34-8670
通販レコード→ブルー・アンド・シルヴァー盤[オリジナル]

GB COLUMBIA SAX2260 クレンペラー ベートーヴェン・田園

商品番号 34-8670


《田園》は、ステレオ録音では是非両翼配置の演奏を聴かれることをお薦めしたい。第1と第2ヴァイオリンが持続音を交互に受け渡されるところや、主旋律を第2ヴァイオリンが受け持つ所など、やはり和音の動きの面白さはこの配置の方が好ましく、ステレオ再生の醍醐味だ。クレンペラーは1957年辺りから、スタジオ録音に対する考え方が変わったようで、透徹した目でスコアを読み一点一画をおろそかにしない演奏に変わった。クレンペラーの解釈は揺るぎのないゆっくりしたテンポでスケールが大きい。ゆったりとしたテンポをとったのは、一点一画をおろそかにしないようにと心掛けたからとも思いたくなる。この気迫の籠った快演は聴き手に感動を与えずにはおきません。何ものにも揺るがない安定感と、確かに古いスタイルながら純粋にスコアを再現した音が、本盤には一杯詰まっている。ある時クレンペラーが、友人と立ち寄ったレコード店で店員に「クレンペラーのレコードを聞かせてくれ」と頼んだら、「ワルターと某指揮者だけを置いている」と店員に言われ、面目を欠いたエピソードがあるが、きっと発奮する動機になったに違いない。一音一音が耳に突き刺さってきました。悠然としてスケールが大きい《田園》です。こうした演奏は、古き良き時代の香りがするエネルギーに溢れた再生音で、ベートーヴェンの魂に肉迫するかの如きクレンペラーの演奏は聴きたいものです。英 EMI の偉大なレコード・プロデューサー、ウォルター・レッグの信条は、アーティストを評価するときに基準となるようなレコードを作ること、彼の時代の最上の演奏(録音)を数多く後世に残すことであったという。クレンペラーは、それに良く応えた。また何度聴いても飽きません。本盤も、そのような基準盤の一枚で、レッグの意図する処がハッキリ聴き取れる快演だ。フィルハーモニアはまさにクレンペラーの為にレッグが作り出した楽器だと言う事、しみじみと感じました。この時代はモノテイクとステレオテイクが同時進行していました。モノはダグラス・ラター、ステレオはクリストファー・パーカーと違うプロデューサーが其々担当していました。
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