34-17547
商品番号 34-17547

通販レコード→独ブルーライン盤 DIGITAL STEREO
斬れ味鮮烈。 ― 39歳で早世した親友の画家・建築家、ヴィクトル・ハルトマンの遺作展から得た霊感がよほど強かったのか、遅筆の作曲家で知られるムソルグスキーが異例の早さで書き上げたピアノ独奏のための組曲を、管弦楽の魔術師ラヴェルが管弦楽曲にして有名になった《展覧会の絵》。ピアノ曲の序曲でしかない「プロムナード」の旋律を、ラヴェルは様々な楽器の組み合わせで各曲の間で再び登場させて、会場を移動しながら変化していく心情を音楽に表現している。共感したラヴェルが盛り込んだアイデアは編曲の粋を出ていて、この名曲は共作と言ってもいいでしょう。そのアイデアが世界のオーケストラ、指揮者にインスピレーションを与えて解釈も様々、ムソルグスキーの生前は演奏も出版もされなかったのに、有名盤は数多く、なかでも本盤はラヴェルの魔術を忠実に音にした名盤です。作品のもつ民族的色彩と独特のリズムを明快に表現することで、ロシア音楽の大きな流れを感じさせる名演奏が実現した。イタリアの人、クラウディオ・アバドの指揮者人生は、まさに輝きに満ちたものだった。ロンドン交響楽団からウィーン国立歌劇場音楽監督を経て、ほどなくして、ベルリン・フィルハーモニー芸術監督に就任。そのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団でも《展覧会の絵》の録音があり、そちらの方が良く聴かれているようですが。あなたにとってアバドの音楽はミラノ・スカラ座、シカゴ交響楽団、そしてルツェルン祝祭管弦楽団で聴かせてくれた音楽でしょうか。その心底音楽を指揮を楽しむ表情に生命の根源の活力は生涯一貫していたことをアバドの録音からは感じられるので、どれが良いかは断じませんが英Deccaに録音した、ヤナーチェクの《シンフォニエッタ》(1969年盤)でのアバドの得意な歌うピアニシモ、その反面のダイナミクスの幅の大きさ。たたみかけるような迫力や抜群なテンポ感が、この《展覧会の絵》に共通して言えます。それまでのアバドの代名詞だったロシア音楽。アンサンブルは優れており、ブラスの充実は申し分なし。トランペット・ソロの堂々とした「プロムナード」に続く「小人(グノーム)」の斬り込むような弦楽器の扱いなどは、まさに当時のアバドの指揮流儀。ムソルグスキーの音楽に正面から本腰を入れて立ち向かっているので、思わず息を呑む場面もありました。全体に渋い音調で実に鮮烈な印象を記憶に残すでしょう。一方、ラヴェルの《ラ・ヴァルス》は遊び心を幾らか持ったもの。アバドはロンドン響とはラヴェルやドビュッシーといったフランス音楽も好んで取り上げていました。アバドの指揮にあった意欲的、挑戦的なアプローチは、こちらでも健在。ロンドン響の演奏能力を最大限に開花させた演奏の一つがこの《ラ・ヴァルス》と言えます。
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クラウディオ・アバド(Claudio Abbado)は1933年6月26日、イタリア・ミラノ生まれの指揮者。ヴェルディ音楽院の校長を務めた父のもとで育ち、1954年からウィーン音楽アカデミーで学ぶ。父のミケランジェロ・アバドはイタリア有数のヴァイオリンの名教育者であり、19歳の時には父と親交のあったトスカニーニの前でJ.S.バッハの協奏曲を弾いている。オペラ監督のダニエル・アバドは息子、指揮者のロベルト・アバドは甥である。1959年に指揮者デビューを果たした後、ヘルベルト・フォン・カラヤンに注目されてザルツブルク音楽祭にデビューする。ベルリン・フィルやウィーン・フィル、シカゴ、ドレスデンなどの桧舞台に早くから客演を重ね、確実にキャリアを積み重ねて、1968年にミラノ・スカラ座の指揮者となり、1972年には音楽監督、1977年には芸術監督に就任する。イタリア・オペラに限らず広大なレパートリーを高い質で提供しつつ、レコーディングにも取り組んだ。1990年、マゼールなど他に様々な有力指揮者らの名前が挙がった中、カラヤンの後任として選出されベルリン・フィルハーモニー管弦楽団芸術監督に就任し、名実共に現代最高の指揮者としての地位を確立した。アバド時代のベルリン・フィルについて、アバドの音楽的功績や指導力については評価はかなり様々であるが、在任年間の後期の成熟期におけるベルリン・フィルとの録音として、ベートーヴェン交響曲全集(2回目・3回目)や、ヴェルディのレクイエム、マーラーの交響曲第7番・第9番、ワーグナー管弦楽曲集、等々がある。現代音楽もいくつか録音されており、世界最高の名器たる実力を余す所なく披露している。楽曲解釈は知的なアプローチをとるが、実際のリハーサルではほとんど言葉を発さず、あくまでタクトと身体表現によって奏者らの意見を募る音楽を作っていくスタイルだという。その点がアルゲリッチの芸風と相性が良いのだろうか、マルタ・アルゲリッチとも多くの録音がある。比較的長めの指揮棒でもって描かれる曲線は力強くかつ繊細であり、自然なアゴーギクとともに、色彩豊かな音楽を表現するのが特徴である。
原典版の「禿山の一夜」や「ボリス・ゴドゥノフ」やショスタコーヴィチ版の「ホヴァーンシチナ」のレコーディングを行うなど、ムソルグスキーフリークとしても有名である。イタリアの歴代マエストロはなぜか「展覧会の絵」を得意にしてきた。アルトゥーロ・トスカニーニやリッカルド・ムーティがラヴェルの華麗なスコアをイタリア歌劇のように朗々と鳴らしたのに対し、カルロ・マリア・ジュリーニやクラウディオ・アバドはムソルグスキーの心情を見つめつつ、フランス音楽の洗練の部分に重きを置いた。ムソルグスキーが作曲したのは周知の通りピアノ曲。1874年冬のロシア・サンクトペテルブルク。ムソルグスキーは前年8月に動脈瘤で早世した親友の画家・建築家、ヴィクトル・ハルトマン(またはガルトマン=1834~73年)の遺作展を見るため、画家の母校であるペテルブルク美術アカデミーにいた。ハルトマン作品から得た霊感がよほど強かったのか、ピアノ独奏のための組曲「展覧会の絵」は遅筆の作曲家には異例の早さで書き上げられ、同年の夏に完成した。「ハルトマンの10点の絵を作曲家が見て廻る」との設定で、会場を移動する姿が、楽曲冒頭から何度か曲想を変えて現れる「プロムナード」の旋律に描かれた。あくまで「私的」作曲として、ムソルグスキーの生前は演奏も出版もされなかった。それをボストン交響楽団の実質的な終身常任指揮者を務めたセルゲイ・クーセヴィツキーがラヴェルに管弦楽用にアレンジを依頼して有名になりました。ムソルグスキーの作曲ですが、オーケストラ版の「展覧会の絵」は、実質は編曲したラヴェルの曲と言っても過言では無い傑作。このアバドの録音は、誰にでも薦めことが出来る。各曲の表情変化も多彩であり、迫力も十分。1993年録音のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団での《展覧会の絵》の録音が世評は良いが、このベルリン・フィルとの録音は、細かいところまで表現が緻密である。解釈は中庸で普遍的乍ら、ラヴェルの魔術を忠実に音にした名盤です。
1982年、クラウス・ヒーマン、ライナー・ブロックの録音。1982年初発。カバー裏はエンボス仕様。
DE DGG  2532 053 ルドルフ・ゼルキン モーツァルト・…
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