34-19590

商品番号 34-19590

通販レコード→独ブラック銀文字ETERNA盤

マルケヴィチの熱烈なファン向け ― 懐かしゅうございます。キレとコクのある表現は、鬼才と呼ばれるに相応しいイーゴリ・マルケヴィチの代表盤。レコード芸術誌推薦となってもいた、昔から名盤として知られている「展覧会の絵(ラヴェル編)」「禿山の一夜(リムスキー=コルサコフ編)」。ただし!である。両曲とも初めて聴く人には向かないように思う。LP初出当時、ピエール・デルヴォーがハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団を振ったメンデルスゾーンと共に、先入観のない聴き手には推せないが、でも実は名演だった所謂マニア物でした。洗練された響きで編曲されているとはいえ、ムソルグスキーの特異な才能を見事に表出し尽くしたマルケヴィッチの演奏は、強く印象に残る。マルケヴィチ(1912~1983)はキエフ生まれ、貴族だったために家族は、ロシア革命を逃れスイスに移住、音楽の教育はパリで受けたという国際派の大指揮者。妥協のない性格のため実力の割にはポストに恵まれず、ラムルー管弦楽団やモンテカルロ歌劇場管弦楽団、ハバナ・フィルハーモニー管弦楽団といったニ流どころのオーケストラの音楽監督に甘んじ、1970年代以降はフリーの立場で世界中のオーケストラに客演する傍ら、ベートーヴェンの交響曲の校訂に心血を注ぎました。録音は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団やロンドン交響楽団といった名門オーケストラを振って数多くの録音が残っています。マルケヴィチが世界最古の名門オーケストラ、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団を自在にドライヴ。オーケストラの伝統の底力と〝両〟巨匠の職人的実力を堪能できるとゲヴァントハウス管もヴァーツラフ・ノイマン、クルト・マズア時代よりもレヴェルは上だったのでしょう。厳しさに満ちた妥協を知らないマルケヴィッチの芸風は、時代やオーケストにより解釈も随分と変化しました。 なるほど、プロムナードのトランペットから独特の味がある音楽が聴こえてくる「展覧会の絵」。 同じムソルグスキーの「禿山の一夜」もなかなか良い。ゲヴァントハウス管を掌握した、マルケヴィチの爽快な演奏が楽しめる。冒頭の「プロムナード」のトランペットにはアクセントをことさら強調させ、「チュイリー」は極端に遅く、「ヴィドロ」の冒頭は、聞こえないほどの弱音から始まり、次第にクレシェンドをかける。曲全体の見通しが良く、「プロムナード」を、間奏曲的な扱いではなく、次の曲を予感させる前奏曲的として演出を施し、「カタコンブ」以降は、次第にテンポを上げて曲を締めくくるところなど、さすがに大人の音楽。柔らかなオーケストラの響きと教会での残響の多い録音のため、音質はなかなかの物でした。
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ステレオ初期盤は、まず英国プレス盤に人気が集中します。体系的コレクターが多く、コンディションが良好なこともありますが、今でもDECCAの2,000番代、コロンビアSAXのブルー・シルバー、H.M.V.のゴールド・ニッパーなどは無条件で良い値段で取引されています。対して東独ETERNA盤は一部を除き、今でも安価に入手できます。それは東ドイツは共産圏だったため、外部に作品が流出していない事も大きな要因だったでしょう。また、前述英国メジャー・レーベルと比べても、メロディア、オイロディスク、ドイツ・グラモフォン、EMI、フィリップスの録音をETERNAでリリースしていることでカタログの豊富さはETERNAが上で、共同で録音したもの、提携レーベルのマスターをライセンスしてETERNAでカッティングしたものなど、リリース枚数も圧倒的に多いのです。ETERNA x xx xxxというメインの型番だけでも数千種類はあるらしいです。これも特定の人気盤以外となると安価で入手できる要因になっているはずです。1960年代の英コロンビア盤と比べて聴くと、実体感は英初期盤に軍配が上がることもありますが、総じてETERNA盤がレンジが広くスッキリしています。録音、カッティング技術も優れており、他レーベルと同一作品がある場合、ETERNAの方が良いケースも多々あります。なによりカッティングが優れているので、トレースが素直です。ETERNAがステレオ盤に移行するは、他レーベルよりも遅く、1960年代後半からと言われています。黒字に銀文字のレーベルがステレオ初期盤で、1980年くらいまでこのデザインが有ります。また、黒レーベルが初出だったとしても、2版が黒レーベルエディションの場合もあれば、青レーベルもあります。8 26番代後半では「ETERNA EDITION」が初版になるようです。
ムソルグスキー:展覧会の絵、禿山の一夜           
イーゴリ・マルケーヴィチ指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
キングレコード
2011-10-05

1973年5月14~18日ライプツィヒ、贖罪教会でのドイツ・シャルプラッテンによる録音。
DE ETERNA 8 26 449 イーゴリ・マルケヴィチ ムソグ…
DE ETERNA 8 26 449 イーゴリ・マルケヴィチ ムソグ…
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