GB DGG 2736 001 カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管 フランチェスカッティ バッハ・有名曲集 ブランデンブルク協奏曲/管弦楽組曲/ヴァイオリン協奏曲
商品番号 34-17280

求心力の強いキビキビとした力強いバッハ ― 現代楽器演奏の大御所カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団のヨハン・セバスティアン・バッハは青春の思い出と重なるところも大きく、評価者と世代が異なる読み手は割り引くことを必要だ。LPレコードの時代を知る者にとっては多くの思い出とともに、忘れ難い存在。CDやレンタル、配信で録音を聞くだけではレコードを手にとって聴いていた世代の評価は共有できないものだ。それでもリヒターの峻烈な演奏から得られるバッハ音楽の感動は力強いという以上に厳しいものであり、ピリオド楽器による演奏が今や主流の世の中であるが、このリヒター盤の価値は未だ高いと認識させられるのである。 確固とした解釈のもとに鳴る音楽は、時として荘厳に、また、時として冷徹に響くが、決して嫌味でない。モダン楽器小編成オーケストラによる求心力の強いキビキビとした力強いバッハ演奏が身上とされるリヒターならではのパワフルな名演揃いで、オーレル・ニコレ等、ソリストが非常に豪華なのも特筆されるところ。リヒターの設えた完璧なフォルムの中にあって、随所で味わい豊かなソロを聴かせてくれています。《第3番》はピリオド楽器のオーケストラでは、なまめかしく響く音が多いように聴こえるが、リヒター盤では堂々と風格のある音楽になるのが不思議だ。『管弦楽組曲第2番、3番』、『フルート、ヴァイオリン、チェンバロのための協奏曲』、『ハープシコード協奏曲第6番』。往年のバロック演奏の第一人者たちによる名演を集めたアンソロジー・アルバム。1968、71年録音、1978年発売の6枚組。3曲の《ヴァイオリン協奏曲》はジノ・フランチェスカッティの独奏。ルドルフ・バウムガルトナーの指揮。ロマン派音楽にこそふさわしい奏法の持ち主、フランチェスカッティのバッハは珍しい。それだけにヴァイオリン・ファンは聴く価値がある。艶やかで流麗な演奏、独特のヴィブラートで飾られた今や興味深いバッハだ。イタリアの作曲家の影響から独奏ヴァイオリンに名人芸的な装飾がちりばめられた作品群を、官能的な響きで一世を風靡したフランスの巨匠フランチェスカッティの流麗で歌心のある演奏が見事。明るく美しい音で格調高く演奏された見事なバッハ演奏です。フランチェスカッティの美音がバッハの作品に違和感を与えるどころか逆に花を添え、第2楽章の「祈り」を込めた楽章ではそのすすり泣く音が感動を与えてくれる。「2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調」ではレジス・パスキエと併せる。
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ブランデンブルクというのは現在のベルリン一帯の地名ですが、この曲のタイトルは時のブランデンブルク選帝侯の息子に曲集が献呈されたことから名付けられました。この「ブランデンブルク協奏曲」(Brandenburgische Konzerte)という名称は『バッハ伝』を著したバッハ研究家、ドイツの音楽学者フィリップ・シュピッタ(Julius August Philipp Spitta)の命名によるもので、自筆譜にはフランス語で「いくつもの楽器による協奏曲集」(Concerts avec plusieurs instruments)と記されているだけである。その全6曲は、それぞれの曲が編成も中心となって活躍する楽器も、曲想も驚くほど多種多様でバラエティに富んでいて聴いていて絶対に飽きることがありません。人気があるのは弦楽合奏の《第3番》と、長いチェンバロのカデンツァがある《第5番》でしょう。全曲とも完全無欠の名曲なので、どの曲が好きかと聞かれても困るのですが、レコード鑑賞会で解説した時に話題にした通り、個人的に特に挙げるとすれば様々な管楽器が活躍する《第1番》、それと地味な《第6番》でしょうか。《第6番》は、ヴァイオリンがありません。ヴィオラ2、ヴィオラ・ダ・ガンバ2、チェロと通奏低音といった編成になります。ですからかなりいびつな編成とは言え、最高音がヴィオラですから甘い音楽になります。作曲された順番は《第6番》が最も若い時期、ヴァイマル時代の曲だといいます。名盤が数多のヨハン・セバスティアン・バッハの名曲、弦楽器を中心に包み込むように円やかな《ブランデンブルク協奏曲》は他になく、心のこもった素晴らしい演奏。名門とよばれるにふさわしい実績を残してきたバウムガルトナーとルツェルン弦楽合奏団によるバッハ。当代随一の管楽器の名手たちが持ち味を存分に発揮したソロを披露してゆきます。モダン楽器によるバッハ演奏の範となる名盤です。スイスの名指揮者ルドルフ・バウムガルトナーの代表的録音として知られる本盤で聴かれる『ブランデンブルク協奏曲全6曲』、『ヴァイオリン協奏曲』、『ハープシコード協奏曲第1番、4番、5番』。現代楽器による演奏のよさを全面的に生かした演奏かと思います。バウムガルトナーの小気味のいい指揮がさわやかな感じがします。中でも《第4番》の叙情的な旋律の美しさ、《第5番》のヨゼフ・スークとオーレル・ニコレの掛け合いの温かさに心を惹かれました。ドイツのカール・リヒターとも、フランスのジャン=フランソワ・パイヤールやクルト・レーデルとも違った、独特の温かみを持ったバッハを聴かせている。なかでも《第6番》に関してはこれ以上求められないもので、完熟ワインに酔いながら高貴な気分にひたってしまうような感覚に陥ってしまうのです。
GB DGG 2736 001 カール・リヒター バッハ・有名曲集 …
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