34-19741
通販レコード→仏オレンジ・ラベル盤

FR DECCA SXL6.325 メータ シェーンベルク・浄夜


商品番号 34-19741

《食わず嫌いならぬ、聴かず素通りは音楽好きの名折れの一枚。ストレートに楽しむだけで心地良い。》レコードのステレオ録音は、英国 DECCA が先頭を走っていた。英 DECCA は、1941年頃に開発した高音質録音 ffrr の技術を用いて、1945年には高音質 SPレコードを、1949年には高音質 LPレコードを発表した。その高音質の素晴らしさはあっという間に、オーディオ・マニアや音楽愛好家を虜にしてしまった。ステレオ録音黎明期(れいめいき)1958年から、FFSS ( Full Frequency Stereo Sound )と呼ばれる先進技術を武器に、数多くの優秀なステレオ録音のレコードを発売し、アナログ盤時代の高音質録音の代名詞的存在として「ステレオはロンドン」というイメージを決定づけ君臨しつづけた。1958年より始まったステレオ・レコードのカッティングは、世界初のハーフ・スピードカッティング。 この技術は1968年ノイマン SX-68 を導入するまで続けられた。本盤は、その1967年の録音、暮れの発売。英盤はワイドバンド "ORIGINAL RECORDING BY" が初版(SXL 6325)。翌年には "MADE IN ENGLAND BY" にラベルが変わっているので評判のほどが分かる。当時、メータ指揮、ロスアンジェルス・フィルのコンビはモダンなレパートリーを DECCA の優秀録音を武器に次々に録音して、「惑星」「春の祭典」など大ヒット作を続出していた。シェーンベルクらしい壮絶なまでにの美しさを、ストレートに楽しませてくれる演奏となっている。20世紀の斬新な響きの音楽が、聴き慣れた名曲に仕上がっているから、さて不思議。メータとロス・フィルのコンビのポテンシャルを思い知らされた一枚。勿論、DECCA の優秀な録音技術も絡んでいますから凄い録音です。デーメル作品を出典にする《浄夜》は、あけすけに性を主題とするので、波紋を呼んだ。《浄められた夜》とも言い文学的なる響きだけど、音楽はいやらしいくらいにネットリと甘やか。一組の男女が、冬の凍てついた月夜、林の中を逍遥している。女が男に妊娠を告げる。「私、赤ちゃんが出来たの、でもあなたの子ではないの!」。男はそれを受け入れ、二人の愛は浄化していく。そういう標題的なストーリー性のある1899年の文字通り世紀末の作品。世紀末、世の終わりの逼迫した興奮と熱情が絡み合って、本当にロマンテックな雰囲気に満ちている。複数の細い線が織りなす旋律が、オーケストラとしてのマスとなると官能的にうねり、時に叫んだり、むせび泣いたりする。演奏そののもはテンポは遅め、構えが大きくシンフォニックな響きが充満した演奏でありながら、存外リズムはシャープであり、荒れ場でも手綱をゆるめず、音楽的な緊張感が最初から最後まできちんと持続しているフレッシュなアプローチ。もともとは弦楽六重奏の《浄夜》ですが、肥大した管弦楽編成の瀟洒(グラマラス)な響きに身を委ねているだけでも心地よい。
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  1. FR DEC SXL6.325 メータ シェーンベルク・浄夜
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商品名FR DECCA SXL6.325 メータ シェーンベルク・浄夜