通販レコード→チューリップ盤
DE DGG SLPM138 077 スヴャトスラフ・リヒテル シューマン・ピアノ曲集
商品番号 34-18220
リヒテルのピアノソロは隔絶した高みにいるので、その内面からくる音楽解釈の深さと卓越した技巧により常に私たちを魅了し続けており、現在でも多くの音楽ファンは楽曲の本質的な演奏をリヒテルに求めています。1956年、ドイツ・グラモフォンはプラハに赴き、リヒテルによるシューマンの作品を録音しました。この録音が大成功だったため、さらにリヒテルのレコードを作りたいと考えましたが、当時リヒテルは西側への演奏旅行をまだ許されておらず、1959年、録音チームをワルシャワに送り、ここに収められたシューマンの(ピアノ協奏曲イ短調 op.54、序奏とアレグロ・アパッショナート ト長調 op.92、ノヴェレッテ ヘ長調 op.21-1、トッカータ ハ長調 op.7 )録音が完成。傑出した演奏は時代を超えて輝き続けています。リヒテルのピアノ演奏は、西側にデビューして間もない時期の録音なので、技術的にも全盛期ながら、むらっけのあるピアニストの姿が良く反映していてシューマネスクな香りの漂うピアニズムが魅力。シューマンの音楽が全体に一段も二段も止揚した高みに聴こえて来るから不思議。まさに白熱の演奏で、リヒテルのピアノがオーラを発しているようだ。そのオーラを披露されているからファンには堪ったもんではない。リヒテルはシューマンのピアノ協奏曲を気に入っており、その理由については『正確に何が、ということははっきり言えないのだが、でも何か本質的な部分、詩的な部分が欠落しているのだ…』と自伝に吐露している。その部分的欠落感がシューマンの音楽であり、リヒテルは模索しながら、その欠落感を補おうとしている。そんなところが伝わってきて聴いていて熱くなってくる。リヒテルはレパートリーは広かったが、演奏する曲は限られている。これはグールドが完璧な曲を自分が演奏するものではないと録音しなかったことに近い動機ではないだろうか。
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