34-19732
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IT FONTANA 700 211 オークレール&クライン チャイコフスキー・ピアノ協奏曲&ヴァイオリン協奏曲

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商品名IT FONTANA 700 211 オークレール&クライン チャイコフスキー・ピアノ協奏曲&ヴァイオリン協奏曲

《女を使い熟した、耳をくすぐるような魅惑的な演奏〜『女ティボー』を引き合いに出すのは、この演奏には相応しくない。》ジャック・ティボーの寵愛も受けたミシェル・オークレールは1951年のアメリカ・ツアー、1958年にはソ連のツアーなどで成功を収めたのを頂点に世界中から引っ張りだこになりましたが、早々に寿引退してしまいます。なんとも潔いことだろう。その頃の録音は随分と力のこもった『女ティボー』と言われた通りの凄演だった。演奏家としての現役時代に J.S.バッハから同時代の作品まで幅広くこなしていたオークレールは、そこそこの数の録音を残していますが入手しやすいのはフィリップス傘下のフォンタナ・レーベルに録音した一連のヴァイオリン協奏曲集。この『モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番と第5番』の録音は、引退を間近に控えた1960年代の録音。この頃になるとオークレールの奏法はティボー譲りから、程よく力も抜け、サラリとフレーズを歌わせる自然体の芸風を身に着けて流麗な演奏を披露している。そのちょっとした仕草に、なんともいえない芳しさがあり、このモーツァルトでも、耳をくすぐるような魅惑的な演奏で聴き手を飽きさせない。伴奏するクーローの指揮するオーケストラは、常套的なのだが、それすらも退屈に聴こえさせない才気が充満している。ミシェル・オークレール ( Michèle Auclair, 1924-2005 )は、パリ音楽院でジュール・ブシューリの薫陶を受けたフランスのヴァイオリニスト。1924年の生まれ、1943年のロン=ティボー国際音楽コンクールのヴァイオリン部門の覇者である。 演奏活動から身を引いた後は母校であるパリ音楽院の教授に収まり、世界各国に出かけて教育活動に専念していました。1977年には来日してマスター・クラスを開いています。亡くなったのは2005年と最近のことです。彼女の活躍はヨーロッパ楽壇にその名を轟かせるに十分なものではありましたが、美貌や話題性での出逢いではなく自己表現の音楽として彼女の内包するものを受け入れた作曲家のアントワーヌ・デュアメルとの結婚を得て、それまでのジャック・ティボーからその才能を愛でられ一部のファンから呼ばれた「女ティボー」の渾名は必要なくなったのだ。この『モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番と第5番』のアピールに『女ティボー』と言われた云々はそぐわない。彼女の音楽の変化を聴いていないような評価は、しいてはティボーの音楽の誤解を誘引しやすい事態を招いている。伴奏はシュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団、指揮しているマルセル・クーローは、クセナキスの合唱曲などを初演しているフランス合唱界の大立者。曲がモーツァルトだけに一層才気ばしって思えるオークレールのヴァイオリンは、並木道の木々の枝をくぐり抜けて、爽やかな風が吹き渡るかのような涼やかさがあります楽しんで。(仮想原稿です。オークレールのモーツァルトの原稿を流用しました。チャイコフスキーの演奏は同質でありながら、この原稿で書いたこととは相反するものです。)
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