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20世紀アメリカを代表する作曲家のひとり、サミュエル・バーバーHenri Dutilleuxが生まれた日(1910年)。代表作《弦楽のためのアダージョ》はJ.F.ケネディの葬儀で使用されてから、追悼の意を込めて演奏されることが多い。自身も優れたピアニスト、バリトン歌手であったため、バーバーは該当のジャンルでも良質な作品を生み出した。
M170142

US COLUMBIA MS6713 - Isaac Stern, New York Philharmic, Leonard Bernstein - Samuel Barber, Paul Hindemith - Violin Concsrtos

ブラームスの交響曲第3番の10日後、悲劇的序曲の5日前にマンハッタン・センターで行われた。優秀録音。

  • アイザック・スターンの名を見つけると、私は必ず映画「ミュージック・オブ・ハート」(Music of the Heart, 1999)を思い出す。メリル・ストリープ演じる女性の音楽教師が、スラム街の学校に通う子供達に悪戦苦闘しながらヴァイオリンを教え込み、最後には地域の支持を獲得することに成功、お別れの発表会をカーネギー・ホールで行うという実話に基づいたストーリーです。このカーネギー・ホールのシーンでスターン自身が登場し、子供達と一緒に演奏をする展開には暖かい人柄が滲み出て、何回見ても飽きない。ユダヤ系のヴァイオリニスト、スターン(Isaac Stern)は、アメリカで活躍したヴァイオリニスト。1920年7月21日、当時ロシアだったウクライナのクレメネツに生まれ、1歳2ヶ月の時、家族に連れられサンフランシスコに移住する。母親から音楽の早期教育を受け、1928年サンフランシスコ音楽院に入学、ヴァイオリンをナフム・ブリンダーに学んだ。1936年2月18日にサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番を、ピエール・モントゥー指揮サンフランシスコ交響楽団と共演してデビューを果たした。初演後、初演者と作曲者の恋愛関係から演奏される事のなかったバルトークのヴァイオリン協奏曲第1番を初演者の依頼によって再演奏し、世界に知らせた。スターンの美しい音色、安定した演奏はまさに巨匠芸。名ヴァイオリニスト、スターンはバッハから20世紀作品に至る幅広いレパートリー持ち主で、ベルクやバルトーク、ストラヴィンスキー、バーバー、バーンスタイン、デュティユーなどの20世紀の協奏曲も演奏・録音した。室内楽でも、ユージン・イストミン、レナード・ローズと組んでピアノ・トリオの演奏や録音を行った。新進演奏家の擁護者でもあり、なかでもイツァーク・パールマン、ピンカス・ズーカーマン、シュロモ・ミンツ、ヨーヨー・マ、ジャン・ワンはスターンの秘蔵っ子たちで、しばしば共演を重ねてきた。1960年には、カーネギー・ホールが解体の危機に見舞われた際、救済活動に立ち上がった。そのため現在、カーネギー・ホールのメイン・オーディトリアムはスターンの名がつけられている。またユダヤ人としてイスラエルに強い共感を示し、ユダヤ人を題材にしたミュージカル映画『屋根の上のバイオリン弾き』では劇伴のヴァイオリンソロを担当している。一方で、中東和平を推進したイスラエルのバラク政権を支持した事や、ドイツ人との和解に努めた事も注目される。2001年9月22日、その11日前に発生したアメリカ同時多発テロ事件で全米が騒然とする中、その渦中にあったニューヨークで心不全の為、亡くなった。
  • 穏やかな時間が訪れるレコード

  • アメリカ映画「プラトーン」はベトナム帰還兵であるオリバー・ストーン監督が、アメリカ陸軍の偵察隊員であった頃の実体験に基づき、ベトナム戦争戦争の現実を描いた。この映画は日本でも大ヒットした。折しも劇場映画を家庭用ビデオで見て楽しむ時代になっていた。この映画でサミュエル・バーバー作曲の「弦楽のためのアダージョ」が使用された。『エレファント・マン』『ロレンツォのオイル/命の詩』『アメリ』でも、この曲は使用されている。このバーバーの「弦楽のためのアダージョ」は、弦楽四重奏曲第1番の第2楽章を、弦楽合奏用に編曲したものであり、また歌詞をつけて『アニュス・デイ』として無伴奏混声合唱曲にも編曲された。初演は1938年11月5日に、アルトゥーロ・トスカニーニ指揮、NBC交響楽団によって行われた。アメリカでは、この曲が有名になったのは、ジョン・F・ケネディの葬儀で使用されてからである。そのため個人の訃報や葬送、惨事の慰霊祭などで定番曲として使われるようになったが、バーバー自身は生前「葬式のために作った曲ではない」と不満を述べていた。日本においては、昭和天皇の崩御の際に、NHK交響楽団の演奏を放映した。その際にもアメリカのオーケストラの1950年代の録音しか見つけられませんでしたが。当時で聴けるバーバーといえば、その曲と、「悪口学校」、「ヴァネッサ」、チェロ協奏曲に、この《ヴァイオリン協奏曲》。1940年の作品。日本は戦時への道をひた走り、国民は徐々に統制のもとに置かれつつあった時分に、バーバーはこんなにロマンテックな音楽を作っていた。文化の豊かさの違いか、日本は暗い押し付け文化しか残されなかった。私的初演のヴァイオリンは学生、指揮はライナー。公式の初演は1941年、ヴァイオリンはスポールディングと指揮はオーマンディ。初演後わずか20数年で、近年の叙情的でともすればムード音楽調に流れる傾向とは一線を画するスタイルを打ち立てたバーンスタインの慧眼に今更ながら感心させられる演奏です。「ウエスト・サイド物語」の生みの親ならではか。3楽章の伝統的な急緩急の構成で、バーバー独特のあくまでも明るいアメリカの大地に根差したかのようなノスタルジーに全編満たされています。それは視点を変えれば、20世紀の現代音楽だと、自ら敷居を高めること無いということ。素晴らしいヴァイオリンの歌いまわしはスターンらしい、大らかさと男気の優しさで。バーンスタインの気持ちのこもった指揮。それこそ、呼吸の良い音楽です。バーバーのこの曲を聴くと、ほっと一息、とても安心できます。耳あたりいいので、20世紀クラシック音楽の入口にどうぞ。
  • M170142
  • M1701_0943
  • MS6713

プロダクト・ディテール(ヴィンテージ盤)

  1. レーベル
    COLUMBIA
  2. レコード番号
    M42449
  3. 作曲家
    1. サミュエル・バーバー
    2. パウル・ヒンデミット
  4. 楽曲
    1. ヴァイオリン協奏曲
    2. ヴァイオリン協奏曲
  5. 演奏者
    アイザック・スターン(ヴァイオリン)
  6. オーケストラ
    1. ニューヨーク・フィルハーモニック
  7. 指揮者
    1. レナード・バーンスタイン
  8. 録音年月日
    1. 1964年4月27日
    2. 1964年4月25日
  9. 録音場所
    ニューヨーク、マンハッタン・センター
  10. 録音種別
    STEREO
  11. 製盤国
    US(アメリカ)盤
  12. レーベル世代
    二つ目レーベル
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