34-30063

通販レコード→GB BLUE & SILVER ORIGINAL 150㌘重量盤

GB COLUMBIA SAX2362 オットー・クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 ブラームス・交響曲2番

商品番号 34-30063

ブラームスを愛したクレンペラー。かっちりとしたフォルムの中から、情緒にもたれることなく寂寞とした雰囲気がにじみ出してくる。

ブラームスは作曲に慎重な人物だった。交響曲を書こうと思い立ってから20年。推敲に推敲を重ねて15年かけて、交響曲第1番を完成させた。それはベートーヴェンとは違い、推敲した楽想は別の作品に生かされていく。ピアノ・ソナタになったり、ピアノ協奏曲になったり。最近は注目されないようになった《セレナード》はシンフォニー作曲の練習といえる。
ブラームスは、ベートーヴェンほどに烈しい性格でもなく、モーツアルトほどにずば抜けた天才ではありませんでしたが、一つの音たりとも疎かにしないナイーヴな努力家でした。それは生まれ出た楽想は大事に、一つの楽想を丹念に磨き上げ、育て上げるのが常でした。
そうしたブラームスのナイーヴさを大切に、情緒に流されず音楽の各要素だけをスマートにまとめ上げているのがオットー・クレンペラーです。音楽の外見は無愛想極まりないが、そこにシニカルなブラームスの憧憬と挫折感が胸に浸み込みます。
クレンペラーとフィルハーモニア管弦楽団のブラームスは総じて、そうなのですが。そうでないのが《交響曲第2番》で、大変な名演である。
「ここでは旋律がこんなにたくさん生まれてくるので、ぼくは散歩のとき、それを踏みつぶさないように気をつけないといけない」と交響曲第1番完成後に休暇をとって訪れた、アルプス山脈を望むベルチャッハのヴァルダー湖畔で一気に《交響曲第2番》を書き上げてしまいます。
第1番を完成させて肩の荷が落ちた伸びやかな気持ちの反映でしょうか、これも盛り込みたかった、これも折り込みたかったが全体と似合わないと、目をつぶっていた楽想が一気に湧きでたのでしょう。第1楽章のテーマは牧歌的で、第2楽章では憂愁の想いが感動的だ。第3楽章は初演時にアンコールされたほど、チャーミングなスケルツォ。第4楽章は全体的にブラームスらしからぬ歓喜の感情を爆発させた曲で、コーダまで一気に走り抜けます。
しかし、《交響曲第2番》の底抜けの明るさは、単なるベルチャッハの風光明媚な表層的な明るさではなく、深みのある真の明るさであることを見落としてはならない。そこが、クレンペラーの演奏で聴くと、なかなか激しい情熱を秘めた曲だということがよく分かる。

ブラームスの重厚長大な表現はまさにクレンペラー&フィルハーモニア管の真骨頂

クレンペラーが得意としたブラームスの交響曲と序曲は1956&57年のステレオ録音。収録会場はすべてロンドンのキングズウェイ・ホールです。
ブラームスのシンフォニーはブルーノ・ワルター、ジョージ・セル、カール・ベームの名演盤が挙げられるが、聴き比べるほどに、それぞれにベクトルが向いている方向が違うと感じられ、そのうちでもクレンペラーのブラームスは音楽としての純度が最も高いと感じる。
古い録音だしフィルハーモニア管弦楽団は、現代と比べると技量がそれほど凄いというわけでは無いが、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とは精度で見劣りしても、はつらつとした響きはセルのクリーヴランド管弦楽団といい勝負、ワルターのレコーディング用のオーケストラは雑なところがあるがブラームスの情緒は一番だ。
クレンペラーの指揮に一貫して云えるのは聴く側に媚びないので表現に変な色気やいやらしさがない。 過剰な情緒的な表現は避け、正攻法で演じきるクレンペラーの流儀である。
交響曲第1番は、フォルムのがっしりしたきわめて構築的な名演で、情緒に流されることなく各素材を組みあげています。第4楽章の有名な主題も、序奏終了後、間髪入れずに開始されますが、表情は気品高く美しく、端正な〝形〟への意識、バランス感覚の強さを感じさせます。
交響曲第2番の謹厳実直さもいかにもクレンペラーらしいところ。
交響曲第3番は、第1楽章冒頭から様々な動機をきっちりと確認させる構造的なアプローチで、力強くシンフォニックな部分はもちろん、中間楽章での、木管セクションの個性的な音色も実に魅力的。15年後の引退公演にも選んだ愛好作品だけに、隅から隅まで手のうちに入った演奏はどこをとっても魅力的です。
交響曲第4番も名演です。この曲では、第1楽章冒頭からクレンペラーとしては不思議なほど豊かな情感の示される演奏を聴かせており、改めてこの作品の巧みな書法に思いが至ります。演奏もそうした書法を強調するかのように個性的で、リズミカルな第2楽章や、スケルツォでの大パウゼなど、聴きどころ多数。もちろん、終楽章での千変万化する素材と様式感の融合も見事なものです。
それ故か、第2番の英国オリジナル盤は、今ともなると4枚の中でも最も入手が難しい貴重盤となっている次第だということ、蛇足としてでも書き置いておきたいことです。

田園地方で牙を向いた熊本地震。この曲の評価、熊本で異常に変化するのではないだろうか。

大自然の厳しさは、今回の熊本地震を例えるまでもない。しかし、大火災となった住宅密集地域でも、暮らしの中心が漁業地域を襲った津波とも違う。
熊本県の中でも熊本市と益城町というふたつの大きな行政区の境界に広がる農業地域を激震した。熊本市で暮らしていても、この地域の暮らしを意識化においていたか疑問したくもなる。熊本のシンボル、熊本城の無残な姿が映像としてなければ、全国的に大きく報道もされなかったのではないか。今になって、震災前の街の様子を記録しようとしている。
大きな揺れが続く中でも、早朝に避難所から畑仕事に通っていた隣家は、住宅が半壊だったので、解体した跡の土地にはもう新しい作物の種を蒔いている。ここに親、娘、孫、3世代を育てた家があったことは撮影に来た某テレビクルーは気が付かないだろう。
一年中、その時期、その時期で育てられている野菜が変わっていく。計画的で構築的だ。
美しい自然から栄養をもらった《田園》を、〝のどか〟さではなく、構築的な演奏でクレンペラーは聴かせる。第2番はブラームスの〝田園交響曲〟と呼ばれることもあります。それは明るいのびやかな雰囲気がベートーヴェンの6番を思わせるものがあるかです。この10年後にはマーラーが登場して第1番の交響曲を発表することを考えると、同時代の他の作品と聞き比べるとかなり古めかしい装いをまとっています。
もちろん、ブラームスの〝田園交響曲〟という先入観にとらわれる必要はないのですから、こういうかっちりとした演奏があっても良いとは思うのですが、ブラームスの古典派回帰の思いは、聴いていてあまり楽しくないのも事実です。ただし、最終楽章の圧倒的迫力は、第3楽章までの、このようなアプローチによってもたらされたものであることは明らかで、結果的にはいささか不満を感じた前半部分を帳消しにしてしまうほどの力を持っています。
そして、地震で地割れしたアスファルトや、二種類の激震で抜けかけている電柱の根本からはチャーミングな花々が勢い良く咲き誇った。まだまだ瓦礫を片付けなければならない、そんな気持ちをほぐしてくれて感動的だった。
厳しさの中に、自然は美しい姿を見せてくれる。大自然の厳しさ、そして憂愁。それに感動しながら人間は暮らしている。この曲の評価、未曾有の大地震を体験した熊本では異常に変化するのではないだろうか。
そして実に暖かい演奏で、クレンペラー観が一変する人もいるだろう。スタジオ録音とは思えないほど感興溢れる演奏だ。
現在の録音セッションとは違って、パッチワークを拒んだクレンペラーだからこそ残せた自然な流れの音楽だと思う。超スローテンポの中に漂う絶妙な香り。何ものにも揺るがない安定感と、確かに古いスタイルながら純粋にスコアを再現した音が、本盤には一杯詰まっている。
緩みのない緊張と力に支えられた非常に端正な演奏であり、また力強くまるで大きな建造物を見ている様な錯覚に陥る、この様な表現は、現今の指揮者には望むべきもないと思わせるような、強烈な演奏であり音楽だと思う。

録音のクオリティにも助けられているのでしょうが、全体の見通しが非常によい演奏です。

オーケストラの配置が第一ヴァイオリンと第ニヴァイオリンが指揮者の左右に配置される両翼配置とか対抗配置とか言う、古いスタイルで、左右に分かれた第一、第二ヴァイオリンのかけあいや中央左手奥に配置されたコントラバスの弾みのある低音が極めて効果的に働いていて、包み込まれるような感覚はステレオ録音で聴く場合には、やはり和音の動きなどこの配置の方が好ましい。
ゆったりとしたテンポをとったのは、透徹した目でスコアを読み、一点一画をおろそかにしないようにしていることで隠れていた音符が一音一音浮かび上がってきます。この気迫の籠った快演は聴き手に感動を与えずにはおきません。フィルハーモニアは、まさにクレンペラーの為にレッグが作り出した 楽器 だと言う事、しみじみと感じました。
英EMIの偉大なレコード・プロデューサー ウォルター・レッグは、1954年に目をかけていたカラヤンがベルリンに去ると、すぐさま当時、実力に見合ったポストに恵まれなかったクレンペラーに白羽の矢を立て、この巨匠による最良の演奏記録を残すことを開始した。
このレッグが理想とした、クラシック音楽の基準となるレコード盤をつくるという大仕事は、彼がEMIを去る1963年までクレンペラー&フィルハーモニアによって夥しい数が生み出されました。
この時代はモノーラル・テイクとステレオ・テイクが同時進行していました。モノーラルはダグラス・ラター、ステレオはクリストファー・パーカーと、それぞれ違うプロデューサーが担当していました。

  • Record Karte
  • 1956年10月ロンドン、キングズウェイ・ホール録音。

販売レコードの写真

  1. GB COL SAX2362 クレンペラー ブラームス:交響曲2番/…
  2. GB COL SAX2362 クレンペラー ブラームス:交響曲2番/…


CDはアマゾンで

ブラームス:交響曲全集(SACDハイブリッド)
フィルハーモニア合唱団
ワーナーミュージック・ジャパン
2015-09-02


Brahms: Symphonies & Overtures / Ein Deutsches Requiem
オットー・クレンぺラー
Warner Music
2013-01-07



ブラームス:交響曲全集
セル(ジョージ)
SMJ
2012-10-03



ブラームス:交響曲全集
カール・ベーム
ユニバーサル ミュージック
2019-01-23



関連記事とスポンサーリンク
商品名GB COL SAX2362 クレンペラー ブラームス:交響曲2番/悲劇的序曲

1956年の録音で、70代になったばかりで気力充実のクレンペラーが残した名演。この2番でも厳格なテンポで構築されているにもかかわらず次第に熱を帯び、終楽章では圧倒的な高揚感となる名演。4枚の中で最も入手が難しいと思われる第2番の貴重な英国オリジナル盤です。