34-11814

商品番号 34-11814

通販レコード→仏カラー・スタンプ・ドッグ盤

ロストロポーヴィッチは、音楽の巨人であったばかりでなく、文化人としても高くそびえ立ち、良心の光として、人生を最大限に生き、無数の人々に励ましを与えました。彼はかげかえのない存在でした。 ― とEMIグループCEOが語っていたというが、彼の録音遺産は比類なきものであり、スラブの不屈の精神が永遠に宿るそれらの文化的至宝とまで言い切っています。半世紀に亘り至高のチェリストとして君臨したカザルスの後継者としてロストロポーヴィチの残した功績は計り知れません。チェロ演奏を超えて彼方にまで広がっています。ハイドンのチェロ協奏曲は、ベートーヴェンやブラームスにチェロ協奏曲の作曲がなかったせいもあり、作曲史上、シューマン、ドヴォルザークのチェロ協奏曲に次ぐ存在だと見られている。本盤は、ハイドンのチェロ協奏曲第1番と2番。演奏はムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロと指揮)とアカデミー室内管弦楽団(リーダーは、アイオナ・ブラウン)、1975年11月のアビーロード・スタジオでのEMI録音です。彼が旧ソ連から出国した1974年の翌年だということになり、この時期ロストロポーヴィチは、このハイドンのほか、レナード・バーンスタイン指揮フランス国内管弦楽団とのシューマン「チェロ協奏曲」とブロッホ「シェロモ」や、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団とドヴォルザーク「チェロ協奏曲」も録音しています。これらの録音に共通して感じられることですが、ロストロポーヴィチは、それまでの旧ソ連下の自由を抑圧された体制から解放された直後のせいか、その実力を思う存分発揮し、やりたい放題やっています。時にはやり過ぎと感じられることもあるほどです。本盤のハイドンでも、もっと端正な演奏の方が作品本来の姿を伝えるものなのかもしれません。しかしロストロポーヴィチはそんなことはおかまいなし、大きくヴィブラートをかけ、朗々と歌い、思う存分自己主張します。特に両曲の緩徐楽章での歌い回しはまさに「ロストロ節」です。ベンジャミン・ブリテンとの録音もありますが、第1番ハ長調 Hob.VIIb:1のカデンツァはブリテン、第2番ニ長調 Hob.VIIb:2のカデンツァをロストロポーヴィチ自身が書いている。両曲とも急・緩・急の3楽章構成を取っており、古典的な形式美を感じます。思わず口ずさみたくなる親しみやすいメロディに溢れています。そして両曲とも終始独奏チェロが活躍し、チェリストとしては腕の見せ所が多い。第1番が明るく楽しいのに対し、2番はのどかで落ち着いたたたずまいで、これら両曲の内容的な性格は異なっている。また第2番は、第1楽章は途中で転調するなど表情豊かで、第2楽章も叙情的な美しさを持ち、なかなかの佳曲ではないでしょうか。また第1番の第3楽章はまるでスポーツカーをすっ飛ばして行くような鮮やかな技巧で、カッコイイと感嘆させられます。このように随所にロストロポーヴィチらしい演奏を楽しむことができ、ニヤリとさせられる1枚です。
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  • Record Karte
  • 1975年11月15〜16日ロンドン、アビー・ロード第1スタジオでのステレオ(セッション)録音
  • FR  VSM  C069-02767 ロストロポーヴィチ ハイドン…
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Cello Concertos 1 & 2
Haydn
EMI Classics
2000-01-20

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