34-20436

商品番号 34-20545

通販レコード→英ナローバンド ED4盤

これが日本魂かというと多少違和感はあるが~とにかく最初の1小節からウィーン・フィルのドラマティックな演奏に驚かされる。あらゆる場面で独特の雰囲気を呼び起こしている。 ― レコードのステレオ録音は、英国DECCAが先頭を走っていた。1958年より始まったステレオ・レコードのカッティングは、世界初のハーフ・スピードカッティング。 この技術は1968年ノイマンSX-68を導入するまで続けられた。このヘルベルト・フォン・カラヤンによるプッチーニの歌劇《蝶々夫人》は2回目のスタジオ録音。初回は、1955年のモノラル録音ではあったが、蝶々夫人にマリア・カラス、ピンカートンにニコライ・ゲッダを据えるという豪華布陣で、ミラノ・スカラ座管弦楽団や合唱団の好演もあって今なお色褪せることがない名演ですが、本演奏はそれ以上。カラヤンによるプッチーニの歌劇《蝶々夫人》の随一の名演にとどまらず、古今東西の様々な指揮者による同曲のあらゆる名演に冠絶する至高の超名演と高く評価したい。先ずは配役が素晴らしい。もちろん初回録音における配役も豪華であったが、本演奏における配役もいささかも引けを取っていない。ミレッラ・フレーニによる瑞々しい美声は正に純情な蝶々夫人の当たり役と言えるし、ルチアーノ・パヴァロッティも、女たらしではあるが優柔不断で憎み切れないピンカートン役に相応しい見事な歌唱を披露している。加えて蝶々夫人の召使役のスズキをクリスタ・ルートヴィヒが演じるという超豪華布陣で、カラヤンによるキャスティングのセンスの良さを感じさせられる。英デッカによる鮮明な高音質録音も本盤の大きな魅力の一つ。基本的には1971年の『ラ・ボエーム』の延長みたいなセットで、オーケストラがベルリン・フィルハーモニー管弦楽団からウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、セッション場所がベルリンのイエス・キリスト教会からウィーンのソフィエンザールに代わっただけの代物。カラヤンのオーケストラは完璧としか言いようがない。とにかく最初の1小節からウィーン・フィルのドラマティックな演奏に驚かされる。あらゆる場面で独特の雰囲気を呼び起こしている。乳母が同じ(?)であったと言う伊パドヴァ出身の幼なじみ故パヴァロッティとフレーニはプッチーニのピンカートンと蝶々さんを歌うために生まれたのではないかと思えるほど。ふたりの甘く柔らかな声は見事に溶けあい、カラヤンの絶妙の棒のもと多少違和感は有りますが日本魂を完璧に作り上げている。録音から半世紀近く経ているが、カラヤンは、聴き手が望んでいることを完全に読み取ることができたのだろう。そして、それを自分が意のままにできるウィーン・フィルという最高の楽器によって実現出来たのである。そうした姿勢がアンチカラヤンを作ってしまったのだろうが、カラヤンがやってきたことは、他の指揮者は出来るのだろうか?自分の思い通りにオーケストラをドライブするという技術において、カラヤンの右に出る者はいないと本盤を聴くたびに思います。デッカ制作陣も、すでにジョン・カルショウ第2世代勢揃い、クリストファー・レイヴァン、ミヒャエル・ウールコック、エンジニアは、ゴードン・バリー(第1世代に属すが)、ジェームス・ロック、ジャック・ロウ其々数頭立ての豪華布陣。
  • Record Karte
  • 1974年1月ウィーン、ゾフィエンザール、ステレオ(アナログ/セッション)録音。P&E:Christopher Raeburn,Michael Woolcock&Gordon Parry,James Lock,Jack Law.
  • GB DEC SET584/6 カラヤン プッチーニ・蝶々夫人 (全…
  • GB DEC SET584/6 カラヤン プッチーニ・蝶々夫人 (全…
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ステレオ録音黎明期1958年から、FFSS(Full Frequency Stereophonic Sound)と呼ばれる先進技術を武器にアナログ盤時代の高音質録音の代名詞的存在として君臨しつづけた英国DECCAレーベル。第2次世界大戦勃発直後の1941年頃に潜水艦ソナー開発の一翼を担い、その際に、潜水艦の音を聞き分ける目的として開発された技術が、当時としては画期的な高音質録音方式として貢献して、レコード好きを増やした。繰り返し再生をしてもノイズのないレコードはステレオへ。レコードのステレオ録音は、英国DECCAが先頭を走っていた。1958年より始まったステレオ・レコードのカッティングは、世界初のハーフ・スピードカッティング。 この技術は1968年ノイマンSX-68を導入するまで続けられた。英DECCAは、1941年頃に開発した高音質録音ffrrの技術を用いて、1945年には高音質SPレコードを、1949年には高音質LPレコードを発表した。1945年には高域周波数特性を12KHzまで伸ばしたffrr仕様のSP盤を発売し、1950年6月には、ffrr仕様の初のLP盤を発売する。特にLP時代には、この仕様のLPレコードの音質の素晴らしさは他のLPと比べて群を抜く程素晴らしく、その高音質の素晴らしさはあっという間に、当時のハイファイ・マニアやレコード・マニアに大いに喜ばれ、「英デッカ=ロンドンのffrrレコードは音がいい」と定着させた。日本では1954年1月にキングレコードから初めて、ffrr仕様のLP盤が発売された。その後、1950年頃から、欧米ではテープによるステレオ録音熱が高まり、英DECCAはLP・EPにて一本溝のステレオレコードを制作、発売するプロジェクトをエンジニア、アーサー・ハディーが1952年頃から立ち上げ、1953年にはロイ・ウォーレスがディスク・カッターを使った同社初のステレオ実験録音をマントヴァーニ楽団のレコーディングで試み、1954年にはテープによるステレオの実用化試験録音を開始。この時にスタジオにセッティングされたのが、エルネスト・アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団の演奏によるリムスキー=コルサコフの交響曲第2番「アンタール」。その第1楽章のリハーサルにてステレオの試験録音を行う。アンセルメがそのプレイバックを聞き、「文句なし。まるで自分が指揮台に立っているようだ。」の一声で、5月13日の実用化試験録音の開始が決定する。この日から行われた同ホールでの録音セッションは、最低でもLP3枚分の録音が同月28日まで続いた。そしてついに1958年7月に、同社初のステレオレコードを発売。その際に、高音質ステレオ録音レコードのネーミングとしてFFSSが使われた。以来、数多くの優秀なステレオ録音のレコードを発売。そのハイファイ録音にステレオ感が加わり、「ステレオはロンドン」というイメージを決定づけた。Hi-Fiレコードの名盤が多い。
プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」
ヘルベルト・フォン・カラヤン
ユニバーサル ミュージック
2018-03-07

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