〝晩年まで封印された作品となる名作〟 ― プロコフィエフはピアノやヴァイオリンの協奏曲が人気なのに比べ、チェロ協奏曲はあまり馴染みがありません。《チェロ協奏曲第1番》はソ連帰国後1938年の作で、交響的物語「ピーターと狼」やバレエ音楽「ロミオとジュリエット」と同時期のもの。しかしこの曲は、実に不幸な生い立ちで、独奏部の異常な難しさと西欧的感覚が不評で、そのまま放置されていた。いわば封印された作品となっていたところ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチの提言により、全体を大きく改作して「交響的協奏曲」へ改作しました。ロストロポーヴィッチの演奏をはじめ、こちらは数多くの録音があるけれど、滅多に顧みられることがなくなってしまった。急―緩―急という3楽章形式が多い中、この曲は緩―急―緩という楽章構成になっている。終楽章は変奏曲なので、一概にゆったりしているとも言えないのだが、下手な演奏でこれを聞くともうもっさりした音楽に聞こえてしまうことだろう。
初演の評判の悪さも、そのあたりにあるのではないだろうか?改作された方は、ゆったりと優雅であったものが、やたらと大仰で深刻ぶっている
この元になった方はシュタルケルがジェスキントと録音したの録音シュタルケルは貴重なオリジナル稿で演奏。切れ味満点で、プロコフィエフならではのスリリングな音楽に興奮させられます。ハンガリー出身の天才チェリスト、ヤーノシュ・シュタルケルの比類なきテクニックと豊かな音楽性が、ワルター・ジュスキント指揮、フィルハーモニア管弦楽団との競演に溢れます。シカゴ交響楽団で首席チェロ奏者の座を歴任、その後ソリストに転向したシュタルケル40歳代の録音。若き日のシュタルケルの豪放にして繊細な芸術が堪能できます。
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