FR PHILIPS  6514 071 ハインリヒ・シフ ドヴォルザーク・チェロ協奏曲
通販レコード→仏ダーク・レッド・ラベル銀文字盤

FR PHILIPS 6514 071 ハインリヒ・シフ ドヴォルザーク・チェロ協奏曲

商品番号 34-13966

耳元でやさしく語りかけるようなアプローチ ― 的確な技術に支えられて堅牢な中にも詩情あふれる音楽が展開されている。》オーストリアのチェロ奏者で指揮者のハインリヒ・シフが2016年12月23日、ウィーンの病院で亡くなられました。まだ65歳でした。心よりご冥福をお祈りいたします。抜群のリズム感と作品の様式感を大切にした演奏で人気を博したシフは、ドイツ・オーストリア系のチェリストの中でも実力・人気ともにナンバーワンのチェリストとして世界的に活躍しました。手垢にまみれきった、この大曲は、ここぞと大ぶりの気迫を聴かせる演奏がある一方で、シフは、どのパッセージも決してこれ見よがしに弾いたりしません。非常に端正な構成力で音楽全体を解釈して聴かせる。例えば、第1楽章の第1主題と第2主題の対比が素晴らしい。やわらかくのびやかな音で素晴らしく奏でられる、美しい第2主題での彼の語り口は、耳元でやさしく語りかけるようなアプローチでうっとりする。こんなにこのコンチェルトを安心して聴けることはなかなかありません。彼の使用するチェロは名器中の名器で、1781年製の『ガリアーノ』と、1698年製の『ストラディヴァリウス』。ガリアーノはツヤっぽく鋭い音で、ストラディバリウスは暖かくて深みのある音で音量が豊かです。ハインリヒ・シフは1951年11月18日、オーストリアのグムンデンに誕生。6歳からピアノを始め、チェロは9歳から習い始め、1967年にウィーン音楽アカデミーでトビアス・キューネに師事し、のちにアンドレ・ナヴァラの教えも受けています。ジュネーブ、ウィーン、ワルシャワなどのコンクールでの入賞を経て、1972年、オーストリアのグラーツで国際現代音楽協会(ISCM)が取り仕切って開かれた国際現代音楽祭で病気のムスティスラフ・ロストロポーヴィチの代役としてルトスワスキのチェロ協奏曲を演奏して 俺って天才なんだよな~~イェーイ!どんどん弾けるぜ。上手いっしょ、といった風なロストロポーヴィチの代役で大成功というのは、その後のシフの進んだ音楽道からは意外だが。 ― 大絶賛を博し、これにより彼の名が世界に知れ渡るようになる。以後、世界的な演奏活動を展開しますが、やがて指揮にも情熱を傾けるようになり、ハンス・スワロフスキーの教えを活かして1986年には指揮者デビューを果たし、以後はチェロと指揮半々の活動を展開、ブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者などを経て、1990年から1996年までイギリスのノーザン・シンフォニアの首席指揮者を務め、1995年から2001年まではヴィンタートゥール・ムジークコレギウムの首席指揮者、1996年から2000年まではコペンハーゲン・フィルの首席指揮者を兼任するほどの多忙さでした。各国のオーケストラの要職をこなし、チェロと半々の多忙な生活を送っていました。2005年にはウィーン室内管弦楽団の首席指揮者に就任していますが、2008年には脳卒中に倒れて辞任、しかし、バッハ作品の演奏をイメージした懸命なリハビリなどによって回復し、翌2009年にはリンツ・ブルックナー管弦楽団の首席客演指揮者となっていましたが、2012年にはソリストとしての活動を停止、以後は指揮に専念していました。
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