通販レコード→GB BLUE & SILVER ORIGINAL, 165g重量盤
情緒にもたれることなくかっちりとしたフォルムの中から寂寞とした雰囲気がにじみ出してくる演奏。
晩夏から、初秋への季節の移り変わりをイメージさせる音楽。シニカルなブラームスの憧憬への情熱は、男の哀愁へと。
交響曲第3番は、「ブラームスの英雄交響曲」と言われたりもする第1楽章は勇壮な音楽で、冒頭から様々な動機をきっちりと確認させる構造的なアプローチで、力強くシンフォニックな部分はもちろん、実に明るく、そして華々しく開始されます。しかし、その明るさや華々しさが音楽が進むにつれてどんどん暗くなっていきます。明から暗へ、そして内へ内へと音楽は沈潜していきます。
中間楽章での、フィルハーモニア管弦楽団の木管セクションの個性的な音色も実に魅力的。そして、最終楽章で消えゆくように奏されるのは第1楽章の第1主題です。もちろん夏の盛りの華やかさではなく、静かに回想するように全曲を締めくくります。
クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団のブラームスの交響曲を聴くときは、4番、2番、3番と。2番を早いうちに聴いて、全4曲をチクルスに鑑賞するパターンが2005年からの習慣ですが、1950年代後半の時期、クレンペラーは2番より3番、4番に共感が強かったのではなかったのか。クレンペラーを特徴づけるフォルムの美しさは、この交響曲が映画音楽に使われた、そのイメージにまとわりつく、甘くもロマンのあわさもなく。情緒にもたれることなくかっちりとしたフォルムの中から寂寞とした雰囲気がにじみ出してくる演奏に仕上がった、3番は全4曲の中では一番成功しているのではないでしょうか。クレンペラーが15年後の引退公演にも選んだ愛好作品だけに、隅から隅まで手のうちに入った演奏はどこをとっても魅力的です。
クレンペラーはブラームスを愛していたと思います。コンサートでもよく取り上げていますし、フィルハーモニア管との録音を始めた時にも、真っ先にこの全集を仕上げています。1958年には「寝たばこ事件」を引き起こして全身大火傷、指揮棒すらももてないような状態に陥ってしまった、超スローテンポによる異形の晩年スタイルのクレンペラーのイメージが強いようですが、晩年のクレンペラーを特徴づける雄大なイメージは乏しいでしょうが、あざとい演奏効果を狙うこともない、真っ当でスタンダードな演奏を聞かせてくれる、1956年〜57年にかけて録音されたブラームスの交響曲全集です。
ブラームスの交響曲4番は、ロマン派音楽真っ盛りの最中に、最終楽章で前期バロック音楽時代に引き戻されたような音楽を聞かされます。このモダン・オーケストラで繰り広げられる変奏曲様式こそ、ブラームスの音楽を特色づける真価、音楽史への最もな貢献です。この真骨頂を見せた「大学祝典序曲」が、第3番の余白に選曲されています。全5楽章の交響曲と聴くのも面白いものです。交響曲2番には「悲劇的序曲」が組まれていますが、クレンペラーの以降があったかはわかりませんが、イギリスEMIレーベル、プロデューサーの味な計らいに感じ入っています。
交響曲第3番は、「ブラームスの英雄交響曲」と言われたりもする第1楽章は勇壮な音楽で、冒頭から様々な動機をきっちりと確認させる構造的なアプローチで、力強くシンフォニックな部分はもちろん、実に明るく、そして華々しく開始されます。しかし、その明るさや華々しさが音楽が進むにつれてどんどん暗くなっていきます。明から暗へ、そして内へ内へと音楽は沈潜していきます。
中間楽章での、フィルハーモニア管弦楽団の木管セクションの個性的な音色も実に魅力的。そして、最終楽章で消えゆくように奏されるのは第1楽章の第1主題です。もちろん夏の盛りの華やかさではなく、静かに回想するように全曲を締めくくります。
クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団のブラームスの交響曲を聴くときは、4番、2番、3番と。2番を早いうちに聴いて、全4曲をチクルスに鑑賞するパターンが2005年からの習慣ですが、1950年代後半の時期、クレンペラーは2番より3番、4番に共感が強かったのではなかったのか。クレンペラーを特徴づけるフォルムの美しさは、この交響曲が映画音楽に使われた、そのイメージにまとわりつく、甘くもロマンのあわさもなく。情緒にもたれることなくかっちりとしたフォルムの中から寂寞とした雰囲気がにじみ出してくる演奏に仕上がった、3番は全4曲の中では一番成功しているのではないでしょうか。クレンペラーが15年後の引退公演にも選んだ愛好作品だけに、隅から隅まで手のうちに入った演奏はどこをとっても魅力的です。
クレンペラーはブラームスを愛していたと思います。コンサートでもよく取り上げていますし、フィルハーモニア管との録音を始めた時にも、真っ先にこの全集を仕上げています。1958年には「寝たばこ事件」を引き起こして全身大火傷、指揮棒すらももてないような状態に陥ってしまった、超スローテンポによる異形の晩年スタイルのクレンペラーのイメージが強いようですが、晩年のクレンペラーを特徴づける雄大なイメージは乏しいでしょうが、あざとい演奏効果を狙うこともない、真っ当でスタンダードな演奏を聞かせてくれる、1956年〜57年にかけて録音されたブラームスの交響曲全集です。
ブラームスの交響曲4番は、ロマン派音楽真っ盛りの最中に、最終楽章で前期バロック音楽時代に引き戻されたような音楽を聞かされます。このモダン・オーケストラで繰り広げられる変奏曲様式こそ、ブラームスの音楽を特色づける真価、音楽史への最もな貢献です。この真骨頂を見せた「大学祝典序曲」が、第3番の余白に選曲されています。全5楽章の交響曲と聴くのも面白いものです。交響曲2番には「悲劇的序曲」が組まれていますが、クレンペラーの以降があったかはわかりませんが、イギリスEMIレーベル、プロデューサーの味な計らいに感じ入っています。
オーケストラの配置が第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが指揮者の左右に配置される両翼配置とか対抗配置とか言う、古いスタイルで、左右に分かれた第1、第2ヴァイオリンのかけあいや中央左手奥に配置されたコントラバスの弾みのある低音が極めて効果的に働いていて、包み込まれるような感覚はステレオ録音で聴く場合には、やはり和音の動きなどこの配置の方が好ましい。ゆったりとしたテンポをとったのは、透徹した目でスコアを読み、一点一画をおろそかにしないようにしていることで隠れていた音符が一音一音浮かび上がってきます。
この気迫の籠った快演は聴き手に感動を与えずにはおきません。フィルハーモニア管弦楽団は、まさにクレンペラーの為にウォルター・レッグが作り出した楽器だと言う事、しみじみと感じました。
英EMIの偉大なレコード・プロデューサー ウォルター・レッグは、1954年に目をかけていたヘルベルト・フォン・カラヤンがベルリンに去ると、すぐさま当時、実力に見合ったポストに恵まれなかったクレンペラーに白羽の矢を立て、この巨匠による最良の演奏記録を残すことを開始した。このレッグが理想とした、クラシック音楽の基準となるレコード盤をつくるという大仕事は、彼がEMIを去る1963年までクレンペラー&フィルハーモニアによって夥しい数が生み出されました。
この時代はモノーラル・テイクとステレオ・テイクが同時進行していました。モノーラルはダグラス・ラター、ステレオはクリストファー・パーカーと、それぞれ違うプロデューサーが担当していました。
この気迫の籠った快演は聴き手に感動を与えずにはおきません。フィルハーモニア管弦楽団は、まさにクレンペラーの為にウォルター・レッグが作り出した楽器だと言う事、しみじみと感じました。
英EMIの偉大なレコード・プロデューサー ウォルター・レッグは、1954年に目をかけていたヘルベルト・フォン・カラヤンがベルリンに去ると、すぐさま当時、実力に見合ったポストに恵まれなかったクレンペラーに白羽の矢を立て、この巨匠による最良の演奏記録を残すことを開始した。このレッグが理想とした、クラシック音楽の基準となるレコード盤をつくるという大仕事は、彼がEMIを去る1963年までクレンペラー&フィルハーモニアによって夥しい数が生み出されました。
この時代はモノーラル・テイクとステレオ・テイクが同時進行していました。モノーラルはダグラス・ラター、ステレオはクリストファー・パーカーと、それぞれ違うプロデューサーが担当していました。
- 演奏:オットー・クレンペラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団
- 録音:1957年3月26,27日ロンドン、キングズウェイ・ホール。
- プロデューサー&エンジニア:ウォルター・レッグ&クリストファー・パーカー
- 1957年の録音で、70歳代になったばかりで気力充実のクレンペラーが残した名演。ブラームスの、この交響曲3番はややスローながら厳格なテンポで構築され、すべての音がクリアに聞き取れるクレンペラーらしい緻密な名演。貴重な英国オリジナル盤です。
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