34-23273

商品番号 34-23273

通販レコード→英ブルー・アンド・シルヴァー盤[オリジナル]

〝決して手抜きをしないのがカラヤン〟と〝完璧主義者のレッグ〟が生み出した陶酔。理想的なレコード・サウンド! ― ドイツ・グラモフォン盤に無い魅力が本盤に有る、スタイリッシュなドヴォルザークの《新世界より》です。この名曲はドヴォルザークの交響曲第9番ですが、レコード盤のラベル面、レコード・カバー裏のライナーを見ればわかりますが、交響曲第5番と表記されています。カラヤンはドイツ・グラモフォンでも同曲をレコード発売しますが、それでは「第5(9)番」と初版では印刷されている。ドヴォルザークの原典版がチェコ国内では整備され始めていましたが、国際版で作品番号の変更が行われるようになった時期だったから、まだローカル色がどうこうという状態じゃなかった。ヘルベルト・フォン・カラヤンがつくる洗練されたスタイルこそがドヴォルザークの一般音楽ファンに浸透させるのには大きな働きとなったと、わたしは信じている。この時期、ドイツ・グラモフォン専属だったベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と英EMIへの録音が始まる。英EMIの偉大なレコード・プロデューサー ウォルター・レッグは戦後ナチ党員であったとして演奏を禁じられていたカラヤンの為に、レッグ自ら1945年に創立したフィルハーモニア管弦楽団を提供し、レコード録音で大きな成功を収めた。演奏はオーケストラに合奏の完璧な正確さを要求し、音を徹底的に磨き上げることによって聴衆に陶酔感をもたらせ、さらにはダイナミズムと洗練さを同時に追求するスタイルで、完全主義者だったレッグとうまが合ったのは当然といえば当然で、出来栄えも隙が無い。決して手抜きをしないのがカラヤンの信条であったという。1954年にドイツ音楽界に君臨していたヴィルヘルム・フルトヴェングラーの急逝にともない、翌1955年にカラヤンは、ついにヨーロッパ楽壇の頂点ともいえるベルリン・フィルの首席指揮者の地位に登りつめた。レッグがEMIから去るのも間近と思われていたこの頃で、ここでレッグとカラヤンの関係は終止符を打つが、この録音はカラヤンのドイツ・グラモフォン移籍のための手切れ金替わりとされている。当時、懐疑的な思いをEMIはステレオ録音に持っていて、一方ではステレオ録音をしたいというカラヤンの強い希望を持っていて。その条件としてEMIの提案がベルリン・フィルを指揮しての《新世界より》だったのだろう。英コロムビア時代のカラヤンの指揮は殆どがフィルハーモニア管とのものですが、本盤はそうしたコロムビア時代には大変珍しいベルリン・フィルとの組み合わせ。記憶では本盤含めて2枚しかないと思います。斯くしてこの《新世界より》には、フィルハーモニア管でレコードを発売するよりも「ベルリン・フィルがEMIに初登場!」とする宣伝の効果は大きかっただろう。だったらステレオ盤で発売しても成果はあると算用したと思う。担保か更に同じ日にヒンデミットの《画家マチス》も録音している。後に《モルダウ》を組み合わせる変更になったのかと想像する。→コンディション、詳細を確認する
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  • Record Karte
    • 1959年初発盤。
    • 録音年月日:1957年11月28・29日、58年1月6・7日(新世界から)、5月18~20日(新世界から、モルダウ)
    • 録音場所:グリュンネヴァルト教会、ベルリン
    • 録音:ステレオ
    • スタッフ:P:ウォルター・レッグ、E:ホルスト・リントナー
  • GB COL SAX2275 カラヤン・ベルリンフィル ドヴォルザー…
  • GB COL SAX2275 カラヤン・ベルリンフィル ドヴォルザー…
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
カラヤン(ヘルベルト・フォン)
ワーナーミュージック・ジャパン
2014-08-20