の歴史を解散という形で幕を引いたことでも、よほど相性の良い恋愛関係だったのだなぁと素敵で羨ましく思えるのです。クリュイタンスはフランス人ではない。お隣のベルギーはアントワープに生まれ公用語のフランス語以外にドイツ語も学んだ事からドイツ的な素養も身に付けていた。その為か彼がそもそも名声を得たのは1955年にフランス系として初めてバイロイトに登場したという経緯からしてベートーベンやワーグナーだった。そのせいかアンサンブルに雑なフランス人の指揮者に比べこの人の演奏は合奏が実にしっかりしているし、非常に計算し尽くされた響きのバランスに驚かされてしまう。まずはこの辺が仏パテ社を唸らせ、数々の名盤を算出し、それらを普遍的なものにしている要因だと思う。もちろんフランス的な色彩感覚も抜群に素晴らしい。これほど色彩的な精緻さでクリュイタンスを越える演奏はちょっと他では見当たらない。なんでこんなに優雅で精緻で色彩感があるのだろう。陶酔感があるのだけど、つねに制御を失わず、熱狂的になっても理性を失わず、エレガント。しかも巧妙にドイツ系の曲目は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を起用するケースが多かったが、本盤は、本場ドイツの名門ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。これなどはクリュイタンスが言いたいことを良くおしゃべりしているように聴こえます。夫婦仲に会話が大切と言われます。指揮者の中にはオーケストラの上に君臨する亭主関白がいて、それはそれなりに強く訴えかけてくるものがあるのですがクリュイタンスの演奏からは、そうした人為的なカリスマ性は見えてきません。どうにも言葉にするのが難しい個性と雰囲気を持っていて、独特の質感としかいいようがない何かを表現している。どれひとつとっても見落とすことの出来ない貴重盤輩出したクリュイタンスは凄い。この人のもつ深い教養と音楽への真摯な想いが、そのままオーケストラに伝わり何のケレン味もなく響きとして紡ぎだされる様を思えば、オーケストラと指揮者の間の、深い信頼関係がどれほど重要なものかを改めて感じさせてくれるような気もします。
GB EMI ASD267 アンドレ・クリュイタンス ベートーヴェン…
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