34-14867

商品番号 34-14867

通販レコード→豪グリーン黒文字盤

珠玉のモーツァルト ― このLPレコードで指揮をしているクルト・レーデル(Kurt Redel, 1918年10月8日〜2013年2月12日)は、1945年までドイツ領であったブレスラウ(現ポーランド領ウロツワフ)出身の指揮者兼フルート奏者。レーデルは1938年、20歳の時にマイニンゲン州立オーケストラの首席フルート奏者に就任。さらに1941年ミュンヘンのバイエルン国立オーケストラの首席に就任。1952年に、本盤でも演奏しているミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団を自ら創設し、音楽監督を務めた。数多くのコンサートを行い、1960年代にエラート・レーベルにバッハやハイドン、モーツァルトなどを数多くレコーディングし、各種レコード賞を受賞。またルルド音楽祭を自ら主宰して、20年間にわたって率いると同時に、ヨーロッパの重要なオーケストラとも共演。ザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学やデトモルト音楽院で教授を務めた。それら20歳の若い時からで、カールハインツ・ツェラー、パウル・マイゼンにフルートを教えた。これらの長年の功労に対し、レコード大賞、パリ・オペラ座オルフェウス賞、エジソン賞、ドイツ連邦一等功労十字章がレーデルに授与されている。2019年はレオポルド・モーツァルト(1719〜1787)の生誕300年のアニヴァーサリー・イアー。ガラガラやおもちゃのラッパ、鳥の鳴き声などを多用していることでも知られる「おもちゃの交響曲」が代表作とされる、父レオポルドの指導を受けていた頃の3曲のディヴェルティメントは、神童モーツァルトを示す初期を代表する名曲で、弦楽合奏で演奏される交響曲といえる堂々たる出来で、ザルツブルク・シンフォニーとしてLPレコード初期から愛好されてきたものです。このLPレコードの演奏は、気心の合ったミュンヘン・プロ・アルテ室内管との演奏。レーデルとミュンヘン・プロ・アルテ室内管のモーツァルトは、ウィーン・スタイルとは一線を画す〝ドイツ・スタイル〟によるもので、特に高い評価を得ている。1991年にレーデルが同オーケストラを率いて来日公演を開いた時は、バッハやモーツァルトなど古典音楽を演奏する団体のイメージが強く、まさかブルックナーの「交響曲第5番」をプログラムに取り上げるとは想像だにしなかっただけに、興味を大いに刺激してくれたが、若きモーツァルトの作曲した音楽に魂が入ったとでも表現したらいいような、情感細やかな名演を繰り広げる。
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フランスのエラート・レーベルが最初に日本で紹介された時は、日本コロムビアからの発売だった。フランスに数多く残るバロック音楽ゆかりの宮殿での演奏会を再現した、空想音楽会のシリーズは忘れられない。その後、1970年代半ば、エラートの日本での発売権は RVC に移るが、移った当初は日本コロムビアのような輝きのあるエラートの音が作れず、エンジニアが苦労したと言われている。さらに、1990年代エラートはワーナー・ミュージック・グループの傘下となるが、ワーナー・ミュージック・グループでは1970年代初期音源のCD化にあたってはレコード時代の音質を復活させようとしてマスタリングを当時エラートを担当した日本コロムビアに依頼したという経緯がある。東京赤坂に当時「東洋一」と謳われた日本コロムビアの録音スタジオが完成したのは1965年。この録音スタジオとカッティング室が同一ビル内にあることから、1969年にはテープ録音機を介さず、録音スタジオとカッティング室を直結して、ミキシングされた音を直接ラッカー盤に刻み込むダイレクト・カッティングのLPを発売して音の良さで話題となった。奇しくも同時期に米国シェフィールド・ラボから発売された同じダイレクト・カッティングのLPが輸入盤として注目されていただけに、NHKの放送スタジオのレコードプレーヤーが同社製であることと日本コロムビアはレコード・ファンの好評を定めた。日本コロムビア録音部ではダイレクト・カッティングを経て、1972年のPCM録音機の導入以降、録音機の小型化、高性能化と並行して、様々なデジタル周辺機器の開発へ進む。その後、1981年にはハードディスクを用いたデジタル編集機の登場。そして、86年、日本から始まったCD化の波は世界中に波及し、CD工場を持たない国内外のレコード会社はこぞって日本にマスターテープを送り、CD生産を依頼してきた。しかし、会社経営母体が日立からリップルウッドに移り、スタジオの廃止は逃れられなかった。
エラート(Erato Disques, S.A.)は古楽録音で大きな実績をもつ最古参レーベルです。レーベル名はギリシャ神話に登場する文芸の女神・エラトーからとられている。独立系レーベルとして1953年にフランスで設立された。芸術責任者のミシェル・ガルサンの下、フランスのアーティストを起用した趣味性の高いLPを数多く制作し、クラシック音楽を中核とし、とりわけフランス系の作品や演奏家の紹介に努めてきた。その中心的なレパートリーはバッハ以前の古楽だった。日本ではバロック音楽すべてが含まれる場合もありますが「古楽」は、古典派音楽よりも古い時代の音楽=中世、ルネッサンス、ごく初期のバロック音楽の総称です。作曲された時代の楽器、演奏方法は、時代を経るにつれ変遷を遂げてきています。近年の「古楽」ジャンルの録音は、19世紀から20世紀にかけて確立されたクラシック音楽の演奏様式ではなく、現代の楽器とは異なる当時の楽器で、音楽史研究に基づいて、作曲当時の演奏様式に則った演奏によっています。但し、オリジナル楽器録音への取り組みはやや遅く、本格化するのはフランス系以外の奏者を積極的に起用するようになった1980年代以降。中心を担ったのはトン・コープマン、ジョン・エリオット・ガーディナー、スコット・ロスといった、グスタフ・レオンハルトたちよりも一世代後、かつフランス人以外の演奏家たちである。
ミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団、クルト・レーデル(指揮)、1964年発売。
AU WRC TE330 クルト・レーデル モーツァルト・ディヴェル…
AU WRC TE330 クルト・レーデル モーツァルト・ディヴェル…
L.モーツァルト&W.A.モーツァルト:おもちゃの交響曲ほか
クルト・レーデル(cond)
ワーナーミュージック・ジャパン
2012-12-05