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GB EMI ASD2331 デュ・プレ&バレンボイム ハイドン・チェロ協奏曲1番/ボッケリーニ・チェロ協奏曲


天才は夭折する。表紙の幸せそうな写真から、42歳で生涯を閉じると誰が想像しただろうか。多発性硬化症のために筋力が無くなり、身体を動かす自由が奪われていく病気。1971年、若干26歳の演奏家は指先などの感覚が鈍くなってきたことに気付く。その2年後の演奏旅行中には既に満足のいく演奏が行えなくなっていた。直後に、チェロ演奏家として事実上引退。1961年から73年までの約12年間の活動期間中に残された録音の多くは、集中度の高い情熱的な演奏が特徴で、現在も名盤。短い人生を惜しむかのように激しい気迫と卓越した技巧で圧倒的に迫る、ハイドン、ボッケリーニの2曲を選んである本盤はバレンボイムが指揮を務めていて、デュ・プレを心底楽しむには持って来いの貴重な逸品。デュ・プレの奏でる調べは、我々の魂の深いところに響く。ひとはジャクリーヌを妖精と呼んだ。たとえ目の前に落とし穴や障害物がいっぱいあっても、ジャクリーヌは大股で踏み入っていく。ジャクリーヌの天性の感は行く道を誤ることがない。型通りの序奏をオーケストラが総奏して、チェロが勢い良く飛び出してくると思わず身を乗り出してしまう。音楽の温度が一気に上る。デュ・プレのテクニックは小気味良く、力を抜く余裕はなく音色も時に美感を欠くほどだが、それだけにきれいごとでない独奏が聴くものを圧倒する。1961年、16歳でデビュー、「カザルスに匹敵する」と絶賛を浴びる。「天才とは神が与えた重荷だ」というが、1966年末にピアノ演奏家で指揮者でもあるダニエル・バレンボイムと結婚した直後、22歳で録音したハイドンとボッケリーニ。4年後に多発性硬化症が発症して28歳でチェロ演奏家として引退するとは思ってもいなかっただろう。このレコードでの、ストラディバリが制作した60余りのチェロの中でも指折りの銘器と言われる1713年製ストラディヴァリウス “ダヴィドフ”の美音も冴えている。
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商品名GB EMI ASD2331 デュ・プレ&バレンボイム ハイドン・チェロ協奏曲1番/ボッケリーニ・チェロ協奏曲

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