商品番号 34-5213
通販レコード→英オレンジ金文字フラット盤[オリジナル]
歴史上燦然と輝くオルガン名曲の魅力をあらためて味わわせてくれます。 ― 剣豪小説家だった五味康祐は「オーディオ巡礼」を書いているほど、彼に続けと入信したオーディオファイルに神対応を受けている。オーディオフェアに展示されたパラゴンを前にして、「こんなもの日本に持ってきたっていい音が出るわけないんだ!」と喝破している。「若いうちは、あまり装置はいじらず一枚でも多くレコードを聴くこと、音楽そのものに時間をさくことを、私はすすめる。」と五味はいう。そして、「安価な装置で適度な美音を鳴らすより、高級な装置で真に高級な美しさをひき出す方がはるかにむつかしい。一般に知られざるこれはオーディオの罠だ。泥沼は実にこの、『高級な』と錯覚されたものへの『期待』からはじまってゆく。理屈はともかく、要するに高級な装置ほどうまく鳴り難いと知っておいた方がいい。」これはそのとおり。彼の著「オーディオ巡礼」には、フランクの「前奏曲、フーガと変奏曲」を「E.Biggs(エドワード・パワー・ビッグス, 1906〜1977)なるオルガニストの弾いたコロムビア盤」を最初に聴いたと書いています。フランクのヴァイオリン・ソナタを偶然NHK-FM放送で聴いて、その堪能に溺れ、他の曲を求めてレコード店に向かった。さしも沢山のレコードが待ち構えているだろうと覚悟したが、購入できたのがオルガン曲だった。そのショップ店主が、音響偏好だったので仕方ないがスペクタキュラーを謳ったレコードだったこともあってか、魅了されなかった。フランクのオルガン曲が大好きになったのは、CD時代を待つことになる。ショパンの葬儀が行われたパリ、マドレーヌ教会はカミーユ・サン=サーンスがオルガニストを務め、後任にガブリエル・フォーレが就き。その後、20世紀になってからは、アンリ・ダリエ(1905〜1934)、エドゥアール・ミニャン(1935〜1962)、ドゥメシュ(1962〜1968)、オディール・ピエール(1969〜1979)、フランソワ・アンリ・ウバール(1979〜)が歴任してきた。パリ聖霊教会の名誉オルガニストにも任命され、29年間その地位に就くなど、オルガニスト、作曲家、教育者としてフランス音楽界に多大な貢献を果たしながら、病弱のための47歳で亡くなった世界的女流オルガン奏者のジャンヌ・ドゥメシュ(Jeanne Marie-Madeleine Demessieux)。1921年2月13日フランスの南部、中世からの学園都市であるモンペリエに生まれる。1936年から1939年まで、マルセル・デュプレに個人的にオルガンを師事。作曲をアンリ・ビュッセルに師事。1946年にパリのサル・プレイエルでオルガニストとして初リサイタルを果たす。ドゥメシュは驚異的な記憶力の持ち主で、暗譜で弾けるレパートリーは優に2,500曲にものぼった。そこには、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ、メンデルスゾーン、リスト、フランク、そして恩師デュプレの、オルガン作品全曲が含まれている。作曲も数多く、オルガン曲を軸に室内楽、歌曲に及ぶ。録音数も数多く、フランクのオルガン曲全集(1958年)は、1960年にディスク大賞に輝いている。本盤はバッハの「トッカータとフーガ ニ短調」「前奏曲とフーガ ニ長調」、フランクの「田園曲」「幻想曲」。激情的にガンガン弾きまくる演奏も魅力ですが、セザール・フランクの実に静かでゆったりとした入りから繰り広げられていく魅惑の世界に引き込まれます。1967年にイギリス・デッカ・レコードと契約して、オリヴィエ・メシアンのオルガン曲全集を録音することになったものの、病臥してから数ヵ月後の1968年11月11日にパリの住居で他界したため、この企画は実現を見なかった。
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第2次世界大戦の潜水艦技術が録音技術に貢献して、レコード好きを増やした。繰り返し再生をしてもノイズのないレコードはステレオへ。ステレオ録音黎明期1958年から、FFSS(Full Frequency Stereo Sound)と呼ばれる先進技術を武器にアナログ盤時代の高音質録音の代名詞的存在として君臨しつづけたイギリスDECCAレーベル。レコードのステレオ録音は、英国DECCAが先頭を走っていた。1958年より始まったステレオ・レコードのカッティングは、世界初のハーフ・スピードカッティング。 この技術は1968年ノイマンSX-68を導入するまで続けられた。英DECCAは、1941年頃に開発した高音質録音ffrrの技術を用いて、1945年には高音質SPレコードを、1949年には高音質LPレコードを発表した。その高音質の素晴らしさはあっという間に、オーディオ・マニアや音楽愛好家を虜にしてしまった。その後、1950年頃から、欧米ではテープによるステレオ録音熱が高まり、英DECCAはLP・EPにて一本溝のステレオレコードを制作、発売するプロジェクトをエンジニア、アーサー・ハディーが1952年頃から立ち上げ、1953年にはロイ・ウォーレスがディスク・カッターを使った同社初のステレオ実験録音をマントヴァーニ楽団のレコーディングで試み、1954年にはテープによるステレオの実用化試験録音を開始。この時にスタジオにセッティングされたのが、エルネスト・アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団の演奏によるリムスキー=コルサコフの交響曲第2番「アンタール」。その第1楽章のリハーサルにてステレオの試験録音を行う。アンセルメがそのプレイバックを聞き、「文句なし。まるで自分が指揮台に立っているようだ。」の一声で、5月13日の実用化試験録音の開始が決定する。この日から行われた同ホールでの録音セッションは、最低でもLP3枚分の録音が同月28日まで続いた。そしてついに1958年7月に、同社初のステレオレコードを発売。その際に、高音質ステレオ録音レコードのネーミングとしてffss(Full Frequency Stereophonic Sound)が使われた。以来、数多くの優秀なステレオ録音のレコードを発売し、「ステレオはロンドン」というイメージを決定づけた。
Jeanne Demessieux – Récital D'Orgue - J.S. Bach - Toccata & Fugue En Ré Mineur, Prélude & Fugue En Ré Majeur, Franck - Pastorale, Op. 19 (Extrait Des Six Pièces Pour Grand Orgue, 1860-1862), Fantaisie En La Majeur (Extrait Des Trois Pièces Pour Grand Orgue, 1878), Recorded At – St. Mark's Church, London
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