通販レコード→オレンジ・ラベル、銀文字盤[オリジナル]
GB DECCA LXT2999 フルニエ&クーベリック ドヴォルザーク・チェロ協奏曲
《不滅のロンドン ffrr モノラル名盤。》土臭さ満載のこの協奏曲から、これほどまでに温かくノーブルで、しかも繊細な響きを引き出しているのは、まさにフルニエならではの至芸といえるでしょう。この協奏曲は、フルニエにとって愛奏曲の一つであり、そのフルニエの DG 時代の録音の中でも殊更評価が高く、ステレオLP時代を通じて、ロストロポーヴィチ/カラヤン盤( DG )と並び最高の名演とされていた1961年録音の歴史的名盤です(フランス AD Fディスク大賞、ドイツ・レコード批評家賞受賞)。ハンガリー出身で戦後はスイスを拠点に活躍したハンガリー出身の名ヴァイオリニスト、ヨハンナ・マルツィ( Johanna Martzy, 1924-1979)は第二次大戦前に既に注目はされていたようですが、本格的なデビューは戦後。1950年代から60年代初めに活躍した現在でも人気の高い女性奏者。マルツィは6歳からヴァイオリンを始め、10歳でフランツ・リスト音楽院に入学、高名なフバイに師事し、13歳でデビューを果たすものの第2次世界大戦のため演奏活動の中断を余儀なくされてしまいます。戦後、1947年に開催されたジュネーヴ国際音楽コンクールで入賞すると、その後はスイスを拠点とし、国際的な活動を展開したほか、レコーディングにも積極的に取り組みます。気品ある佇まいと美しいロマンティシズムを湛えた演奏を披露している。繊細で柔和、旋律を愛でるように音を紡ぎ出しているようです。ただ、とても繊細でありながら神経質なものではなく、高揚感のあるパートでも大らかに奏でていく。りんとした空気を感じる、いささか硬めの良妻賢母タイプ。非常に情熱的でありながら高い技術と男性的な造形性や堅実性を併せ持っています。いかに優れた音楽家であったにせよ、ハンガリーの片田舎出身のヴァイオリニストが、その死後半世紀経た今日も名声と伝説とオーラを保ち解き放っているという事実は驚嘆に値する。勿論この名声と伝説はこれからも語り継がれていくと思います。異常なまでの集中力とそれを支える精神力は、マルツィの演奏に類いまれな緊張感を感じさせるエネルギーみたいなもので、演奏する作品と何とも云えない一体感を感じさせてくれます。彼女のソロは表現がストレートに過ぎる気がしないではありませんが、若々しくひたむきさで弾けるような表現にはすっかり惹き込まれてしまいました。フリッチャイのオーケストラの端正で明朗な表現は、マルツィのソロと素晴らしい相性を示しており共々フレッシュな表現を作り上げていて素晴らしい聴き映えのする録音に仕上がっていると思います。マルツィの誉れ高き名盤の一つである、ドイツ・グラモフォンにセッション録音したヴォルザークのヴァイオリン協奏曲(フリッチャイ指揮、ベルリン RIAS 交響楽団/録音:1953年6月3-5日/イエス・キリスト教会)。マルツィの最大の持ち味である驚異的な集中力とクリアで輝かしい音色は、聴き手の心を震わせる力強さをもっており、特筆すべきは第二楽章の美しさ。フリッチャイのタクトのもとオーケストラの反応もよく、濁りのない素晴らしい演奏を聴くことができます。この協奏曲は、フルニエにとって愛奏曲の一つであり、この録音以前に英 EMI への SP、英 DECCA へのモノラル正規セッション録音続く、3度目の境地の名演といえるステレオ録音盤です。本盤ラベルのコピーライトが、ALLE HERSTELLER で始まる初期盤です。録音は、ベルリン郊外のダーレム地区にあるイエス・キリスト教会(1961年6月1日~3日)で行なわれました。1950年代初頭から1972年までベルリン・フィルの録音がほぼ独占的に行なわれていたこの教会は、深みのある豊かな響きが特徴ですが、アナログ時代の DG の名エンジニア、ギュンター・ヘルマンスは、その中でチェロ独奏を美しく明晰に際立たせつつ、その背後に大きく広がるオーケストラのソノリティを余すところなく録音に収めています。関連記事とスポンサーリンク
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