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永遠の歌姫 ― ウグイスのような歌声。

コロラトゥーラの女王 ― 「ウィーンのナイチンゲール」と呼ばれ、その美しい声が愛されたソプラノ、リタ・シュトライヒ(Rita Streich, 1920.12.18〜1987.3.20)。12月は稀代の歌姫の生まれ月。生誕は100年を超え、2027年に没後40年を迎える。
彼女はドイツ人の父とロシア人の母を持ち、幼い頃からドイツ語とロシア語を自由に話すことができたそうです。ドイツの歌劇場で名声を得たソプラノ歌手なら避けて通れぬモーツァルト。コロラトゥーラ・ソプラノの発揮どころであるベルカントオペラの傑作、ドニゼッティの歌劇《ランメルモールのルチア》の狂乱のアリア。そして、ロシア・オペラの名作、リムスキー=コルサコフの《金鶏》を原語のロシア語でほとんど訛りなく歌い上げ。締めはニコライの《ウィンザーの陽気な女房たち》からのアリアと色とりどりで、全欧を一世風靡した技巧的なパッセージも軽々とこなし、透明感溢れるクリスタル・ヴォイスで魅了する歌唱が目一杯詰まっている逸品。
オペラ歌手としてのデビューはリヒャルト・シュトラウスの楽劇『ナクソス島のアリアドネ』のツェルビネッタであり、以降、そのコロラトゥーラをいかし、ベルリンの歌劇場、バイロイト、ウィーン、ミラノへと活躍の場を広げ、リヒャルト・シュトラウスやモーツァルトをはじめ、愛らしい民謡などでも素晴らしい歌唱を聴かせたことで知られています。
人間業じゃない。とシュトライヒのコロラトゥーラに驚いて楽しむ向きには、何も言葉はない。『奇跡の神声』と賞賛値する歌手は、今の日本にはいないだろう。現代のソプラノ歌手は声も技巧も素晴らしい人も多いが、「名花」の名を捧げられるのはシュトライヒだけだろうと信者にはいわれている。1950年代、当時最高のコロラトゥーラ・ソプラノと称えられ、現在でも今日まで彼女を凌ぐ歌手は出ていないとまで賞賛されるリタ・シュトライヒ。
私はリタ・シュトライヒの声で初めて女性というものを知ったという有名評論家のことばが評している通り彼女は、特別だ。全盛期のドイツ・グラモフォンのモーツァルト、ウェーバー、リヒャルト・シュトラウスなどのオペラの全曲録音に参加。さらには、歌曲アルバム、民謡集、オペラ・アリア集などのソロ・アルバムを録音し、1950年から1960年代にかけて最も魅力的なソプラノとして世界の音楽ファンを魅了しつづけました。
曲目
    1. モーツァルト:フィガロの結婚 ~ 愛の歓びよ早く来い
    2. ドニゼッティ:ランメルモールのルチア ~ 狂乱の場・彼の優しい声が
    1. ドニゼッティ:ランメルモールのルチア ~ あたりは沈黙にとざされ
    2. リムスキー=コルサコフ:金鶏 ~ 太陽への讃歌
    3. オッフェンバック:ホフマン物語 ~ ドールズ・ソング
    4. ニコライ:ウィンザーの陽気な女房たち ~ さあ早くここに、才気、陽気な移り気
  • Record Karte
  • 旧ソビエト生まれながら、戦後はウィーン歌劇場で活躍したリタ・シュトライヒ。ドイツ圏を代表する不世出のコロラトゥーラの美しい高音が堪能できる一枚。入手困難な赤ステレオ・ロゴ・ジャケットのオリジナル盤です。

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Rita Streich: The Best of Opera and Concert
Rita Streich
DOCUMENTS
2012-09-28


リタ・シュトライヒの芸術
シュトライヒ(リタ)
ポリドール
1992-12-10


世界の民謡と子守歌
ルドルフ・ラーミイ聖歌隊
ユニバーサル ミュージック クラシック
2010-02-24


Rita Streich Sings Immortal Melodies (Dig)
Streich, Rita
Deutsche Grammophon
2007-03-13


Saenger Der Wiener Sta
Various Artists
Preiser Records
2005-11-29

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