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地震は何のために起こるのか。

深層心理を探求したような内省的で晦渋な《交響曲第4番》。帝王カラヤンのシベリウスは、素晴らしく美麗なサウンドによるゴージャスなシベリウス演奏。

地震は何のために起こるのか。〉 ― そのような問答のような音楽で、シベリウスを聞こうと「北欧の白夜の音楽」というイメージに拘泥されてはいけない。フィンランディアを気に入り、同じく北欧のグリーグの音楽に似た世界を期待し、楽しんでみようと言うのなら交響曲ではまず第2番、第5番、第7番の順番でシベリウスの民族的・古典的な部分に留めるのが良い。レコード店の主や先達がカラヤンなら第4番だとか、カラヤンが得意として演奏会で度々演奏した第6番を挙げるだろうが避けるべし。この作品は、シベリウス自身の指揮で初演された。当時シベリウスの名声は固まっていましたから聴衆の多くは期待をもって集まったが、評論家も含めてどんなリアクションをとっていいものやら大いにとまどったそうです。時が経ち、シベリウス研究の権威であるセシル・グレイ(Cecil Gray, 1895〜1951 イギリスの作曲家で評論家。1935年に出版した「シベリウス 七つの交響曲」は翻訳もされている有名著作)が、「最初から最後まで、余分な音符は一つとしてない」とのたまい、交響曲第7番と並ぶ最高傑作という御宣託もあって評価が固まったという経過があります。

シベリウスもカラヤン得意のレパートリー。10年ほどおきに交響曲録音を行なっていますが、これはステレオになってから、ベルリン・フィルとは初のシベリウス交響曲録音のひとつです。

カラヤンのシベリウスは、1950年代にフィルハーモニア管弦楽団とイギリスEMIに、1960年代はベルリン・フィルと、ドイツ・グラモフォンに、カラヤン指揮者コンクール出身の当時新進のオッコ・カムと、初期と後期の交響曲振り分けて録音。最後は1970年代後半から80年代初頭にかけてEMIにベルリン・フィルで、録音している。このヘルベルト・フォン・カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1976年版)の演奏は、暗い暗い、深い森の中。その森がフィンランドの森なのか、ドイツの森なのか、どこの森なのかはわからないのですが、光はあまり差し込んでこなく暗い。音も余計な音は聴こえず静か。この森がどのくらいの広さなのか出口は近いのか、どちらにあるのか、見上げる空模様に慣れてくると『怖い』気はしなくなっている。自然への脅威に鈍くなってしまうというのか、この曲の音響だけが存在する凄味は類似している。熊本地震は熊本県民に掛け替えのない経験値を与えた様に、この《交響曲第4番》からシベリウスの独特の音楽が更に深まっていくのだろうなと感じます。


  • Record Karte
    • 1965年2月26-27日,5月12日(第4番)、9月18-21日(トゥオネラの白鳥)、ステレオ録音。ゲルハルト・シュテンプニク(コール・アングレ)
    • ダーレン、イエス・キリスト教会
    • ギュンター・ヘルマンスによる、優秀録音、名演、名盤。

販売レコードの写真

  1. DE DGG SLPM138 974 ヘルベルト・フォン・カラヤン …
  2. DE DGG SLPM138 974 ヘルベルト・フォン・カラヤン …

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シベリウス:交響曲集、ヴァイオリン協奏曲、他
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Sibelius: Symphonies & Tone Po
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