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US VOX PL7010 オットー・クレンペラー マーラー・交響曲2番「復活」

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今の時代における演奏とは一線を画したマーラーで重厚で落ち着きがあり、リズムも含めて揺らぎのまったくない演奏、というのが晩年を迎えてのクレンペラーが、EMI にレコーディングした数々を総称する表現ですが、事この《復活》は違う。マーラーの交響曲は《千人の交響曲》では言葉でストレートに訴えかけ、その反動に《夜の歌》があるように振り幅が大きい。その中で《復活》は均衡が取れている音楽だ。クレンペラーは終戦になったとき、瓦礫と化したドイツやフランス、ヨーロッパ中を回って、このマーラーの《復活》だけを演奏し続けました。クレンペラーは、50代半ばで脳腫瘍を患い、言語障害や体の麻痺といった後遺症に苦しみ、その移動中に骨盤の複雑骨折、全身に大やけど、ステージから落ちて今度は背骨を骨折する、これでもかという災いから、そのつど復活してきた何とも凄まじい指揮者です。また、若い頃、これをピアノ用に編曲して、まだ生きていたマーラーに見せに行ってマーラーを非常に感心させたというから《復活》は自家薬籠し尽くしていたといえます。「立ち上がる、そう、あなたは立ち上がるだろう」と歌う、この曲がマーラーの交響曲としてよりも宗教曲を思わせるのは、自分自身何度も絶望の中から立ち上がってきたクレンペラーだからこそで、そういう点では、二度と現代には存在しえない演奏だろう。1951年5月18日、ウィーン、ムジークフェラインザールでの録音。レアなロングカートン。
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