34-18264

商品番号 34-18264

通販レコード→米ライト・ブルー黒文字盤

〝肩紐が切られ新しい演奏様式を獲得する〟 ―  「彼がゴミ箱に捨てたスケッチでシンフォニーが1曲書ける」というほどドヴォルザークのメロディを評価していたブラームスは、ドヴォルザークのチェロ協奏曲を聴いて、とても悔しがった。このブログでもチェロ協奏曲といえば、エルガー、サン=サーンス、ディーリアス、ウォルトンをよく選んでいます。近代では、プロコフィエフ(交響的協奏曲)、ショスタコーヴィチ(第1番)、ブリテン(チェロ交響曲)が有名だが、モーツァルトも、大編成を好んでいたベートーヴェンもチェロ協奏曲を残していない。「三大ヴァイオリン協奏曲」としてはブラームスは必ず指折られますが、一般的にドヴォルザークの作品にシューマン、このハイドンの作品を持って「三大チェロ協奏曲」と呼ばれるようです。もちろん、そう呼ばれるだけあって、ハイドンの協奏曲作品の中でも最も充実した作品となっています。この「三大チェロ協奏曲」はLPレコード時代になって決定づけられたものです。この作品はエステルハージの宮廷楽団でチェロを演奏していたアントン・クラフトのために作曲されたと言われています。ところが、ハイドンの自筆楽譜が長らく不明だったために、作品のあちこちに登場する重音奏法やハイ・ポジションの使用が時代の壁を越えているという理由で実際にはクラフトの作品ではないかという「贋作説」が根強く主張されてきました。「伝ハイドン」としているLPレコードもありましたが、1950年代に入ってウィーン国立図書館でハイドンの自筆楽譜が発見されるや、ハイドンの先進性が高く評価されたのです。18世紀を通して主にイタリア人によって非常に多くのチェロ協奏曲が書かれ、1730年代までに作曲された中ではヴィヴァルディのものが有名である。弦楽五部になっているモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は、現代、モダン・オーケストラのレパートリーになっていますが、当時の弦楽パートは弦五部ではなく、第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、ヴィオローネの四部であった。ヴィオローネのユニゾンに重ねる程度で加わるようになったチェロパートがやがて独立したのが『チェロ協奏曲』の誕生となり、これは後に近代弦五部の確立へとつながってゆく。まだまだ、この時代のチェロは音量と音程ともに良くなく、王侯貴族のサロンでは十分だった音量から富裕商人が開く音楽会が拡大するに連れて大編成になっていく。
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あらためてハイドンが優れた音楽の職人であったことを確認する。モーツァルトにあったのは天衣無縫の自由の精神であり、ハイドンにあったのは良くも悪くも忠実な、否、誠実な職人精神だ。そして、その音楽に感応するシュタルケルのチェロは、どこまでも職人的。ハンガリー出身の天才チェリスト、ヤーノシュ・シュタルケルの比類なきテクニックと豊かな音楽性が、指揮、フィルハーモニア管弦楽団との競演に溢れます。シカゴ交響楽団で首席チェロ奏者の座を歴任、その後ソリストに転向したシュタルケル40歳代の録音。若き日のシュタルケルの豪放にして繊細な芸術が堪能できます。よく大きいチェロを軽々とヴァイオリンのように扱うと揶揄された典型例か。録音は1958年、「アイレスフォード卿」という名前で知られるストラディヴァリウスを使用してのEMIの最初期ステレオ録音です。名物プロデューサー、ウォルター・レッグが若きシュタルケルに目をつけ、彼の重要なレパートリーをすべてLPレコードに刻むために契約したときの録音です。バッハの無伴奏チェロ組曲全曲、コダーイの無伴奏チェロ・ソナタ、ハイドン、ボッケリーニ、ドヴォルザーク、シューマン、サン=サーンスの協奏曲、そして小品集と、若きシュタルケルの端正でいて音楽性豊かな名演が優秀な録音で収められています。シュタルケルのチェロは、その圧倒的な技術をことさらひけらかせるような事をせず、また過度にロマンティックに弾くようなこともせず、忠実な音楽の下僕のように弾いていることで、そんな名演奏です。このイギリス・コロムビア盤ではまるで即興演奏のライブ録音のようです。この曲に楽譜があることを疑わせるほど、すべての音がシュタルケルの霊感から生まれていて、音楽が今まさに誕生する瞬間に立ち会うことができます。一挺のチェロの限界を大きく押し広げ、さらにそれをも大きく超えた演奏のように聴こえます。ジュリーニとフィルハーモニア管弦楽団の響きが実に立派で、管弦楽パートも充実ぶりのよく分かる「チェロ独奏付きの管弦楽曲」という風情になっている。ジュリーニの演奏はかなり独特で万人受けはしない。が、一度はまってしまうとなかなか抜けられないくらいに素晴らしい。私は、まだヨーロッパにいた間に、真に偉大な音楽家、カルロ・マリア・ジュリーニの指揮でハイドンのチェロ協奏曲を録音した。その後、シカゴ響のシーズンが開幕した時、フリッツ・ライナーが私に言った。「私は、ジュリーニという若い男と契約して二週間指揮してもらうことになった。彼は二つのプログラムを送ってよこしたが、その中には私がもう予定に組んでいる作品が入っていた。ところが彼は、その作品を差し替えることを拒んだのだ。こんな話を聞いたことがあるだろうか?」私は、ジュリーニが非常に良心的な音楽家だという意味のことを口ごもりながら言った。私は、彼が優れた指揮者であり、自分が熟知している作品でなければ指揮しないのだと感じていた。その後、ジュリーニは、シカゴ響にもそれ以外のオーケストラにも愛される、欠かすことのできない指揮者となった。音楽は基本的には言葉です。ブラームスの言葉はバッハとは異なっていますし、シューマンともバルトークともマルティヌーとも違っている。私はそれらの言葉全てを学ばなければなりません。ひとたび言葉を知ったならば、プログラムにブラームスがあれば、座ってブラームスの言葉で演奏します。マルティヌーであれば、その言葉を用いる。ディレッタントは全て同じ言葉を用います。プロフェッショナルは言語の微妙な違いを即座に理解して、再現できなければならないのだとシュタルケルは言う。そして、もう一つ彼の言葉を戒めに。誰も今まで最高の水準に達したことはありません。進化の過程にあるのです。しかし誰でも、その人が生きている限り、高く高く達しようとしています。常に進化、深化を目指せと。人生に卒業はない。新型コロナウイルス後の音楽は
  • Record Karte
  • Producer – Walter Legge. Recorded 29 & 30 May 1958, Kingsway Hall, London.
  • US ANGEL 35725 シュタルケル&ジュリーニ ハイ…
  • US ANGEL 35725 シュタルケル&ジュリーニ ハイ…
Janos Starker - The Warner Legacy
Starker, Janos
Warner Classics
2014-10-07

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