10月25日
ワルツの王としても知られる、ヨハン・シュトラウス2世が生まれた日(1825年)。父、ヨハン・シュトラウス1世の功績を引き継ぎ、ワルツの世界をさらに優雅で美しいものにした。作品としては《美しく青きドナウ》、《ウィーンの森の物語》、《皇帝円舞曲》などがある。ワルツの他にもオペレッタ《こうもり》も現在でも演奏機会が多い。
父ヨハンは〝ワルツの父〟、子のヨハンは〝ワルツ王〟と呼ばれている。父子とも実用的な舞踏音楽であるウィンナ・ワルツの基礎を築いた作曲家として名高い。当時、ウィンナ・ワルツはメッテルニッヒの専制政治下における社会不安のもとで、大流行した。父ヨハンは「アンネン・ポルカ」、「ラデツキー行進曲」など250曲にのぼる作品を作曲し、子ヨハンは父が確立したウィンナ・ワルツをいっそう洗練させ、芸術性を盛り込んだ500曲におよぶ作品を書いた。「美しく青きドナウ」、「ウィーンの森の物語」、「皇帝円舞曲」などのワルツのほか、「こうもり」、「ジプシー男爵」など16曲のオペレッタを作曲している。この一家は全部音楽家で、次男ヨーゼフも、三男エドゥアルトも作曲家兼指揮者であった。
交響曲は作曲しなかったヨハン・シュトラウス2世。親交を持っていたヨハネス・ブラームスとそれぞれの路線で成功をしたかったふしがある。作品全体を見回すと、ポプリ形式のワルツが中期には多く目立つが、作品番号350すぎるとシンフォニックな響きで、交響楽章さながら。交響詩を知っていたならば、大規模で物語性のある楽曲も残しただろうか。最後のステップアップは宮廷歌劇場の楽長を目指した。弟たちはそれぞれにオーケストラを率いて活躍。歌劇「騎士パスマン」を書き上げて念願をはせる。
DE DGG 2530 692/693 - Carlos Kleiber, Julia Varady, Lucia Popp, Hermann Prey, Ivvan Rebroff, René Kollo, Bernd Weikl, Bayerisches Staatsorchester – Johann Strauss – Die Fledermaus
― 上機嫌なカリスマ指揮者が残したレコードはどれも超一流の名演だが、在りし日のカルロスを思い返すには、ヨハン・シュトラウス2世の喜歌劇《こうもり》が最適だ。
豊麗な声の饗宴を実現
最後のカリスマ指揮者、カルロス・クライバー逝って20年が過ぎた。ネットでオリジナル盤を商うようになった時期で、受容が加熱した。このところはそんな過剰ぶりも落ち着いてきた。クライバーは劇場やコンサートホールで指揮することが好きではなく、レパートリーも極めて少なく、〝気まぐれな完璧主義者〟と呼ばれた。しかし、彼の演奏はいつも新鮮で、聴く者の心と体を幸福感で満たしてくれた。それはオーケストラのプレイヤーも同じだったらしく、バイエルン国立歌劇場のヴァイオリニストは、「カルロスだったら、練習だけでも、ノーギャラでも演奏したい」と言っていた。
残されたレコードはどれも超一流の名演だが、在りし日のカルロスを思い返すには、ヨハン・シュトラウス2世の喜歌劇《こうもり》が最適だ。本編の主要な旋律が全て用いられたワルツや歌の旋律が、彼の颯爽としたタクトさばきによって鮮やかに蘇る。
ヨハン・シュトラウス2世の傑作「こうもり」の中でも代表的な録音のひとつ。ヘルマン・プライ、ユリア・ヴァラディら充実の歌手陣を、カルロス・クライバーとバイエルン国立歌劇場管弦楽団による流麗この上ない演奏でサポートしている。音楽が躍動し新鮮な息吹が陶酔を誘う圧倒的なこの演奏は、新鮮な息吹を感じる一枚。クライバーの録音の中でも屈指の名盤として知られています。
指揮者カルロス・クライバー(1930.7.3〜2004.7.13)は、没後20年を経た今もなお、その人気は衰えることがありません。優美で華麗な指揮姿、極端に少ない演奏会やレパートリー、キャンセルの多さ、そして何よりもオペラ・コンサートを問わず、演奏そのものの圧倒的な魅力によって、数多くの聴衆を魅了したカリスマでした。クライバーのスタジオ録音は、1973年の《魔弾の射手》に始まり、1982年の《トリスタンとイゾルデ》にいたる Deutsche Grammophon録音8点とEMI録音1点のみで、そのほかは公式非公式を問わず全てライヴ録音によるものです。
1975年から76年にかけて録音された《こうもり》は、Deutsche Grammophon デビュー盤となった《魔弾の射手》に次いで2番目のオペラ全曲盤となったもので、クライバー晩年の30年間最も密接な関係を持っていたバイエルン国立歌劇場のアンサンプルとの初録音となったものです。1974年の大晦日にオットー・シェンクの新演出でプレミエを出したバイエルン国立歌劇場の《こうもり》は、《ばらの騎士》とともに同歌劇場の名物プロダクションとなりクライバーも1988年まで、その上演をほぼすべて指揮しました。
歌手陣には、ヴァラディ、ルチア・ポップ、プライ、ルネ・コロ、ベルント・ヴァイクルなど録音当時旬の名オペラ歌手をそろえ、豊麗な声の饗宴を実現させる一方で、ロシア貴族のオルロフスキー役にはロシア民謡歌手のイヴァン・レブロフが起用され、裏声で歌う独自のキャラクターづくりが際立っています。演奏会でもしばしばアンコールで指揮した序曲、第2幕中で演奏され、全曲のクライマックスともいえる圧倒的な「雷鳴と電光」をはじめ、全曲にわたってクライバーの緩急自在の指揮に機敏に反応するオーケストラの筋肉質の響きも他の演奏からは聴けない魅力です。
ダイアローグの演出は、オペラ上演の演出を担当したオットー・シェンクが手がけ、セッション録音ながら、実際のオペラ上演のような生き生きとした舞台の感覚を味わうことができるのは、カラヤンの《メリー・ウィドウ》と同様です。
1975年の優秀録音です。布張りボックス入り。
英独仏伊語解説書、英独仏対訳リーフレット付き。
プロダクト・ディテール(ヴィンテージ盤)
- レーベルDeutsche Grammophon
- 楽曲「こうもり」全曲
- レコード番号2530 692/693
- 作曲家ヨハン・シュトラウス2世
- 演奏者
- ユリア・ヴァラディ(ソプラノ)
- ルチア・ポップ(ソプラノ)
- ヘルマン・プライ(バリトン) ほか
- オーケストラバイエルン国立歌劇場管弦楽団
- 演奏者カルロス・クライバー
- 録音年1975
- 録音種別STEREO
- 製盤国DE(ドイツ)盤
- レーベル世代ブルーラインレーベル
CDや伝記本がamazonで購入できます。
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ショップ・インフォメーション(このヴィンテージ盤はショップサイトの扱いがあります。)
- 商品番号372434
- 盤コンディション良好です(MINT~NEAR MINT)
- ジャケットコンディション良好です(ボックスおもて右上にシールはがし跡あり)
- 価格13,200円(税込)
- 商品リンクhttps://www.lpshop-b-platte.com/SHOP/372434.html
- ショップ名輸入クラシックLP専門店 ベーレンプラッテ
- ショップ所在地〒157-0066 東京都世田谷区成城8-4-21 成城クローチェ11号室
- ショップアナウンスべーレンプラッテからお客様へ
当店のレコードは、店主金子やスタッフたちが、おもにヨーロッパに直接出向き、実際の目と耳で厳選した、コンディション優秀な名盤ばかりです。国内で入手したものや、オークション品、委託商品はございませんので、安心してお求めになれます。
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