34-8469
商品番号 34-8469

通販レコード→蘭ダーク・プラム銀文字盤 HI-FI STEREO
大衆ウケする弾き振り ― 檄速に爽快感を覚える。ショスタコーヴィチを感動させた演奏。1959年8月、レナード・バーンスタインとニューヨーク・フィルハーモニックは約8週間に渡るヨーロッパ・ツアー(1959年8月3日~10月13日)に出かけました。その途次である9月11日、モスクワで演奏されたショスタコーヴィチの交響曲第5番は作曲者自身から大絶賛され、このニュースはたちまち全米を駆けめぐりました。コンサート後、臨席していたショスタコーヴィチがステージに駆け上ってバーンスタインと、仲良く、手を取り合っているジャケット写真の「交響曲第5番」(Columbia Masterworks ‎– MS 6115)は評判がとても良い。その恣意的なくらいの快速なテンポは心地良く大衆を虜にした。それはスポーツに酔いしれて熱狂するのに似ている。若き日のバーンスタインならではの求心力は魅力的である。スターリンの死後のフルシチョフの雪解け時代、そのチャンスを逃さずアイゼンハワー大統領が推し進めた、音楽の表敬訪問だと、表情をしかめる人も居るだろう。これは東西の間に鉄のカーテンがあった時代のレコードだ。ショスタコーヴィチが、スターリンやソビエト共産党相手に、どれほど恐怖と煩わしさに悩まされたかはさておき、ソビエト連邦といえども、音楽は「権威」よりも「爽快感」を求めた。当時大ヒットし、何年も連続して上映されていたミュージカル映画『ウエストサイド物語』の作曲者だったバーンスタイン ― アメリカン・ドリームを地で行く若くて評判の良い指揮者が、20世紀の陰の部分にはひたすら目を瞑り、彼の評価の根拠にあるミュージカル映画のように分かりやすく興奮度の高い演奏を大衆に提供し、無知な大衆はそのスポーティーさに酔い、アドレナリンを放出した気持ちのいい音楽、クラシックだのミュージカルだのポップスだのジャズだのと、ジャンルは問わず、聴き手をワクワクされる音楽が、いい音楽なのだ。アメリカの国民的音楽番組では、プレスリーの腰から下をテレビカメラに写らないようにしたり、ビートルズが出演した時も発言が注意されたり、ドアーズのヒット曲はマリファナをイメージされるからと歌詞の変更が強要されていた。アメリカでさえ、まだ、そういう時代だ。一人の若い音楽家が指揮台で飛んだり跳ねたりをして見せているのを大人たちはどう観ていただろうか。一種エンタテインメントの対象だった指揮者には、うってつけの役回りだったのであろう。そこにショスタコーヴィチその人は感動したのだろう。当時ショスタコーヴィチは現代の音楽家である。同じ時期の《展覧会の絵》の録音では、この時にひかえた反動が発奮されている。
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レナード・バーンスタイン(1918〜1990)は、アメリカが生んだ20世紀を代表する大指揮者であり、作曲家、ピアニスト、そして教育者、理論家など、音楽の多方面にわたって優れた業績を残した偉大な「音楽家」。広大で深く、説得力あふれるバーンスタイン渾身のロシア物。演奏そのものは、スポーティーな快感を味わうのにはこの上ない。壮年期のバーンスタインの特色である速いテンポによる演奏ですが、音楽が散漫になる事は全く無く、内容は濃密で、劇的な求心力と推進力を兼ね備えています。このテンポの演奏を作曲者のショスタコーヴィチ自身が絶賛した。ニューヨーク・フィルも、バーンスタインの指示に全身全霊を傾けての力演を展開しています。バーンスタインの采配の上手さで、ニューヨーク・フィルの方に演奏をリードさせている。バーンスタインの演奏の魅力は何と云っても作品への強い感情移入とその説得力にある思う。作品への共感に満ちた指揮が、奏者や聴き手を一体感へと導いていくような感じ。本盤も低音パートの強靱な推進力に支えられた快演であり、感動的なフィナーレになだれ込みます。バーンスタインとニューヨーク・フィルという大きな二つの個性が結ばれ、完全にひとつになったからこそなしえた演奏であり、間違いなくバーンスタインの最高峰の演奏であるといえる。録音もワルター盤同様、米コロンビアの技術の結晶が実を結び素晴らしい。バーンスタインの指揮するニューヨーク・フィルの演奏には、そんな音楽が山ほどある。中でも本盤は、優れたピアニストでもあったバーンスタインを証明する稀有な最良の記録でもある。軽やかなタッチに力強さを湛え、節度を保ちつつも緩急の自在なものである。その演奏は、ジャズにも精通していた彼だからこそできたものだと言えるだろう。
ヨーロッパ屈指の家電&オーディオメーカーであり、名門王立コンセルトヘボウ管弦楽団の名演をはじめ、多くの優秀録音で知られる、フィリップス・レーベルにはハスキルやグリュミオー、カザルスそして、いまだクラシック音楽ファン以外でもファンの多い、「四季」であまりにも有名なイタリアのイ・ムジチ合奏団らの日本人にとってクラシック音楽のレコードで聴く名演奏家がひしめき合っている。英グラモフォンや英DECCAより創設は1950年と後発だが、オランダの巨大企業フィリップスが後ろ盾にある音楽部門です。ミュージック・カセットやCDを開発普及させた業績は偉大、1950年代はアメリカのコロムビア・レコードのイギリス支社が供給した。そこで1950年から60年にかけてのレコードには、本盤も含め米COLUMBIAの録音も多い。1957年5月27~28日に初のステレオ録音をアムステルダムにて行い、それが発売されると評価を決定づけた。英DECCAの華やかな印象に対して蘭フィリップスは上品なイメージがあった。
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調、レナード・バーンスタイン(ピアノ、指揮)、コロンビア交響楽団、1958年4月7日ニューヨーク、コロンビア30番街スタジオでのステレオ録音。ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番ヘ長調 Op.102、レナード・バーンスタイン(ピアノ、指揮)、ニューヨーク・フィルハーモニック、1958年1月6日ニューヨークでのステレオ録音。
NL PHIL 835 525AY バーンスタイン ラヴェル・ピアノ…
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