FR 	PHILIPS 	6514 316	シフ 	エルガー・チェロ協奏曲
通販レコード→仏レッド白文字盤 ― Trésors Classiques

FR PHILIPS 6514 316 シフ エルガー・チェロ協奏曲

商品番号 34-9087
昨日BSで観た映画「奇跡のシンフォニー」のラスト主人公の少年の母親が最初にステージに上がり演奏しているのはエルガーのチェロ協奏曲。この協奏曲は可哀想なジャクリーヌの印象が強い。地下鉄で手間を食った少年は、その母親の演奏は聴いていない。同時間に父親はロックのライヴを近くで開いていた。オーガスト・ラッシュの「8月のラプソディ」はリズムと音響、断片的に耳あたりの良い響きの音楽で導入するが、これが母親の胎内で聴こえていた音なのだと後で気付かされる。母親は演奏を終え会場をさろうとしているところだったが、第2楽章に曲が進み、バッハのメロディを引用したチェロとギターのリズムに足を止める。同時にライヴを終え、車で移動中の父親の耳にも止まる。オリジナルのタイトルは「August Rush」。2007年公開のアメリカ映画。主演は『チャーリーとチョコレート工場』で知られるフレディ・ハイモア。ニューヨーク近郊の孤児院で暮らすエヴァンは、両親が必ず迎えに来ると信じているものの、11歳になるまでその願いがかなう事は無かった。ある日不思議な音に導かれるように彼は孤児院を抜け出してしまう。たどり着いたマンハッタンで様々な出会いを経てエヴァンは音楽の才能を開花させる。一方エヴァンは死んだと思っていた彼の母ライラ、そしてライラと結ばれること無く一時は悲嘆にくれていた父ルイスも音楽に導かれるかのようにマンハッタンへ向かう。エヴァンス少年は絶対音感を持ち、みんなとは違ったものに世界の物音が聞こえている。(未完、又の機会に完成します)。デジタル録音盤が登場してきた1980年代初頭は、ネヴィル・マリナーとアンドレ・プレヴィンのレコーディング活動は傑出していた。そのレパートリーは過去のオーケストラレパートリーを網羅する勢いだった。マリナー指揮フィルハーモニア管弦楽団のレコードは、セッションを用意するためのレコード会社の方策でもあったと思う。録音に編成されたオーケストラという印象が色濃かった。
耳元でやさしく語りかけるようなアプローチ ― 的確な技術に支えられて堅牢な中にも詩情あふれる音楽が展開されている。 ― ネヴィル・マリナーはマーティン弦楽四重奏団でヴァイオリン奏者を務めた後、古楽の権威でもあったサーストン・ダートとジャコビアン・アンサンブルを結成し、バロック音楽に主眼を置いて活動しました。当初、イートン校でヴァイオリンを教えていましたが、そのかたわらで大指揮者ピエール・モントゥーの学校で指揮を学んだのち、1952年フィルハーモニア管弦楽団に入団、その後1956年から1968年まで、ロンドン交響楽団の第2ヴァイオリン首席奏者を務めました。この間、トスカニーニ、フルトヴェングラー、カラヤン、モントゥーなどの名指揮者のもとで経験を積みました。ほどなくロンドン交響楽団在籍中の1959年にロンドン中心地トラファルガー広場脇にある教会を拠点とするアカデミー室内管弦楽団( Academy of St. Martin-in-the-Fields ) を結成、以後、半世紀以上に渡って得意のバロック音楽から新ウィーン楽派作品まで、室内オーケストラの多彩なレパートリーを展開しました。マリナーとアカデミー室内管弦楽団の最初の四半世紀に録音したレーベルは argo レーベルが主体で、そのほか DECCA とオワゾリール、ASV レーベルからの発売もあります。argo とオワゾリールは早い段階で DECCA に吸収され、ASV も2007年にユニバーサル・ミュージックの傘下となりました。アカデミー室内管弦楽団との膨大な録音により、マリナーの指揮者としての名声が高まると世界各地への演奏活動も本格化しました。マリナーが音楽監督を務めた1984年制作の映画「アマデウス」ではサウンドトラックの指揮も務め、3部門のグラミー賞を獲得したほか、サウンドトラック盤はベストセラーとなりました。1970年代に旧フィリップス(現DECCA)にモーツァルトの初期交響曲集を録音し、高い評価を得たことから後期交響曲集も録音してマリナー&アカデミー単独による交響曲全集を完成しました。これは当初はクリップス指揮の後期交響曲集とともに全集を構成していた企画で、ブレンデルとのモーツァルト協奏曲全集録音も、当初は有名作品のみの録音だったものが好評により15年をかけて全集に発展したものです。イギリスの名指揮者サー・ネヴィル・マリナーは2016年4月、手兵アカデミー室内管弦楽団と来日公演を行ったのが最後となった。1924年4月15日、イングランド中部のリンカーン生まれ。ロンドン王立音楽院でヴァイオリンを学び、パリ音楽院でルネ・ベネデッティに師事。マリナーはヴァイオリニストだけあって弦楽の扱いがとてもうまく、繊細な音も力強い音も自在であり、少人数管楽器ならではの克明な表現がそこに加わって、実に心地よい演奏を聴かせてくれます。当初は弦楽器だけのアンサンブルで、バロック音楽をレパートリーの中心としていましたが、次第に管楽器も加えて古典派交響曲の演奏を行うようになりました。特に最初の四半世紀の彼らの演奏は、その機動力抜群のスタイルもあり、スコアを的確に鮮やかに表現するだけでなくエネルギッシュで小気味の良い音楽を聴かせてくれるのが魅力的です。録音もバロックから英国近代ものまで多岐にわたり、優秀録音に支えられてリリースするレコードは確実にセールス枚数を消化したことからも、トーマス・ビーチャムの後継者のような存在。ここでは手兵のアカデミーではなく、ドレスデン・シュターツカペレを指揮して、抜群のリズム感と作品の様式感を大切にした演奏で人気を博したシフを見事にサポートしていて楽しめる。
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ドイツ・オーストリア系のチェリストの中でも実力・人気ともにナンバーワンのチェリストとして世界的に活躍したハインリッヒ・シフ。彼の使用するチェロは名器中の名器で、1781年製の『ガリアーノ』と、1698年製の『ストラディヴァリウス』。ガリアーノはツヤっぽく鋭い音で、ストラディバリウスは暖かくて深みのある音で音量が豊かです。ハインリヒ・シフは1951年11月18日、オーストリアのグムンデンに誕生。6歳からピアノを始め、チェロは9歳から習い始め、1967年にウィーン音楽アカデミーでトビアス・キューネに師事し、のちにアンドレ・ナヴァラの教えも受けています。ジュネーブ、ウィーン、ワルシャワなどのコンクールでの入賞を経て、1972年、オーストリアのグラーツで国際現代音楽協会(ISCM)が取り仕切って開かれた国際現代音楽祭で病気のムスティスラフ・ロストロポーヴィチの代役としてルトスワスキのチェロ協奏曲を演奏して「俺って天才なんだよな~~イェーイ!どんどん弾けるぜ。上手いっしょ」、といった風なロストロポーヴィチの代役で大成功というのは、その後のシフの進んだ音楽道からは意外だが。 ― 大絶賛を博し、これにより彼の名が世界に知れ渡るようになる。以後、世界的な演奏活動を展開しますが、やがて指揮にも情熱を傾けるようになり、ハンス・スワロフスキーの教えを活かして1986年には指揮者デビューを果たし、以後はチェロと指揮半々の活動を展開、ブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者などを経て、1990年から1996年までイギリスのノーザン・シンフォニアの首席指揮者を務め、1995年から2001年まではヴィンタートゥール・ムジークコレギウムの首席指揮者、1996年から2000年まではコペンハーゲン・フィルの首席指揮者を兼任するほどの多忙さでした。各国のオーケストラの要職をこなし、チェロと半々の多忙な生活を送っていました。2005年にはウィーン室内管弦楽団の首席指揮者に就任していますが、2008年には脳卒中に倒れて辞任、しかし、バッハ作品の演奏をイメージした懸命なリハビリなどによって回復し、翌2009年にはリンツ・ブルックナー管弦楽団の首席客演指揮者となっていましたが、2012年にはソリストとしての活動を停止、以後は指揮に専念していました。オーストリアのチェロ奏者で指揮者のハインリヒ・シフがウィーンの病院で亡くなったのは2016年12月23日。まだ65歳でした。“エルガーだから高貴”といった単純な図式ではなく、思わせぶりでない懐の深さといったものと、底強い力を感じる。 ドレスデンの音色と相まって、エルガーの“赤いバラ”を体現しているのは間違いなくマリナーであり、シフのソロはきわめて柔らかくて、チャーミングである。マリナーともども上品なエルガーで彼にピッタリだ。1982年6月のセッション、ステレオ・デジタル録音。
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