US WESTMINSTER  XWN18036 アマデウスSQ & ウィーン・コンツェルトハウスSQ モーツァルト・弦楽四重奏曲
通販レコード→米ダークブルー銀文字盤

US WESTMINSTER XWN18036 アマデウスSQ & ウィーン・コンツェルトハウスSQ モーツァルト・弦楽五重奏曲

商品番号 34-14188

クラシックの室内楽音楽の真髄を堪能する ― アマデウスSQとウィーン・コンツェルトハウスSQの演奏は、どちらもとても上品で、録音は古くても、弦の音が匂い立つような瑞々しさに溢れている。特にアマデウスの方は、そのロマンティックな表現が、最近のクールな演奏に慣れた耳に心地よく響く。アマデウス四重奏団がモノラル期のウェストミンスターに録音したモーツァルトのト短調の弦楽五重奏曲は、当時この曲の代表盤として知られていました。
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1949年にニューヨークで創設され、短期間に綺羅星のごとく名録音の数々を残したウエストミンスター・レーベル。創設の中心メンバーであったジェイムズ・グレイソンがイギリス人で、もともとロンドンのウエストミンスターのそばに住んでいたので、「ウエストミンスター」と命名されました。創設当初の中心的なアーティストは、ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団、ウィーン・フィルハーモニー木管グループで、1952年からはこれにバリリ四重奏団が加わりました。彼らはみなウィーン・フィルなど、ウィーンで活躍していた演奏家たちでした。
SPレコードが一般的になるまではクラシック音楽とは西洋の知識や精神を理解した「インテリ」の愛好する音楽である、というイメージが付与されることとなった。それがレコード文化の一般化で小難しさはわからなくてもその調べを楽しむ文化は形成されていった。ところがそれは、LPレコードからCDという、より簡易に演奏を紹介できるメディアの登場で、ピリオド楽器での演奏から、ピリオド奏法での演奏へと、またもレコードを聞く他に、 スコアを読む等、学問的な態度でクラシック音楽を愛好する傾向に戻ろうとしている。SPレコードからデジタル録音の初期まで、音楽の受容に沿う如くにアマデウス弦楽四重奏団の演奏スタイルは変化を重ねている。
モーツァルトの音楽には、自由なバロック音楽の精神が底流にあり、それが作曲技法としてはタブーとされた和声を時に使わせます。モーツァルトも、それは十分に学習していたでしょうが、そうした禁断の音を潜ませているところが一見陽気で親しみやすいモーツァルトの音楽の魔力なのです。アマデウス弦楽四重奏団にセシル・アロノヴィックのヴィオラ、ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団にフェルナンド・シュタングラーのヴィオラが加わる。弦楽五重奏曲第4番ト短調 K.516 と第6番変ホ長調 K.614 の2曲。モーツァルトが作曲した6曲の弦楽五重奏曲では、弦楽四重奏にヴィオラが加わって内声部が強化されています。しかもここでの第1ヴィオラは低弦部のまとめ役だけでなく、通常の弦楽四重奏における第2ヴァイオリンのような役割も果たす要のパートになっています。そのため、より多彩な演奏効果が獲られ和声的な充実感もあります。分厚くなった低音部に引きずられないで、自由に身動きできる明快さ、軽やかさが感じられます。交響曲やピアノ協奏曲のオーケストラ・パートではヴィオラが二部に分かれる書法も見られます。それは、モーツァルトは自身ではヴァイオリンよりヴィオラを弾くことを好んでいたということも大きく、シューベルトがピアノ五重奏曲にコントラバスを加えたことと動機は同じでしょう。通常の弦楽四重奏団に第2ヴィオラを加えた弦楽五重奏のスタイルは、二部のヴィオラの内声部の充実の他にも、ソロで参加することも多い第一ヴィオラのパートが加わるので、弦楽四重奏団のメンバーでは出ない魅力を伝えてくれます。駄作はほとんど無いと言われるモーツァルトの室内楽曲ですが、全部で6曲残された弦楽五重奏曲はどれもがモーツァルト自身、特に強い思い入れを持って書かれたと思われる傑作揃いです。全6曲中ではト短調五重奏曲が特に有名です。小林秀雄氏が彼の名著「モオツァルト」の中で、『モオツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない。涙の裡に玩弄するには美しすぎる。空の青さや海の匂いの様に、万葉の歌人が、その使用法をよく知っていた「かなし」という言葉のようにかなしい。』と表現したのが、この「第4番」のト短調楽章。モーツァルト研究家、アンリ・ゲオンはこの表情を《駆けめぐる悲しみ》という名言で表しました。第1楽章の最初の旋律から、どこか思いつめたような感情がこころの裡に向かって攻めてきて、暗鬱な気分に覆いつくされてみると、《駆けめぐる悲しみ》や《かなしさは疾走する》といった名言に頷くこと間違いありません。夢見心地のアダージョで詠嘆的な短調モチーフと、長調に転じて裏打ち伴奏音形にのって奏されるモチーフが対照的。傑作揃いのモーツァルト短調作品の中でも規模、構成とも室内楽の域を超える立派なもの。アマデウス四重奏団がモノラル期のウェストミンスターに録音したモーツァルトのト短調の弦楽五重奏曲は、当時この曲の代表盤として知られていました。
(戦後からデジタルまでの変化を書く)予定でしたが、30分でまとめている都合上、Facebookにメッセージ等が来ると中断せざるを得ず。またいずれ、ウェストミンスター盤のアマデウス四重奏団のレコードを取り上げる時に書きます。読み返す時間も足りないので、間違い誤記も、そのままです。
Recorded in 1951&49; コンツェルトハウス・モーツァルト・ザール(ウィーン)&ハムステッド・パリッシュ教会(ロンドン)

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商品名US WEST XWN18036 アマデウスSQ & ウィーン・コンツェルトハウスSQ モーツァルト・弦楽四重奏曲