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通販レコード→仏ラージ・ドッグ・セミサークル黒文字盤

FR VSM C069-02014 小澤征爾 リムスキー=コルサコフ・シェヘラザード

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《情熱と理性の調和。フロント(ソロ)と大きな力(オーケストラ)の鬩ぎ合いではなく、お互いが融け合って進む方向を作る小澤の音楽作りがそのまま生きている。》 大きなオーケストラに唯一人対峙する指揮者。欧米の名門オーケストラを若いうちから指揮する機会に恵まれたのは、小澤征爾が物珍しい東洋人であったからだろう。NHK交響楽団や日本フィルとの事件は彼の指揮者として目指していくスタイルを確信させた。欧米のクラシック音楽の中心にはドイツ音楽精神が根強い。小澤の得意のレパートリーは何か、何と言ってもフランス音楽、そしてこれに次ぐのがロシア音楽ということになるだろうか。それは近年の松本でのフェスティバルでもフランス音楽がプログラムの核であることでも貫かれている。ロシア音楽について言えば、チャイコフスキーの後期3大交響曲やバレエ音楽、プロコフィエフの交響曲やバレエ音楽、そしてストラヴィンスキーのバレエ音楽など、極めて水準の高い名演を成し遂げていることからしても、小澤がいかにロシア音楽を深く愛するとともに得意としているのかがわかるというものだ。リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」も、3度にわたって録音。本盤はシカゴ交響楽団との演奏(1969年) ― 2回目、ボストン交響楽団(77年)、3回目、ウィーン・フィル(93年) ― 、まだ30歳代半ば、小澤の EMI レーベルへのデビュー当時の録音です。シンドバッドの冒険などお馴染み、アラビアンナイト(千夜一夜物語)の語り手の女性の名前がシェエラザード。我が物顔で、一晩一緒に寝た妃を次々と処刑していく残忍な王様に対し、毎夜毎夜、朝方まで王様に冒険に満ちた物語を語ることで、一千一夜、王様からの処刑をまぬがれるという話です。この演奏の美点は何と言っても全編を貫く自然体とも云うべき滑らかな流れに在る。ソロ・ヴァイオリンの太くて艶かしいその音色と節回しであり、王妃シェエラザードの語り口を想起させるフレージングは極めて秀逸。要はメロディーを奏するソロ奏者がスタンドプレイにならないよう自制させたのは小澤征爾だ。小澤盤では「メロディーとリズムの微妙なせめぎ合い」は殆ど感じられない、メロディーを奏するソロ奏者の手足を縛ったストイックさにこそあるといえる。1963年のラヴィニア音楽祭での共演以来、頻繁に共演を繰り返していたシカゴ交響楽団というこの上ないパートナーを得て、若き小澤がこの名門オケを大胆にリードし、この上なく新鮮でみずみずしい、颯爽とした「シェエラザード」に仕上がっている。斯様にポテンシャルの高いシカゴ交響楽団だが、自分の思うがままに統制し得た若き小澤の力量はやはり刮目すべきものが有ろう。アグレッシヴで瑞々しい感性を持ち合わせていた頃の芸風を知るには恰好の一枚。1969年2月録音。
FR  VSM  C069-02014 小澤征爾 リムスキー=コルサ…
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