34-15597

商品番号 34-15597

通販レコード→蘭レッド白文字盤

民族的色彩とロマンティックな叙情味を宿した弦楽合奏のための名曲 ― 《弦楽セレナード》の第4楽章では、流れるような旋律と、甘美なフレーズに万人が心奪われることと思います。その穏やかさ、まろやかさ、優しさ、暖かさ。チャイコフスキーの弦楽セレナードと同様に、人気の高いセレナードです。よりドラマチックで扇情的なチャイコフスキーに対して静かで懐かしみのあるのがドヴォルザーク節です。セレナーデ(セレナード)というのは古くは夜に恋人の家の前で独奏楽器と歌とで愛を語る音楽と定義されたものですが、次第に音楽の一つの形式となり、楽器が増えてモーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークで有名になりました。楽章数が多く、軽く優美な曲想によって書かれるものです。好きな人を想っている憧れのような甘い調べの「糸杉」よりも有名で、ドヴォルザークの代表曲の一つです。これを作った33歳(1875年)という時期は「糸杉」で憧れていた人の妹と結婚した2年後であり、音色から幸せな波長がこぼれてくるのも納得です。イギリス人もアメリカの聴衆も皆彼のこういう資質に熱狂したのだと思います。 ブラームスもドヴォルザークのことは大変気に入り、曲を激賞したり互いに訪問し合っています。ブラームスを範としたドヴォルザークの音楽。このレコードの表紙に「セレナーデ」は作品22とありますが、《交響的変奏曲》に作品番号がついていません。こちらは、1877年に作曲し、初演は、1877年12月2日、ルデヴィート・プロハースカの指揮により行われたものの、長らく演奏されなかったのだそうです。10年後、1887年のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の英国楽旅の際に、ハンス・リヒターがロンドンで再演して大成功をおさめます。本来ならば若い番号になるべきところを、ジムロック社が、作品78として出版。曲の価値判断は目利きであるジムロックが、78という作品番号を付けても大丈夫と判断したほどに ― ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」の影響が指摘される、しかし、その変奏曲は民俗色の豊かな作品で、多彩な変奏技法が凝らされたドヴォルザークの変奏曲中最も充実した出来栄えです。とりわけ英国での人気は大変だったようでサー・コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団の寄り添うような演奏も、曲の持つ優美さをより引き立てています。穏やかなひとときを過ごす時に、フロワー型の大型スピーカーで愉しんでください。 →コンディション、詳細を確認する
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サー・コリン・デイヴィスは、1927年イギリスのウェイブリッジ生まれ。1957年から本格的指揮者となりロンドン交響楽団、ロイヤル・オペラ・ハウス、BBC交響楽団、イギリス室内管弦楽団といった有数のオーケストラを指揮し特にモーツァルトやシベリウス、ベルリオーズといった作曲家の作品を得意とし数多くの名盤を残しました。1967年BBC交響楽団の首席指揮者、1971年ロイヤル・オペラ・ハウスの音楽監督、そして1982~1992年バイエルン放送交響楽団の首席指揮者、1995~2006年ロンドン交響楽団の首席指揮者を務めてきました。また1977年にはイギリス人として初めてバイロイト音楽祭で指揮しています。またボストン交響楽団の首席客演指揮者やシュターツカペレ・ドレスデンの名誉指揮者でもありました。デイヴィス自身「モーツァルトは人生そのもの」という言葉の通り、彼は、モーツァルト作品に内包するドラマやパトスを表出することのできる数少ない音楽家でもありました。この時期にフィリップスに録音した類まれなモーツァルティアンの名演奏は、そのほとんどが綿密に制作されたセッション録音である点も大きな特徴です。ロンドン響はワトフォード・タウン・ホールなど、ヨーロッパでも最も音響効果のよいホールで収録されており、そのバランスの取れたヨーロピアンな完熟のサウンドは、この時期のデイヴィスの音づくりを忠実に反映したものと言えるでしょう。そうしたデイヴィスの万全なサポートを得て、ベルギーの名ヴァイオリン奏者アルテュール・グリュミオーが甘美で艶やかな音色によって格調の高い演奏を聴かせている一連のフィリップスの録音は、20世紀モーツァルト演奏の金字塔と言えるでしょう。
ヨーロッパ屈指の家電&オーディオメーカーであり、名門王立コンセルトヘボウ管弦楽団の名演をはじめ、多くの優秀録音で知られる、フィリップス・レーベルにはクララ・ハスキルやアルテュール・グリュミオー、パブロ・カザルスそして、いまだクラシック音楽ファン以外でもファンの多い、「四季」であまりにも有名なイタリアのイ・ムジチ合奏団らの日本人にとってクラシック音楽のレコードで聴く名演奏家が犇めき合っている。英グラモフォンや英DECCAより創設は1950年と後発だが、オランダの巨大企業フィリップスが後ろ盾にある音楽部門です。ミュージック・カセットやCDを開発普及させた業績は偉大、1950年代はアメリカのコロムビア・レコードのイギリス支社が供給した。そこで1950年から1960年にかけてのレコードには、米COLUMBIAの録音も多い。1957年5月27~28日に初のステレオ録音をアムステルダムにて行い、それが発売されると評価を決定づけた。英DECCAの華やかな印象に対して蘭フィリップスは上品なイメージがあった。
  • Record Karte
  • 1968年2月28日〜3月2日ロンドン録音。1968年製作。1984年発売盤。
  • NL PHIL 412 360-1 コリン・デイヴィス ドヴォルザー…
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